どうもどうも、けいです。

 

筆者はずっと思っていることがあるのです。

グリーンマックスのキットから415系800番台が作れぬものか、と。

今は諸々の都合で流石に無理ですが、ひと段落したらやってみたいのです。

 

今回のブログは将来415系800番台を作るであろう筆者に向けての

備忘録的な色が強いです。正直他人が読んで面白いものかと言われると…

 

それでもいい方だけ読み進めることをお勧めします。

 

では、どうぞよろしくお願いします。

 

 

415系800番台とは?

この記事を読んでいるということは大半の方が分かっているでしょうが、

一応のため415系800番台についての説明を入れておきます。

というか概要が分かってないと

筆者がGMキットから作れないかと疑った理由も正しく読み取れないかと

 

415系800番台というのは、JR西日本が保有していた交直流近郊形電車です。

車体のベースは113系や165系などとほとんど共通の、

いわゆる「東海形」に属する形式の一つです。

113系はともかく165系は急行形だから設計違うだろとは言わんでください

 

しかし415系800番台は新造車ではなく改造車です。

その改造内容も瞠目せざるをえないほど斬新であることから、

鉄道ファンの中ではがつくほどの迷車と見做されています。

 

1991年にJR七尾線のうち、津幡~和倉温泉間が電化されます。

このとき、電化方式として直流が選ばれました。

一方で津幡駅にて接続する北陸本線は交流電化です。

このため、七尾線には交直両用の電車が必要となりました

 

直流とは向きが変わらない電流で、交流は向きが定期的に変わる電流です。

直流電化は車両側の、交流電化は設備側のコストを安くできるので、

国鉄やJRは輸送状況と相談して使い分けてきました。

七尾線も輸送状況から交流電化が望ましかったのですが、

交流は電圧が高く、小断面トンネルなどで絶縁破壊(雷も同じ原理です)が発生するおそれがあり

やむなく直流電化とされました。

気動車だったらこの問題は解決できますが、

七尾線の場合はそもそも気動車を一掃するための電化なので気動車を使ったら本末転倒です

 

しかし、交直両用電車は製造費が高く、JR西日本にとっては重い負担となりました。

そこで車両を新造するのではなく、改造車で賄うことでコストダウンを図ります

こうして改造の犠牲対象になったのが、113系電車と485系電車でした。

 

JR西日本は485系から交直両用設備を抜き取り、113系に移設。

交直両用設備をなくした485系は183系となり、

逆に交直両用となった113系は415系に改番されました

電動車をそのまま直流専用から交直両用に改造した例はこれが唯一です

(電装解除=モーター取り外しなどの上で交直両用にした例はあります)。

 

ここで「オイ、ちょっと待て」と思った方もいらっしゃるでしょう。

交直両用設備を抜き取られた485系の運用はどうするのか?

交流電化区間への乗り入れを終了させるつもりだったのでしょうか?

 

しかしそこは心配ご無用。

改造対象となった485系は運用区間に交流電化区間が含まれておらず

交直両用設備を腐らせていたのです

使わないのであれば抜き取って必要な場所に回すべきだという発想が出るのは、

考えてみれば至極当然のことと言えましょう。

 

しかもこの改造、運命のいたずらか、改造前の"113+485"の値と

改造後の"415+183"の値が同じ(598)なのです

誰が気がついたか、いつしかこの改造はファンの中で

"113+485 = 415+183"という方程式とともに定着することとなりました。

いつか数学オリンピックあたりでこの数遊びの問題が出るかもしれない

 

※これについて、筆者はずっと"113+485 → 415+183"の方が適切なのでは?

と思っていたことがあります(実際この表記で動画も作りました)。

というのも、この表記は「化学反応式」で使われるもので("CH₄+2O₂ → CO₂+2H₂O"が例)、

113系と485系を合わせて生成されたブツが415系と183系なら、

等式よりも化学反応式の形で表すべきなのでは」という考えだったのです。

しかし「改造前後の形式を加算すると値が等しくなる」という理論を見て、

なるほど等号で結ぶ形でも適切だと認識を改めました。ブログの内容からすればどうでもいいが

 

かくして415系800番台は3連11本が落成し、

福知山線での慣らし運転を経て電化改正と同時に七尾線で運用を開始しました。

たった11編成ではありましたが、

クーラーの位置や形状、サボ受けの位置や有無、

側面方向幕の有無(有りと言っても準備工事段階で稼働は最後までしなかった)、

霜取りパンタの跡など、なかなかに賑やかなことになっていました。

 

当初は先頭車がグレーとブルーの車体、中間車がグレーとピンクの車体に

それぞれ白いラインが走っている塗装でしたが、

2010年頃よりコストダウンを理由に茜色一色になりました。

この茜色は七尾線が通る能登半島に位置する、

石川県輪島市の特産品「輪島塗」をイメージしています

(輪島市まで七尾線が伸びていた時期もありますが、2001年に廃線になりました)。

 

一部のファンからは「味気ない」とされたこの一色塗装ですが、

現在七尾線のイメージカラーとして定着しつつあるあたり、

七尾線を代表する色として受け入れられたようです。

何よりあの塗装は面倒くさいよ…模型でやれと言われたら発狂します

 

しかし登場から30年、種車の落成からは半世紀以上が経過したこともあり、

老朽化が進行。

本来であれば鉄道車両は40年で大往生と言われるレベルなので、

相当走り込んでいることになります。

 

2015年に七尾線に転入した413系に押し出される形でC01、04編成が廃車となり、

2021年には521系100番台の本格投入で残る9編成すべてが運用を離脱。

順次吹田へ廃車回送され、2023年8月25日のC07、08編成をもって、

全編成の廃車回送が終了しました。

車体の茜色は521系の帯色に引き継がれています。

 

模型化の状況

さて、こんな415系800番台ですが、

完成品としては2社が名乗りを上げています。

これがKATOとマイクロエースなのですが、各メーカーの特徴をちょっと記します。

 

・KATO(ラウンドハウス)

2001年頃に発売されたようです。

が、これはあくまで「ラウンドハウス」のブランドであり、

他の車両を塗り替えただけなので実車と大きく違っています

 

具体的には、

  • 窓配置が違う
  • 側面方向幕がある(実車はなぜかない)
  • ベンチレーター配置が違う
  • 窓がユニット窓

etc...

 

と、手を加えればどうにかなるレベルの話ではなく、

加工するならそれこそ他のキットを使った方が早いという始末です。

筆者もこういった理由から、ラウンドハウスの415系800番台は敬遠しています。

 

ただし特徴的な塗装はしっかりやってくれていますので、

こうした差異に目を瞑れば雰囲気を楽しむことは十二分に可能です

つまり筆者は見逃せなかった哀しき者です

 

・マイクロエース

この手の珍車が大好きなマイクロエースらしく、415系800番台も製品化しています。

1991年~2012年まで見られた塗装(以下:七尾線色)のほか、

2012年以降の茜色(以下:七尾色)、

本運用投入前に福知山線で慣らしていた頃の新福知山色

3バリエーションが展開されています。

 

ただし最大の欠点としては探しても出てこないことに尽きます。

もっとも、これはマイクロ製品であればどの車両にも言えることなのですが…

 

他にも、モーターがなぜか2両目(モハ414)ではなく

3両目(クモハ415)に装備されていること、※おそらく併結時を考えた措置か

何よりなまじ変な編成を選んだがために、七尾線色については

1両目(クハ415)の屋根上に致命的なエラーがあることも挙げられます。

 

七尾線色はC01編成がプロトタイプとされているのですが、

よりにもよってそのC01編成がクハに霜取りパンタをつけていた車両で、

撤去後もパンタ台や配管が残っていたのです

もはやマイクロエースは何も悪くない…

 

もっとも、ラウンドハウスの415系800番台よりは実車に即した形状であり、

パンタグラフの問題についてもユーザーが加工してしまえば解決するのですが…

 

…ちなみに両社と模型所有者の名誉のために断っておきますが、

別に私は模型をやり玉に挙げて糾弾したいわけではございません。

実車との差異が分かっていて持っている人もいるでしょうから、

筆者は個人の意見よりも皆さんお一人お一人の感性を尊重します

誰に何と言われようと自身の模型はかけがえのないものであることに変わりはありませんからね。

ぜひともお手元の模型を大事にしてあげてください。

 

なお、トレジャータウンからコンバージョンキットが出ているなどもありますが、

3両箱にするのもなかなか大変そうな作業です。

もちろん加工派の猛者は挑戦してみるのも悪くありません

 

という事情から、どうにかして415系800番台を手に入れられないかと

筆者が考えた末にたどり着いた結論が、

グリーンマックスのキットを活用する」ことでした。

 

 

なぜGMキットから作れると考えたのか

本記事の核心です。

 

まず、415系800番台というのは113系から改造された車両です。

ということは、415系800番台を直接探し求める以外にも、

改造種車の113系を持ってきて交直両用に改造するという手段も考えられます

ここで思い浮かんだのがグリーンマックスのキットでした。

 

グリーンマックスはありとあらゆるキットを発売していますが、

その中に111系(115系)の初期型を作るものがあります。

 

415系800番台は113系の中でも比較的初期のロットが種車となっており、

モハ112-12やモハ113-230(→クモハ415)など、

若い番号がずらりと並びます。

クハは300番代が並ぶので新しい方かと思いきや、

これはコンプレッサ付きクハを300番台に区分したからであって、

実際は落成がかなり昔です(車番-300で出る番号が…と言うと分かりやすいか)。

 

この初期車中の初期車に共通する特徴として、

非ユニット窓」というものがあります。

ラウンドハウスの模型の説明でも少し出ましたが、

初期車は簡単に言えば車体と窓を一体成型にしたわけです。

 

新しいロットになると窓枠を別体化するようになりましたが、

この非ユニット窓とユニット窓の違いは窓の角で分かるようになっています。

基本的に非ユニット窓は丸くなっている一方で、ユニット窓は直角です

 

415系800番台は非ユニット窓だらけでしたので、丸窓が特徴的でした。

GMキットからだとこれが生かせます

 

他にも廉価だったり、カスタマイズがしやすかったりするので、

編成によって形態がバラバラな415系800番台とは相性がいいのです

 

しかし、もちろん欠点もあります。

まずは床下配置がエラーになること。

このキットはまさかGMも415系800番台にするバカがいるとは思っていない

あくまで111/113/115系を作ることを前提としているので、

交直両用の床下機器は入っていません

この確保をどうするんだということになります。

それともいっそ見なかったことにするか

屋根に関してはモハ454の分売パーツがあるので問題ないのですが…

 

造形にもエラーがあるようです。

おでこのRが実車と違うようで、正しくするにはパテ盛りをせねばなりません

が、筆者は寸法通り作ったはずなのに失敗したことがあるほど超絶不器用なので、

パテ盛りも鬼に難しいことです。

やはり見なかったことにするしか…

 

GMキットから作るのも最適解ではなく、いくつか問題点があるようです。

行動に移すまでは解決法をのんびり考えておくことにします。

 

もしアドバイス等ある方がいらっしゃいましたらぜひコメント欄まで。

 

内容が尻切れトンボになっているようにしか思えませんが、今回の記事は以上です。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。