国鉄型特急電車、それは1958(昭和33)年に誕生したモハ20系電車から始まり、1982(昭和57)年に製造が終わった185系と381系までのシリーズです。
1959(昭和34)年6月1日の国鉄 車両称号規程改正で20系電車は151系に改称され、7月31日には高速度試験にて当時の狭軌鉄道世界最速となる163 km/hを記録しました。
151系の登場は日本の観光旅行の幅を広げただけでなく、首都圏~関西圏の日帰りを可能としたことから、各企業のビジネス様式まで影響を与えました。
151系はデビューに際して与えられた列車名は、その高速能力から音速になぞらえて特急こだまとなりました。
戦前からの名門列車だった特急つばめと姉妹列車の特急はとは、伝統の客車列車として運転されていましたが、1960年10月から展望車に代わる特別座席″パーラーカー″が新規設計され、151系に置き換えられました。
1964(昭和39)年10月に東海道新幹線が開業すると、東京~大阪間の特急電車は余剰となり、山陽本線系統の特急に転用されましたが、鉄道の難所セノハチを超えるにはモーターのパワーが不足していました。
また、上越線への特急電車投入も決まり、上越国境を超えるにはやはり151系では出力不足だったため、試験的要素が強い161系へと改造されました。
高出力が国鉄標準の制式まで発展すると、151系・161系の仕様統一を行い、1964(昭和39)年~1969(昭和44)年にかけて、改造と新製によって181系に統一されました。
181系電車が山陽本線そして上越線で安定した高速運転を継続すると、全国に延伸しつつあった電化による、旅客サービスの提供が始まります。
首都圏~北海道連絡は、1960(昭和35)年に81系気動車で特急はつかりが走っており、その発展形式として82系気動車、そして181系気動車へと進化し、非電化亜幹線区間の速達サービスを提供しました。
国鉄の特急型ディーゼルカーはこのキハ81系・キハ82系・キハ181系の3形式のみですが、国鉄分割民営化を見据えてJR北海道へはキハ183系、JR四国へはキハ185系を誕生させています。
しかし設計と製造は国鉄ではありますが、あくまで民営化されたJRのための車両で、国鉄型ともJR型とも言われていましたが、経年によって廃車が進み始めると、最後の国鉄型ディーゼル特急と呼ばれることが増えました。
電車の方は当初は関西~北陸・九州用に直流 + 交流60Hz区間用の481系電車が1964(昭和39)年に、翌1965(昭和40)年には関東~東北用に直流 + 交流50Hz区間用の483系電車が誕生しました。
1967(昭和42)年にはブルートレインの車体を持った電車として関西~九州用の寝台特急電車 581系が誕生。
1968(昭和43)年には全国特急網構築の″ヨンサントウ ダイヤ改正″が実施され、それに合わせて交流の周波数が50Hz・60Hz両対応となった485系電車と583健康が登場しました。
また485系はその派生系列として信越本線 横川~軽井沢間の碓氷峠対応車両として、EF63との協調運転ができる489系電車も登場しています。
国鉄マークの写真は京都鉄道博物館で撮影したもので、上からキハ81系・151系・489系・581系のものです。
国鉄特急のシンボルと言えば三角形を組み合わせた翼形のマークですが、こちらも京都鉄道博物館にて上から581系・489系・151系・キハ81系です。
尚、次々と新型の特急電車が登場すると、車内は基本的に共通の設計となっているものの、やはり181系電車のアコモデーションが陳腐化してしまい、直流区間専用の特急電車は新型が設計されました。
それが183系電車で1972(昭和47)に房総特急用に誕生し、1975(昭和50)年には碓氷峠用の189系電車も誕生しました。
こちらはキハ181系の特急シンボルマークと、未だ現役で走る伯備線の特急やくも 381系電車のシンボルマークです。
両開き観音扉として新生時に設計された貫通扉ではなく、後から運用上の都合で取り付けられたら貫通扉では、シンボルマークはデザインを模した平面体となっています。
4枚目は再び京都鉄道博物館で展示されている、特急シンボルマークですが展示車両に掲げられているものと違い、輝きは失われてくすんでしまっているのは、ちょっと残念です。
ただ手の届かない位置に輝いているのと違い、目線の位置で見られ観察できるのは、やはり博物館と言ったところです••••••••実際に思ってるより大きいんですよ。
ラストではJNRマークは京都鉄道博物館での展示品ですが、上からキロ80形・サロ581形、そして青森駅で並ぶ583系と485系です。
若い頃は冬になると東北へ行きたくなって、雪景色の中での特急列車も撮っているのですが、やっぱり今の年齢になると何が嬉しくて、寒い季節に寒い場所へ行かなくてはならないのか、さっぱり分かりません(笑)
当時のフィルムを発掘してデジタルで蘇生させたら、もっと国鉄型特急の食堂車やグリーン車などが、お目にかけられるんですけどねぇ。
あぁ、最後になりましたが、581系電車と583系電車については、これまでに結構記事にしているのであえてスルーしたのですけれど、やっぱり一応記しておきます。
ブルートレインの車体を持っているのはあくまで車体の外寸だけで、車内はプルマン式A寝台に準じた3段ハネながら、昼行列車時には座席に変わる魔法ギミック満載となっています。
さて、最後の国鉄色 国鉄型特急電車 381系にとって最後の冬••••••••来年の春にはさよなら列車が走るのか、それとも185系のようにイベント列車用に1編成ぐらい残るのか?!?!?
商品価値としては金の成る木ではありますが、185系のいる首都圏と比べると維持費などそのコストから考えて、どうなんでしょうね。
181系電車や485系電車ではありませんが、唯一の正統派 国鉄型特急電車なので、運用終了後にキロ数に余力があるのなら、山陽特急のリバイバルなど期待もしたいところです。
と言うことで、最後に上越線 181系電車 特急ときが70系電車と並んでいる、インスタグラムへリンクを貼らせて頂きました。