PECOの新型カーブポイント
PECOの新型カーブポイントを左右1個ずつ購入しました(型番:SL-U76,SL-U77 購入先:Hattons)。
このポイント、以下の2つの点で画期的です。
1.玩具的な組線路であるSetrackの規格に合わせた小半径のカーブポイント
2.”ユニフログ”という新たなフログ方式
私が購入した理由もこの2点に関連があるのですが、一言では説明しづらいので、まずはPECOポイントの3つのフログ方式を説明してみます。
(1)インサルフログ
私が使っているSetrackもインサルフログですが、PECOでは昔からあるフログ方式で、ポイントが開通しない側のレールの片方が無電になります。
ポイントの切換えによって動力車を留置することができ、アナログ運転では非常に便利ですが、無電区間ができてしまうのが欠点です。特にカーブポイントでは無電区間が長くなり、通過できない動力車もあります。
インサルフログは、常時通電が基本のDCCには適さないと書いた事例もありますが、分岐先にフィーダーを付けて給電してやると、分岐先、トングレールともに常時電流が流れ、DCCにも使えます。私のレイアウトも、こうしてDCCに対応しています。
(2)エレクトロフログ
シノハラのポイントと同じく、フログや両側のトングレールが同じ極性を帯びるものです。ポイントの切換えによる動力車の留置が可能で、無電区間も殆どなくなり、走る車両を選びません。
ただし、ポイントを向かい合わせた待避線の場合など、線路配置によってはショートを防止するためにギャップを切る必要があります。
(PECOのエレクトロフラグの手持ちがないので、写真はシノハラのN用です。)
(3)ユニフログ
インサルフログで分岐先にフィーダーを付けた場合と同じく、トングレールに常に電流が流れています。
さらに、フログの先端にも電流を流すことができ、ポイントの開通方向に応じてフログ先端の極性を切換えることも可能です。このため、無電区間も解消されるという正に画期的なフログ方式です。
ただし、フログ先端への給電には、別途、部品(PECO純正ならPL13、PL15)が必要になるようです。
この方式のポイントが発売された時期は知りませんが、最近になって、私が使っているSetrackと同じ規格のカーブポイントが発売されたので、当レイアウトの大きな課題である無電区間の解消を達成するために購入した次第です。
キハの分割を実現したい!
何の脈絡もない見出しに思われるようでしょうが、左右2つのカーブポイントを手にして最初に考えたのがコレです。
当レイアウト「白縫鉄道川正線」は、河田耕一さんが昭和43年に「鉄道模型趣味」誌に発表し、その後シーナリィガイドに収録された「ある架空レイアウトの物語・川正線の一日」をモデルにしています。河田さんはこの記事の中で、鉄道模型のダイヤ運転を提唱し、途中駅でキハが
分割するダイヤを紹介しています。
Mitsuki-2368, CC BY-SA 3.0, ウィキメディア・コモンズ経由で
この「キハの分割」を、私の川正線のダイヤに取り入れるならば、朝のラッシュ時に筑紫増川を出たキハの3両編成が、途中駅の筑紫家野で分割し、高校生を乗せた1両が筑紫増川に引き返し、残りの2両が筑紫川正に向かう、という運転になります。
この運転方法は、レイアウトのプランニング段階でも当然意識しいましたが、ローカルな単線の風情を優先し、泣く泣く諦めたものです。
ところが、今回購入したポイントを眺めるうちに、「これを使えば、キハの分割ができる!」との思いを押さえられなくなり、レイアウトプランの変更を検討するに至りました。
レイアウトプランの2つの変更案
上図は現行のプランですが、私の川正線でキハの分割を実現するには、駅で別れたキハがすれ違うための待避設備を増設しなければなりません。そこで待避設備のあり方について、2つの案を考えてみました。
(1)伯備線布原信号場タイプ
Mitsuki-2368, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
駅の反対側に信号場を設けたプランです。
待避設備と言えば信号場、蒸気機関車で有名な信号場といえば布原、という連想に従ったものです。しかしながら、全線一閉塞の川正線には似合わないように思います。
(2)米坂線白川信号場タイプ
galbaldy1028, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
次に考えたのが、米坂線と長井線の分岐点にあった白川信号場です。図の右上の分岐が信号場っぽく見せる部分です。
私の川正線は、筑紫増川から分岐する盲腸線という想定ですが、レイアウトには分岐点がありません。このため、この案に強く魅かれますが、図の左上のポイント付近を、山林やトンネルで視覚的に隔離する工夫が必要になりますね。
以上が変更案です。
当初のプランニングの段階では、単線の風情を再現することを優先しましたが、ダイヤ運転の楽しさを知った今では、待避設備の新設が、とても魅力的に感じられます。
さて、思い切って着工するか否か、それが問題です。
以前にも書いたことですが、当初のプランニングの甘さのため、立ち止まって考えることが多く、なかなか工作が捗りません。片や、新型高速時計の開発(前回参照)も進行中です。
ますます完成が遅れそうな私の川正線ですが、これも鉄道模型の奥深さ故、ということにしておきましょう。
本日も、ご訪問ありがとうございました。