廃止の話ばっかり続きます。
なんと、阪急バスの大阪梅田乗り入れが11月5日の運行を最後に廃止されます!

最後に残ったのは、尼崎市の園田駅に向かう路線でした。

  ​梅田〜園田間のバス

現在、JR大阪環状線の高架下に、阪急園田駅へ向かう阪急バスがひっそりと発着しています。梅田(阪急百貨店前)というバス停です。




この11系統は、十三、日出町(元・阪急バス本社前)と国道176号線を北進し、そこから府道152号線・庄本牛立線などを通り、豊中市の庄本や上津島(こうづしま)を経由して、尼崎市の阪急園田駅に向かう路線です。


2時間に1本が阪急園田駅へ向かい、残りは上津島で折り返します。全区間乗ると所要時間は47分です。なんと、普通電車(大阪梅田〜園田間は9分)の5倍かかります!


▲バスの終点、阪急園田駅


  ​歴史

元々は梅田と池田、宝塚を結ぶ路線、千里中央や伊丹空港への乗り入れも行っていた路線網「阪北線」の一部でした。


その中でも阪急園田行きは神戸や宝塚まで行った路線の名残などではなく、2000年に上津島行きを延伸した比較的新しい路線です。


阪急宝塚線の高速化やJR東西線開業の煽りも受け、阪北線はだいぶ路線が縮小されています。2020年10月には平日限定・箕面駅と梅田を結ぶ路線の廃止などがありました。この際、豊中営業所を十三に移転した大阪営業所。これも2022年6月30日をもって空港・高速バスを走らせる「阪急観光バス」に移管し、路線バスは担当しなくなりました。



▲梅田〜箕面間のバスに乗った話はこちら


これで路線整理もひと段落だと思っていました。



  ​さらなる路線縮小

二大都市圏のニュータウンなど人口過密地帯を走る阪急バス。しかし、運転士不足などもあり、どんどん路線網の維持が難しくなっています。


豊中西宮線、空港宝塚線(伊丹空港〜宝塚)、三宮有馬線と同様、鉄道と並行する路線でもあります。そこで、それら路線と「梅田〜阪急園田」系統は11月5日の運行を最後に廃止することになりました。


▲豊中西宮線に乗った時の様子


各地の車内販売や豊中西宮線もそうですが、単に使う人が減ったとはいえ、需要はあります。なのに人手不足というところにやるせなさを感じます。


  ​残る高速バスも…

梅田からは近鉄バス(四条畷方面の路線バス)も大挙して撤退したので、大手私鉄系列の路線バスは完全に廃止されています。ほかの大阪市内でも野田阪神駅あたりを土日の1往復だけ走る阪神バス、上本町〜天王寺・あべのハルカスの近鉄バスなどが一部走るだけです。


大阪市はかつて市内のバスを大阪市バスに統一しようとしました(市営モンロー主義)。100年の時を経て、大阪市内のバスはほとんどがOsaka Metro傘下の大阪シティバスになりつつあります。


それだけバスが厳しい時代になってしまいました。


▲11月1日、あと4日ですが、バス停の案内も撤去されている最中でした


さて、阪急観光バスが運行する高速バスはもちろん、これからも梅田駅の高架下・阪急三番街から発着しますが、こちらも路線廃止・縮小が相次いでいます。随分前に九州から完全撤退、日帰り圏内の淡路島の洲本への路線なども廃止と厳しい状況です。


ローカル線の存廃ばかりではなく、都市部のバス路線が心配な今日この頃です。


  ​次回予告

悲しいニュース続きでしたが、近日中にフェリーのレストランや新幹線のワゴンサービスの話が出てきます。お楽しみに!