津駅【三重県】(紀勢本線、伊勢鉄道伊勢線。2021年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県の県庁所在地・津市の市街地北寄りにある紀勢本線および伊勢鉄道伊勢線の駅で、近鉄名古屋線との共同使用駅、そして津市および三重県の代表駅であるものの、乗降客数はJRと伊勢鉄道を合わせても近鉄に大きく水をあけられている、仮名および漢字では日本一短い駅名である、
津駅 (つえき。Tsu Station) です。
 
尚、西口側につきましては後日UP予定の近鉄名古屋線・津駅の記事にて紹介予定です。ご了承下さい。
 
  
駅名  
津駅 (駅番号なし)  
 
所在地  
三重県津市     
 
乗車可能路線  
JR東海:紀勢本線  
伊勢鉄道:伊勢線  
 
隣の駅  
紀勢本線 (駅番号なし)  
亀山方……………………一身田駅  
新宮方・和歌山市方……阿漕駅  
  
伊勢鉄道伊勢線 (駅番号:12)  
河原田方・四日市方……東一身田駅  
  
乗換可能駅  
近畿日本鉄道:名古屋線……津駅まで徒歩3分  
  
訪問・撮影時  
2021年8月、10月  
 
 

 

 

津駅は地平駅で、JR東海、近畿日本鉄道、伊勢鉄道の共同使用駅であり、東西に駅舎と改札口があります。
東口は大半が3階建ての駅ビルでJR東海の管理、西口は橋上駅舎で近鉄の管理です。
駅構内は自由通路になっていないため、駅を通り抜けるには入場券が必要になりますが、各駅舎のすぐ南側にエレベーター併設の東西自由通路(地下道)があるため、入場券を買わずとも東西間の通り抜けが可能で、しかもバリアフリーに対応しています。
 
写真はJR東海が管理し、正面口に相当する東口駅ビルです。写真はいずれも概ね西方向を望む。
駅ビル1階に駅舎が、1階の一部と地下1階・2階・3階にはJR東海系の商業施設「津CHUM(津チャム)」が入居しています。
1階には東改札があり、2階には無人のチャム改札があります。
東口・西口とも各出入口~各ホームまでバリアフリー化されていて、車いすでの自力移動が可能です。
また、東口にはロータリーを有する駅前広場が整備されていて、北側ロータリーがバスターミナル、南側ロータリーがタクシー乗り場と一般車乗降場になっています。
 
 

東口駅前広場の北側には三重県で2番目に高い(94m)、18階建ての高層ビル「アスト津」があります。再開発により2001年に完成しました。
複合ビルで、公共施設、商業施設、オフィス、ホテルなどで構成されています。
また、「アスト津」の裏手には伊勢電気鉄道線をルーツに持つ近鉄伊勢線の部田駅(へたえき)があり、1961年の廃止後も2014年までホーム跡が残っていました。駅東側でカーブを描いている道路が近鉄伊勢線の廃線跡です。
写真は北を望む。左が東口駅ビルです。

 
 

 

 

東口駅前です。
上写真は駅ビル前より東を、中写真は駅ビル前より南東を、下写真は駅前広場出入口(南東端)より東を望む。
駅東側は市街地でビルが多いですが、商店はさほど多くありません。駅近くにも一戸建て住宅が普通に存在します。
津市の中心市街地は約2km南の三重会館付近で、津城跡、津市役所、百貨店の「津松菱」もこの一帯にあります。中心市街地へは近鉄の津新町駅が最寄駅になりますが、近年は郊外店に押されて中心市街地も寂れてしまっています…。
また、500mほど南の線路西側には三重県庁があり、県庁方面の駅南側一帯には飲み屋街が形成されています。ちなみに三重県庁へは西口からの方が便利です。
 
 

 

駅ビル1階にある東改札です。上写真は西を、下写真は北を望む。
JR東海が管理していますが、伊勢鉄道や近鉄電車に乗降の際もこの改札口を利用できます。
 
駅員配置………あり(直営駅)。
自動改札機……あり(4通路)。
ICカード………JR・伊勢鉄道ともエリア外(但し、近鉄利用客のため自動改札機がIC対応です)。
幅広通路………あり(一番右の自動改札通路)。
有人通路………あり(狭幅。点字ブロック設置)。
出札窓口………あり(JR全線きっぷうりば【みどりの窓口】です)。
自動券売機……あり(近鉄のICチャージは近鉄の券売機のみで可能)。
自動精算機……なし(近鉄用のICチャージ機あり。精算は近鉄も改札窓口へ)。
トイレ…………改札内外(改札内は2番線南側和歌山市方で多機能トイレ併設。改札外は「津チャム」にあり)。 
その他設備……改札口の左側に「吉野家」あり。右手前の離れた場所には近鉄の出札窓口と自動券売機あり。
売店……………なし。  
コンビニ………あり(最寄り店舗は近鉄管理の西口駅舎改札内にある「ファミリーマート」)。
 
近鉄電車のきっぷうりばは離れた右側にあり(窓口併設)、特急券も購入可能です。
そして、改札口を通ると2番線ホームで、右へ曲がると1番線および2・3番線、近鉄線ホーム、西口に通じる跨線橋方面です。跨線橋は階段・エレベーター併設で、バリアフリー対応です。
跨線橋を登った地点の東側には後述のチャム改札があります。
 
 

 

こちらは跨線橋と東口駅ビル2階との接続部にある「チャム改札」です。「津チャム」の営業時間のみ利用可能です。
上写真は改札外の「津チャム」2階より西を、下写真は改札内跨線橋より東を望む。
駅員無配置で、代わりに改札内外の境界にインターホンが設置されています。
JR・伊勢鉄道・近鉄とも利用可能で、近鉄の『PiTaPa』に対応した自動改札機が1通路のみ設置されています。幅広通路です。点字ブロック未設置です。
また、自動券売機、自動精算機、チャージ機はありません。裏が白いきっぷや『青春18きっぷ』など自動改札機に通らないきっぷをご利用時、乗り越し精算やチャージが必要な場合は1階の東改札へお回り下さい。
 
 

副本線の4番線に設置の建植式駅名標です。非電照式です。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、JR東海の紀勢本線において駅ナンバリングは導入されていません。
また、遠くから見ると平仮名の「つ」と漢字の「津」で「?」マークに見えるとよく言われていますw
 
 

こちらは伊勢鉄道線の普通列車が発着する1番線に設置の吊下式駅名標です。こちらも非電照式です。
1番線は伊勢鉄道の列車しか乗り入れませんが、JR東海の管理駅なので駅名標もJR東海仕様です。
また、隣駅には伊勢鉄道列車が通らない紀勢本線の隣駅「いしんでん」の表示もあります。
 
 

 

JR東海・伊勢鉄道の津駅は単式ホーム・島式ホームとも各1面と、単式ホームの北側(亀山方)を切り欠いた伊勢鉄道線ホームを有する、計2面4線の地平構造で、南北方向にホームが延びています。
 
右端(東)の単式ホームが2番線で紀勢本線下り新宮・和歌山市方面(伊勢鉄道線方面からの特急『南紀』、快速『みえ』も発着)、その2番線の亀山方の右側(写真右奥)には切欠構造の1番線(伊勢鉄道線普通列車のみ発着。上り河原田・四日市方面)があります。
左(西)の島式ホームは右が3番線で紀勢本線上り亀山方面および伊勢鉄道線経由の特急『南紀』・快速『みえ』の四日市・名古屋方面、左が4番線で上下線共用の副本線(待避線)です。
そして4番線の左にあるのは近鉄名古屋線ホームで、主要駅ながら島式ホーム1面2線で上下線全列車をさばいています。
 
ホーム有効長は1番線6両分、2番線12両分、3・4番線11両分ですが、現在はほぼ全列車が4両編成以下なので、長いホームを持て余しています。
ホームドアは未設置です。ホーム幅は1・2番線が狭く、3・4番線が標準レベルからやや広いくらいです。
上屋は1番線が終端方(南側)の1両分、2番線が和歌山市方(手前側)7両分、3番線・4番線が和歌山市寄りの約3.5両分に、それぞれ設置されています。停車時に雨ざらしの部分が発生する列車もありますので、雨天時に乗降の際は注意が必要です。
各ホームにはベンチがあり、2番線にはトイレ&多機能トイレと「吉野家」が、3・4番線には飲料自動販売機と待合室(空調の有無は不明)もあります。
3・4番線ホーム和歌山市方の橋上部とその下(ホーム部分)には係員詰所があり、近鉄線ホームの直上には西口橋上駅舎があります。
また、2番線ホームに面して駅ビルがあり、2番線と東改札が直接繋がっています。
そして和歌山市寄りには東口~各ホーム~西口を結ぶ跨線橋があり、2階の東側駅ビル接続部分にチャム改札があります。
 
上写真は2番線より、下写真は3番線より、いずれも紀勢本線・亀山方、伊勢鉄道線・河原田方を望む。
 
 

 

上写真は4番線より、下写真は2番線より、いずれも紀勢本線・和歌山市方、伊勢鉄道線・終端方を望む。
左から1番線~4番線の順で、2番線の左側(上写真左、下写真左後方)には切欠構造の1番線があり、4番線亀山方の右側には側線が1本あります(途中で行き止まりになっています)。

以前は2番線と3番線の間に中線があったと思われます。
4番線および側線の右側には近鉄電車のホームがあります。
また、JR線・伊勢鉄道線とも非電化なので上がスッキリしていますが、これがローカルムードを濃くしていますね。
 
 

こちらは切欠構造の1番線ホーム(右)で、伊勢鉄道伊勢線の普通列車専用ホームです。河原田方を望む。
東改札(後方)から少し北へ歩く形になります。右には「アスト津」があります。
反対側(左)は2番線ホームですが、列車は東改札に近い写真後方に停車し、短編成が多いため1番線ホームの向かい側まで編成長が届く列車は繁忙期に運転される6両編成の特急『南紀』くらいでしょうか。
また、伊勢鉄道伊勢線~紀勢本線を直通する特急『南紀』、快速『みえ』は1番線に発着せず、下り紀伊勝浦・鳥羽方面は2番線に、上り四日市・名古屋方面は3番線に、それぞれ発着します。
 
 

こちらは2番線より紀勢本線・和歌山市方、伊勢鉄道線・終端方を望む。
伊勢鉄道普通列車用の1番線ホーム(左端)も手前の河原田方を持て余しています。 
もし伊勢線が特定地方交通線に指定されず、JR線として営業していたら、普通列車が単行ではなかったでしょうね…。しかも電化されていた可能性もあります。
 
 

こちらは1番線の終端方を望む。
車止めがあり、その先は東口駅ビルです。
東改札へは右側の2番線を南(奥)へ進む必要があります。
ちなみに1番線はは旧国鉄時代に用いられていた貨車用の側線を改造して作られたそうです(Wikipediaの本文を引用)。
 
 

2番線より紀勢本線・亀山方、伊勢鉄道線・河原田方を望む。
約1.5km先で紀勢本線と伊勢鉄道伊勢線が分かれますが、その分岐点までは左が紀勢本線、右が伊勢線の単線並列区間になります。奥に見える近鉄名古屋線をくぐる地点付近に両渡り線があり、そこで路線別に列車が振り分けられます。
この先、近鉄名古屋線をくぐると左へカーブして、住宅地の中を北北西へ走ります。しばらくすると左手にレールが敷設されていない築堤の線路敷が現れますが、これは本来、伊勢線上り列車用に供用される予定の線路敷で、伊勢線の複線化を見越して紀勢本線を跨ぐ部分の準備工事がなされましたが、結局未成のまま終わっていて、設備がそのまま残っています。もし伊勢線の中瀬古~津を複線化するとなれば、この設備も日の目を見ることになりますが…。そして左の築堤が相当高くなると伊勢線が右へカーブして両路線が分かれます。その先で未成の線路敷が紀勢本線をオーバークロスしますが、ガーダー橋が架けられたままです。
その後、紀勢本線は広大な田園風景の中を引き続き北北西へ走り、やがて左手に住宅地が現れると緩やかに右へカーブして一身田駅(いしんでんえき)へと至ります。
一方、伊勢線は右へカーブして紀勢本線と分かれると、上り線として準備工事された未成線と合流して高架区間になり、田園と住宅が混在した中を走ります。そして進路を北北東に変えると左手に一身田の町並みを見て走り、高架駅である東一身田駅へと至ります。
 
 

1番線より紀勢本線の新宮方・和歌山市方を望む。
紀勢本線は全線単線です。しばらくの間、右手に複線の近鉄名古屋線が完全並走するため、見た目は三線区間になります。JR線が単線非電化、近鉄線が複線電化のため、ひしひしと格差を感じてしまいます…。
この先、右へカーブして市街地を走りますが、右手の三重県庁を通り過ぎると一時的にローカルな車窓風景へと変わり、右手に広がる台地の麓に広がる田園が混在した住宅地の中を南西へ走ります。その後、右へ左へカーブして安濃川を渡ると津市の中心市街地の中を南下し、やがて右手に現れる近鉄の津新町駅の裏手を通過しますが、JR線には駅が設置されていません。そして岩田川を渡ると左へカーブして直進する近鉄名古屋線と分かれ、田園が混在した住宅地の中を一直線に南南東へ走ると阿漕駅(あこぎえき)へと至ります。
 
 
あとがき  
私がJRおよび伊勢鉄道の津駅で下車(乗車)したのは2001年以降何度かあり、2021年8月と10月は紀勢本線または伊勢鉄道線を乗り鉄した際に駅を観察しました。JRと伊勢鉄道のホームは変則式2面4線で、西隣には近鉄線のホームが並んでいます。改札内は各社繋がっています。東口は駅ビル1階と2階に、西口は近鉄線ホーム橋上部に、それぞれ改札口があり、東口側をJR東海が管理しています。駅前は市街地ですが、南側の近鉄津新町駅付近に広がる中心市街地からは離れており昔から商業の集積度が低かったのですが、現在は中心市街地の方が寂れてしまい、格差は縮小しています。まぁ、津市においても国道23号線沿いが商業の中心地になってしまっていますが…。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、紀勢本線特急『南紀』または快速『みえ』に乗り換えて当駅下車です。これらの列車は伊勢鉄道線を経由しますので、『青春18きっぷ』など一部のきっぷでは伊勢鉄道線の運賃・料金が別途必要になります。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪難波駅or大阪上本町駅or鶴橋駅から近鉄の名阪特急(甲乙どちらも可能)に乗って津駅下車。JR線ホームの観察は改札を出なくても可能です。大阪からJRのみでも到達できますが(関西本線経由、京都~草津線経由)、時間を要します。余裕で日帰り訪問可能です。
  
食料・飲料について、西口橋上部、近鉄線ホーム。東口駅前にコンビニがあります。一方、飲食店も駅前に一定数あり、気軽に入れるチェーン店は「吉野家」「サイゼリヤ」「ミスタードーナツ」「ドトールコーヒーショップ」「ヴィ・ド・フランス」「ココイチ」があります。事前に用意しなくても大丈夫でしょう。
 
東京、大阪とも到達難易度はさほど高くありません。紀勢本線または伊勢鉄道線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は津駅でも途中下車してみて下さい! 
 
(参考:JR東海のHP、Google地図、Wikipedia)