現在の職場に勤め始めて1年半。着任当初から鉄チャンであることをカミングアウトしていたし、鉄道写真集を出したことも紹介していた。そんなこともあって、僕は周りから写真通と見られていたのではないかと思う。職場で花の撮影に取り組もうという写真部が立ち上がることになり、顧問を引き受けて欲しいとのお声がかかった。花の写真にはこれまで全く縁がなかったが、どうせ名誉職だろうと思い、気軽に引き受けた。名誉職なので飲み会にお声がかかる程度である。そんなある日、秘書をしてくれている職員が自分も写真部に入っているのだけど(そのこと自体を僕は知らなかった)、今日は写真部の講習があるので参加するという。

講習の内容に興味があったので、後日、秘書嬢との会話の中で講習の内容をそれとなく話題にして聞いた。すると、写真はよくよく考えながら撮る必要があるとか、水平垂直をきちんと出すようにしなければならないとか、逆光でなく順光で撮れとか、そういう類のことを言われたらしい。受講した当人は勉強になったと言っていたが、今でもそのようなことが言われていることに軽い驚きを禁じ得なかった。デジタル時代になって誰もが気軽に写真を撮るようになり、カメラで撮るよりスマホで撮ることが一般的になった。そんな時代であるからして、写真など細かなことを気にせず、感性のままに、ハッと思ったらグッと寄ってバシバシ撮ればいい。かつてミノルタXEのテレビCMで篠山紀信が言っていたことが今でも的を得ていると思う。そういうことを件の受講者に(要約して)言ったら、長嶋茂雄も野球のバッティングに関しそんなことを言っていたような気がすると言われ、思いっきりずっこけた。

名誉顧問ゆえ僕が写真部のあれこれについてしゃしゃりでることはないが、あれこれ考えさせる一件であった。

↓名誉顧問を拝命して以来、鉄チャンの合間に花の写真を撮るようになった。根室本線野花南の撮影ポイントで列車待ちの間に撮影したものをお目にかけたい。