番外 下道メインでかつて存在、現在廃止「ゆのくに号」以前に運行されていた頃の北九州~別府・大分線 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 当ブログでもご紹介しておりました、西鉄バス北九州が運行しておりました、北九州~別府・大分線「ゆのくに号」は、令和4年3月末で運行を休止、そして約1年間の休止期間を経まして今年3月末をもちまして廃止となっております。
 
 「ゆのくに号」は、平成27年に東九州自動車道の椎田南~豊前間を除く区間が開通しまして、それに伴いまして西鉄バス北九州・大分交通・大分バス・亀の井バスによりまして運行を開始(再開)しまして、当初は再び「北九州~別府・大分線」と称されておりまして、9往復が設定されておりました。
 
 その後一般公募によりまして「ゆのくに号」と愛称が付けられまして運行されるようになりまして、東九州自動車道の路線として運行されておりましたが、JRの特急「ソニック」・「にちりん」の存在もありまして利用客が伸びず、その後大分地区事業者が撤退、西鉄バス北九州単独運行で末期は運行されておりました。
 
 西鉄バス北九州単独運行に変わりますと、当初は4往復の運行ながらも運賃も値下げしていた事もありまして、続行便まで出るほど利用者も伸びておりましたが、令和2年からの「新型コロナウイルス」によりまして運休も見られていた事などもありまして再び伸び悩みまして、結局令和4年3月末で運行休止、そして今年3月末で廃止となっております。しかも運休となりましてそのまま休止、そして廃止へと至りましたので、まさにトンネルを抜けずしてこのような結果へとなってしまっております。
 
 
 運休後は、専用車でありました4台はいずれも北九州高速営業所から福岡高速営業所へと戻っておりまして、上の画像の7610(画像1)・7612(画像2、ともに日野LKG-RU1ESBA)、そして7611・5982も戻っておりまして(5982は「レールキッチンチクゴ」のラッピングを施して一旦西鉄バス久留米御井町支社にも所属していた事あり)、転属前に運行されておりました福岡~熊本線「ひのくに号」に再登板する姿が見られております。
 
 (7610)
 
 (7612)
 
 (5982)
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、東九州自動車道が全線開通していなかった頃に運行されておりました、「ゆのくに号」前身の北九州~別府・大分線に関しまして皆様にご紹介してまいります。この当時も、最高4往復ではありましたが、東九州自動車道が全線開通していなかった事もありまして、利用者も伸び悩んでいた路線でもありました。
 
 
 「ゆのくに号」の前身、北九州~別府・大分線は、平成22年6月に西鉄バス北九州・大分交通・亀の井バス運行で、以下画像にありますように金曜・土曜・日曜・祝日限定で4往復にて運行を開始したものの、当時の所要時間が約3時間20分もかかりまして、加えましてJRの特急「ソニック」・「にちりん」の存在もある事や、運行区間も半分が一般道路を経由する事もありまして利用客が伸びず、平成23年3月末には運行会社でありました大分交通が撤退してしまいまして、本数も1往復減便の3往復となりまして運行されておりました。
 
 (平成22年運行当初撮影)
 
 それでも、平成23年4月の改正におきまして停車地に温泉施設などが存在しております「大平樂(たいへいらく、福岡県上毛町)を乗降可能の停車地に加えたりもしまして集客に尽力を得ておりましたが、結局利用者は伸びずに平成23年9月に運行終了と言う結果になっておりました。
 

 運行終了時の停車地が以下の通りでした(名称も当時)。砂津~中谷・高速別府湾APU~大分新川間は「ゆのくに号」の停車地に類似しておりましたが、それでも高速道路が全通しておりませんでしたので停車地の中には乗車・降車のみで行橋や宇佐にも停車してもいました。

 砂津~小倉駅前~三萩野~競馬場北九州市立大学前~徳力公団前駅~中谷~行橋営業所(構内) ~大平樂~宇佐(猿渡)~高速別府湾APU~別府自衛隊前~鉄輪口~横断道路観光港入口~別府北浜~大分(トキハ・フォーラス前)~大分新川
 

 使用車両は、以下の車両がこの路線におきまして使用されておりました。このうち亀の井バスにつきましては、当時亀の井バス最古参であった車が使用されておりまして、運行終了後しばらくは福岡線「とよのくに号」や「ゆふいん号」に運行するなどして残存しておりましたが、結局は廃車となりましたし、西鉄バス北九州の画像の車に関しましても後に廃車となっておりまして、現在は在籍しておりません
 
 (西鉄バス北九州、3331・三菱KC-MS829P)
 
 (亀の井バス、大分22か17-86、日野U-RU2FTAB)
 

 この路線には、私自身乗車した事ありませんでしたが、以前私の友人は以前この路線に乗車しておりました。しかし、利用者は2回とも一ケタ台であったとの事で、やはり「ソニック」や「にちりん」の存在を思いますと、正直この時なぜこの路線を開設していたのだろうか?と疑問に思ったほどでした。
 

 その後、冒頭でご紹介しておりましたように、平成27年に「ゆのくに号(当初は愛称なし)」が9往復で運行を開始しまして、平成28年暮れにはノンストップ便も新設しまして北九州~大分間が2時間を切る所要時間が生まれるに至りまして、東九州自動車道開通効果が期待されておりましたが、結局は4往復に減便されておりました。
 
 それでも価格が前身時代は2200円と、運行末期時の価格が1700円でしたので、「コロナ禍」までの時点で減便されましても逆に利用者が増えるに至っていた事は嬉しい悲鳴ではなかったかと思います。けれども、その後の「新型コロナウイルス」によりまして運休もありましたし、結局は休止、そして廃止へと至った事は残念ではなかったかと思っております。
 

 今回は、「ゆのくに号」以前に運行されていた頃の北九州~別府・大分線を中心にご紹介しましたが、正直その「ゆのくに号」もなくなった事に関しましては残念でしたが、前身に関しましては高速道路網がしっかりとしてなかった時でしたので、下道メインでもあった事を思えば正直弱気な所でもあったのではないか?と思いますし、自然条件もあり遅延も多かったそうですので仕方がなかったでしょうか。現在は、別府・大分~宮崎線「パシフィックライナー」も廃止されておりますので、大分・別府から東九州自動車道を走る都市間路線もなくなりましたが、かつて存在していた事を覚えてもらいたい所ではあります。