最後のワゴン販売を利用【東海道新幹線】 | 車内販売でございます。

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車内販売を13年半で10000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 各地の観光列車に乗り鉄しています。

2023年10月31日で、東海道新幹線のワゴン販売が終了すると報じられました。

グリーン車限定で、モバイルオーダーでの車内販売は残りますが、多くの乗客が利用できる車内販売は打ち切られます。

 

【1】これは大きな出来事

東海道新幹線のワゴン販売終了は、非常に大きな出来事と言えます。

★16両編成で乗客が多い。

 多くの人に販売できて売り上げが上がる。

★ピーク時と閑散期の差が小さい。

 平日は会社員、休日は親子連れなどで乗客数が比較的安定している。

★長時間乗る客も多い。

 東京~広島でも約4時間もかかる。

このように必要性が高く、そこそこ収支が悪くなさそうな東海道新幹線で、車内販売(ワゴン販売)がなくなるのです。

他の多くの路線は、東海道新幹線より条件が良くないですから、これは将来への見通しが暗くなります。

 

そして、平日も走るJRの特急で車内販売を実施している下り列車をまとめたら、こうなりました。

全部で278本、うち東海道新幹線が115本になります。

割合にして41%がなくなるのです。

 

運よく10月31日は仕事がありません。

最後を見届けるために、東京~名古屋まで往復することにしました。

ちなみに私は、TBSの朝の番組「THE  TIME」の10月31日に、車内販売のマニアとして協力しましたが、連絡を受けたのは10月29日の夜です。番組と関係なく、名古屋往復は決まっていました。

 

 

【2】往きは新横浜乗換。

東海道新幹線を普段はEX予約で利用します。

ところが、最近割引率が下がってしまいました。

東京都区内・名古屋市内のJRも使えることから、みどりの窓口で切符を購入しました。

買った切符がこちらです↓

ワゴン販売最終日ですから、買いたい品が売り切れになっているかもしれません。

ですから、2回のチャンスが欲しかったのです。

この方法は料金は変わりませんから、「広島~新大阪をさくら、新大阪の売店で食べ物買って、東京までのぞみ」といった応用も可能です。

 

 

【3】1本目「のぞみ47号」、2つとも品切れ

東京駅から「のぞみ47号」に乗りました。

すぐ利用できるように、準備室がある11号車の通路側C席を取りました。

11号車にワゴンが来て1人目の客に販売したところで、席の変更をしたいという客への応対が始まりました。東海道新幹線のパーサーは、車掌業務の一部も担当できる強みです。ただ、新横浜が近づきワゴンが準備室前に戻りましたので、こちらから出向くことにしました。

残念ながら「山崎12年」と「オーボンヴュータンプティフールセック」は積んでませんでした。

そこで急きょ「キルフェボン焼き菓子」を買いました。

すぐ新横浜乗換ですので、ホットコーヒーは無理です。

パッとカバンに入れられる焼き菓子が最適です。

新横浜駅でもアイス自販機が設置されています。

 

東京駅のアイスとホットコーヒーの自販機の話はこちら↑

 

 

【4】2本目、山崎12年があった!

新横浜から2本目ののぞみ号に乗りました。

準備室がある11号車ですので、すぐワゴンが来ました。

尋ねたところ、「山崎12年」がありました。

氷と炭酸水も付けてもらいました。

特にウイスキーが好きなわけではありませんが、車内販売で人気のお酒が飲めるのは快感です。

ですから酒の味もろくに分からないのに、1470円出して買ってしまうのです。

「オーボンヴュータンプティフールセック」は買えませんでしたが、帰りに期待します。

売り切れ対策として、「新横浜分割」が結果オーライと言えそうです。

 

 

【5】ホットコーヒーとアイスも

他にも買いました。こちらです↓

ホットコーヒーは、白い紙カップです。この先はグリーン車のみの車内販売で大幅な規模縮小ですから、紙コップの発注はしにくいのでしょう。

スジャータアイス340円とホットコーヒー350円を買うと、セットで50円引きになります。

全部で2110円買いました↓

 

 

【6】20分でアイスはとけるか?

車内販売のアイイスは、ドライアイスで冷やした品です。

この通称「シンカンセンスゴイカタイアイス」を、購入して20分後に開けました。

少ししか融けていません。↓

写真では分かりにくいですね。

そこで、購入して20分後にスプーンを使ったときの様子です

《車内販売》ドライアイスで硬くした品

 

《自動販売機》東京駅の自販機で買った品

明らかに、車内販売のアイスが硬いです。
(中学受験指導が私の仕事ですが、「対照実験だから他の条件は同じにしなきゃダメ」と教えているのに、アイスの種類が違うのは、ご容赦を)
 

 

【7】名古屋で山ちゃん

車内販売を利用するのが目的で、名古屋まで往復したわけですが、往復に2万円以上かかります。

「明智鉄道の食堂車」とか「しまかぜ名古屋行き」に乗るには、朝から長時間必要になります。

まあいいや、と名古屋行きを決めた後に、学生時代の友人と会えることになりました。

「世界の山ちゃん」に連れて行ってくれました。

味噌カツと手羽先、名古屋らしいです。

これで十分もとを取って、帰りの新幹線に乗れます。

 

この日はハロウィンの日ですから、地下鉄栄駅の周辺は人が大勢でした。

コスプレをしたグループが多数来ていて、それに備えた警官、歩道の通行規制。

ちょうど1年前は、高知に「志国土佐時代の夜明けのものがたり」に乗りに出かけて、夜行バスに乗るまでに仮装した若者が多数いたのを思い出しました。

 

 

【8】のぞみ64号に乗車

名古屋22:12発、東京行き最終のぞみ号に乗ります。

最後の利用でワゴンが来なかったら痛恨の一撃ですので、車内販売準備室の隣10号車グリーン車に席を確保しました。

発車50分ほど前には1両で空席が5席程度でほぼ満席、私の隣も埋まっていましたが、実際は空席10以上、私の隣も空いていました。これで車内販売を利用しやすくなります。

ワゴンが来ました。

買ったのは、サントリーモルツです。JR東海の車内販売を担当する関連会社「JR東海リテイリング・プラス誕生記念」の列車が入った柄です。

そして。もう1品は焼き菓子の「ビスコッティー」です。

この列車にも「オーボンヴュータン プティフールセック」はありませんでした。

それ以外は、買いたい品はほぼ買えました。

長いカタカナの名前がパッと出てこないことがあるので、買うかもしれない品をまとめて持っていきました↑

「世界の山ちゃん」で腹いっぱいになりましたから、チップスターはパスです。

小田原付近で、ポンジュースも購入しました。

 

 

【9】モバイルオーダーへ

11月からは、グリーン車限定で、スマートフォンから注文する「モバイルオーダー」が始まります。

私が利用するのは、来年になるかな?

 

 

【10】車内販売終了のお知らせ
車内で文字によるワゴン販売終了のお知らせが流れました。

読んでいて、寂しくなりました。
今日が最終日なんだなと、実感してきます。
 

 

【11】最後の利用者!?

新横浜発車後に、2台のワゴンのうち1号車方面を担当しているBワゴンが、私の座っている10号車を通りました。

「車内販売でございます~」と声を出していましたので、ワゴンの回送ではありません。

私はこれはチャンスだと利用しました。

もう1本ビールを購入です。

時刻は23:32です。私は最後の利用客でしょう。

下りでは新大阪23:45着の「のぞみ265号」がありますので、そちらの利用者が「東海道新幹線ワゴン販売の最後の利用者」になっている可能性はありますが。

 

 

【12】新横浜過ぎて挨拶

新横浜を過ぎて、JR東海の内勤と思われる方が、本日で車内販売を終了する、今までの利用に感謝、という放送がありました。

私も撮ろうとしたのですが、スマートフォンのロックを解除するために暗証番号の入力、急いで入力ミス、写真モードをビデオにしてなど操作が長くて、全部の録音はできませんでした。

私のツイッターに元販売員でもある寺本つるぎさんからコメントしていただき感謝です。

 

 

【13】東京駅に到着

東京駅に着くと、待ち構えていた人たちがいました。

JR東海の関係者が現場で作業する人を含め約5名。

カメラを持った鉄道ファンが約20名。

鉄道ファンは、ワゴンが降ろされて撤収する場面を撮影します。

特にJR東海側から挨拶もなければ、「ありがと~う!」と叫ぶ鉄道ファンもいません。

静かに、東海道新幹線のワゴン販売は終了しました。

 

人材難など状況の厳しさは理解していますので、「ワゴン販売絶対に残せ!」「JR東海はけしからん」とまでは思いません。

でも、寂しいです。新幹線に乗って、硬いアイスを食べて楽しむというアトラクションがなくなるわけです。単なる移動手段に近づくのは、鉄道ファンの一人として寂しいです。

 

●今までの東海道新幹線に乗った記事はこちら↓