【さよなら小田急ロマンスカーVSEの旅①】相模大野→藤沢→片瀬江ノ島 | 湘南軽便鉄道のブログ

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その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。


(小田急ロマンスカーVSE  @唐木田駅)


【2023.12.10ラストラン】
さよなら小田急伝統のロマンスカー50000形(VSE車)の旅
①相模大野→藤沢→片瀬江ノ島
小田急電鉄の特急車両・白いロマンスカー50000形(VSE)は、2005年(平成17年)3月に箱根観光専用特急として、連接車10両固定編成が2編成就役。
展望席付のVSE車は、特急「はこね」を中心に、小田急を代表する列車として活躍。

2022年(令和4年)3月11日(金)に定期運行を終了し、その後は団体臨時列車として最後の活躍。
全2編成のうち、50002編成は2023年(令和5年)9月24日(日)に引退。残る最後の50001編成も、2023年(令和5年)12月10日(日)に完全引退。

小田急の歴代特急ロマンスカーの伝統を受け継いだロマンスカー50000形(VSE車)は、約18年間の栄光の歴史に幕を閉じる。



2023年(令和5年)11月下旬
初冬の朝、相模大野駅

完全引退近いロマンスカーVSEの大型パネル



相模大野駅1・2番線

相模大野駅は、小田急 小田原線(新宿〜小田原)と江ノ島線(相模大野〜藤沢〜片瀬江ノ島)が分岐する拠点駅

 

新宿駅からやってきた特急ロマンスカー30000形(EXE α)が1番線に到着。このロマンスカーは現在、小田急主流のロマンスカーで分割併合可能。展望席などは無い。

前6両は特急「はこね21号」箱根湯本行き(午前7時50分発)、後ろ4両は特急「えのしま21号」片瀬江ノ島行き(7時52分発)。この駅で分割

列車分割後、まずは小田急小田原線・特急ロマンスカー「はこね21号」箱根湯本行きが発車






次に、小田急江ノ島線・特急ロマンスカー「えのしま21号」片瀬江ノ島行きが発車








2番線には急行・小田原行き

3000形電車


1番線に快速急行・藤沢行き入線

4000形電車



2番線に各駅停車・本厚木行き入線





2000形電車




向こう側は、新宿方面の上りホーム

小田急電鉄は、現在はステンレス車が主流




1番線に、ロマンスカーの回送列車

地下鉄(東京メトロ千代田線)乗入れ用のロマンスカー60000形(MSE)。観光客向けというより、小田急沿線と都心を結ぶ通勤客向けといった車両。

地下鉄乗入れ用のため、正面に非常用貫通扉付き



今回記事の団体臨時列車ツアーは、VSE車引退間近の2023年(令和5年)11月下旬に催行された「第1回」ツアー行路のもの。

【小田急まなたび鉄道倶楽部】
「ありがとうVSE!~Special Thanks & Forever~」引退間際!VSE5001編成~ロマンスをもう一度/沿線の車窓風景を楽しむ旅

■完全引退するVSE50001編成を貸切特別行路を運行。各回で異なった小田急線の行路を運行。


第1回:相模大野駅(8:10頃出発)→藤沢駅→片瀬江ノ島駅→藤沢駅→相模大野駅→成城学園前駅→喜多見電車基地→成城学園前駅→唐木田駅(11:35頃到着)

第2回:唐木田駅(12:35頃出発)→新宿駅→喜多見電車基地→大野電車基地→秦野駅(15:50頃到着)

第3回:秦野駅(16:10頃出発)→海老名電車基地→箱根湯本駅→海老名駅(19:30頃到着)



引退迫る白いロマンスカー50000形VSE入線
午前8時10分、相模大野駅2番線に特別団体専用列車が入線

白いロマンスカー、50000形(VSE)

「VSE」とは、「Vault Super Express」の略。Vault(ヴォルト)は、ドーム型天井・空間の意味で、このロマンスカーVSEの室内高は2.55mで、大きな円弧を描くドーム型天井であることに由来する。


VSE車は10両連接の固定編成

台車が車両と車両の間の連結部にある「連接構造」のため、車輪のジョイント音が独特。

連接車のため車両の長さが短い。先頭車の全長は18200mm、中間車の全長は13800mm。10両編成だが、通常の20m級ボギー車7両編成とほぼ同じ長さ。



低重心構造で窓の位置が低め。


塗色はシルキーホワイトに、バーミリオンとグレーの帯で、「バーミリオン・ストリーム」と称している。









展望席の上部に運転室

この白いロマンスカーVSEは、2022年(令和4年)3月11日(金)に定期運行を終了し、その後は団体臨時列車として時々走行してきた。
しかし、2023年(令和5年)12月10日(日)のラストランをもって、完全に引退することになった。

誕生から僅か18年程でVSE車が引退する理由は、特殊構造の連接車のためメンテナンスが難しいことや、連接車は他の車両と異なり一車両の長さが短くホームドア設置の支障になってしまうことなどが挙げられる。

ミュージックホーン、展望席、走る喫茶室(シートサービス)、連接車といった、小田急ロマンスカーの伝統と最新機能の両方を採り入れ、ロマンスカーの集大成ともいえるVSE車は、間もなく終焉を迎える。

すでに団体臨時列車だけの運行になってから約1年半。ついに本当のラストランが迫る。

小田急ロマンスカー伝統の展望席

箱根湯本・片瀬江ノ島方は1号車、新宿方は10号車。先頭車1号車と最後部10号車の扉は非常用で開閉しないため、隣の車両の扉から乗車。



VSE特別団体専用列車、相模大野駅発車
午前8時13分、相模大野(さがみおおの)駅発車

展望席の手前には、ブルーリボン賞のプレート

2006年(平成18年)に鉄道友の会「ブルーリボン賞」など様々な賞を受賞

VSE車のデザインを手掛けたのは、建築家・岡部憲明氏

最後部10号車の後部展望席

天井高さは大きな円弧を描くボールト(Vault)天井VSE(Vault Super Express) の愛称はこれに由来する。


車両間の渡り板。この真下に台車がある連接車のため丸い形状。


8号車のカフェカウンター

VSE車では、かつてロマンスカーで行なわれていた伝統的なサービス「走る喫茶室」と同様のサービスが復活。シートサービスが行われていた。

その後のロマンスカーは車内販売に切り替えられ、現在は車内販売も廃止された。

8号車には、カフェカウンター、トイレ、洗面台のほか、喫煙コーナー(右側、現在は禁煙)と、半室の一般席(左奥)がある。



3・8号車のトイレは、男性用、女性用、多目的トイレ(ゆったりトイレ)を設置





洗面台



50001編成は、平成16年に日本車輌製造で製造



一般席の座席は、車窓風景がよく見えるように、角度が窓向きに5度向いている。

「ロマンスカー」の語源は、かつて昭和時代、映画館を中心に流行した二人掛けシート「ロマンスシート」を、車両の座席として導入したことに由来。そのため、現代でも、二人掛けシートの隣り合う座席間には肘掛けの仕切りは無い。


一般席へ。


テーブルは前の座席後部に設置

窓下にも折りたたみ式テーブルがあるが、これは座席を向かい合わせ時に使用するもの。



座席にはヘッドレストカバー

ヘッドレストカバーには、「VSE」の刺繍

側面窓上には、電球色の発光ダイオード(LED) 式直接照明






小田急江ノ島線を片瀬江ノ島駅に向け走行

藤沢駅の手前で、JR東海道本線を跨ぐ。




ロマンスカー60000形(MSE)とすれ違い。




藤沢駅でスイッチバック
藤沢駅1番線に8時36分頃着
運転停車のためドア扱いは無い。
小田急の藤沢駅は、平面スイッチバック駅のため、ここから先は進行方向が変わるが、座席は後ろ向きのまま。

向こうは、JR東海道線ホーム。その向こうには東海道貨物線が並走しているが、貨物線上にも、通勤客向け特急「湘南」用ホームがある(平日朝晩のみ使用)。

JR東海道線ホーム上の売店(NewDays)は、かつての国鉄80系旧型電車(湘南色)を模した造り。


JR東海道線E231系電車








3号車

3号車には、トイレ、洗面台、カフェカウンター、喫煙コーナー(現在は禁煙)、セミコンパートメント座席がある。

トイレ・洗面台のスペースとカフェカウンターのスペースの間には透明の自動扉を設置



カフェカウンター




8時41分頃、藤沢駅を発車
スイッチバックの藤沢駅で進行方向が変わるが、片瀬江ノ島駅まで距離が短いため、座席は後ろ向きのまま発車


国鉄80系電車を模した、JR東海道線藤沢駅ホーム上の売店(NewDays(旧Kiosk))




先ほど走行した相模大野・新宿方面からの線路と分かれ、左にカーブ

新宿・相模大野方面からやってきた電車が信号待ち。



3号車のかつての喫煙コーナー、全車禁煙になった現在はフリースペース化

3号車には、セミコンパートメントのサルーン席もある。

大型テーブル付き、4人掛け向かい合わせのシート


連接車ならではの円形の渡り板




展望席のある1号車。下り列車の藤沢〜片瀬江ノ島間は最後尾になる。



妻面側の通路両側に車掌室を設置。内部はかなり狭い。

1号車の一番先に展望席がある。

間もなく、小田急江ノ島線の終着駅・片瀬江ノ島



★動画↓↓





(続く)