さて、今回のふれあいフェアで、一番の特異とも言えたイベントへ。
それは…機関車展示の有料撮影ゾーン。
今回、そのゾーンの主役になったのは…
カラシこと広島更新色の最終車両・EF65 2127
国鉄特急色復活第1号車のラストナンバー・EF65 2139
2127号機は今月8日、2139号機は今年3月に、この大宮車両所に廃車回送されていたが…
車体吊り上げ実演に使用されていた2093号機と違って、両機とも通電状態で展示。
特に2139号機は、構内で大切に保管されてきたことが窺える。
2016年
2017年
最初のうちは国鉄特急色復活第1号として持て囃されていたが、次第に検査の度に同色は増加し
寧ろ貨物更新色が珍しくなってくると、注目度は下がっていってしまった。
このあたり、晩年に斜めストライプ塗装を復元した185系と境遇が似ているといえようか。
…それと、気持ち引っかかっていたのは呼び方について。
2127号機の「カラシ」は、貫通扉の塗装に起因するからまぁいいかと置いておいて…
2139号機の「ニイザンク」や「ニゲザンク」といった安直な呼び名はどこから出たのだろう。
昔のような「貴婦人」や「ロイヤルエンジン」さらには車体の形から着想した「ムーミン」など
どことなく情緒や風格すら感じた愛称に比べて、昨年正式に引退したEF66 27号機「ニーナ」や
文字に起こすのも憚られるEF81 81号機など、その折々の撮り鉄の雰囲気を映し出しているなと
やけっぱちにすら感じる呼び方には、相変わらず良い印象を持っていないのである。
…という独り言はともかく、この展示場所だけは終始他とは違う熱量が垣間見えた。
ただ、展示の仕方については、これまでとほぼ同じであった。
つまりは、主に正面のベストポジションで10分間思い通りに撮影できる、という意味である。
しかし、横はこれまで通り大宮車両所検修棟方面へ行き来する通路になっていたから、当然だが
有料入場をしないギャラリーが二重三重に、かつとてつもない密度で溜まる状態になった。
会場の係員は業務上を理由にして、あれこれと周囲から見づらくなる場所に立っていたようだが
こういう対応では余計に周りの感情を逆撫でするということに気づかなかったのだろうか?
それであれば、こうしたイベント以外で改めて開催すれば良いだけと思ったのは自分だけか?
さらに、EF65に引っ掛けた洒落だったのかもしれないが、10分6,500円という価格設定も…
一部ではぼったくりとも揶揄されていたようだけど、コロナ禍を経てどこも随分と阿漕な商売を
するようになってしまったな…と、笑顔の裏の嫌らしい部分が覗き見えるような最近の傾向には
いくら厳しい社会情勢、経営状況、一部撮り鉄のマナーに関わる事象が背景にあるのだとしても
諸手を挙げて同意、賛成とは言い切れない状況になってきている。
そんな反発心が、この日の財布の紐を堅く結びつけた。
とにかく混雑する横のエリアから、さまざまな感慨を持って事の成り行きを眺めていた。
よく周りも静かでいられたなぁ、というのが偽らざる感想である。
開催中には東武100系スペーシアやE259系、更には185系との邂逅も。
特に185系は、ツアー回送や集約臨などことのほか活発だったようである。
まぁちょっとした昼休み的な時間帯には
マナーを守ってくれないと(展示車を)引っ込めますよ?!
というやり取りも聞こえてきたのだが。
規制線をじわじわと押したり、座り込んだり、脚立踏み台を使う輩も少なからず見られた。
そういった自分本位の振る舞いが、強気なイベント設定に反映されていることは否定できない。
それでも、やりようによってはこれくらいの及第点的な撮影は可能であった。
ヘッドマークの付け替えも、見放題。
とにかくさまざまな時間帯に、さまざまな視点で見続けた。
もちろん、現役貨物列車との邂逅もたっぷり見れるのが大宮という場所。
この時には、試作車であるEF210-901牽引のコンテナ貨物も通過。
さまざまなヘッドマークが、両機を彩り…
最後は日常の“スッピン”で締め、15:35にフェスタ全体の終了前にタイムアップ。
エリアから押し出されるように追い出されて終了となった。
…まぁいろいろ考えたが、最後にこの2機を見れてよかった。
特に2139号機は、まだ居ると思わなかっただけに会えて感無量であった。
EF65はひたすらに減る一方だが、残り少ない日常を引き続き可能な限り捉えていきたい。