22.特急「リレーかもめ9号」と初めてのN700S80000番台
ホテルルートイン博多駅前をチェックアウトし、
通勤客とは逆走して博多駅に向かう。
ぐるっと九州きっぷと事前に購入していた、
「リレーかもめ9号」のB特急券で改札を潜り、ホームへと降りていく。
この特急券はえきねっとで購入し、
JR幕張駅の指定席券売機で発券したもの。
ホームにはまだ「リレーかもめ9号」は入線していなかったが、
隣のホームには783系が停車しており、
HUIS TEN BOSCHカラーの非貫通型先頭車を取材できた。
そうしているうちに特急「リレーかもめ9号」が入線してきた。
特急「リレーかもめ9号」は787系が充当されていた。
787系は1992年7月に登場した特急型交流電車である。
博多と西鹿児島(現・鹿児島中央)を結ぶ特急「つばめ」として登場した。
ダークグレーを基調としたカラーリングが特徴である。
しかし2004年3月13日に九州新幹線が部分開業したことにより、
博多から新八代を結ぶ「リレーつばめ」に充当、
しかし2011年3月12日に新八代から博多まで延伸、
九州新幹線が全通すると余剰車両が発生してしまった。
それから10年以上が経ち、西九州新幹線が、
2022年9月23日に部分開業すると、
博多と武雄温泉を結ぶ「リレーかもめ」として充当が開始された。
特急「リレーかもめ9号」は08:10に博多駅を出発する。
鹿児島本線を新鳥栖まで行き、ここから長崎本線に入線する。
西九州新幹線の未開業区間は新鳥栖から武雄温泉で、
新鳥栖から九州新幹線に乗り入れ、博多まで行く。
上越新幹線が大宮から東北新幹線に乗り入れるのと同じ理屈である。
車窓から九州新幹線新鳥栖駅が見える。
博多を出てから1時間6分、09:16に武雄温泉に到着する。
武雄温泉の新幹線ホームは単式1面1線と島式1面2線構造になっているが、
島式ホームの10番線は標準軌ではなく、狭軌で敷設され、
在来線の長崎本線から分岐してここに接続する線形になっている。
そのため特急「リレーかもめ」はここに乗り入れ、
中間改札なく新幹線に直接乗り込める構造になっている。
ここで停車中の西九州新幹線「かもめ9号」が停車している。
充当されているのはN700S80000番台で、
東海道・山陽新幹線の最新車両N700Sをベースに
デザインはJR九州デザイン顧問の水戸岡鋭治氏が手がけている。
現時点で博多には乗り入れておらず、武雄温泉と長崎の折り返しのみなので、
6両編成となっていて、グリーン車は連結されていない。
ただ、自由席は東海道・山陽新幹線と同じ座席配列になっているが、
指定席は木を基調とした2席+2席になっており、
800系と同じデザインが採用されている。
自由席は東海道・山陽新幹線の普通席と同じタイプである。
西九州新幹線部分開業の2022年9月23日に合わせ、
前年末にY1編成が完成、年明けから大村車両基地に搬入が開始、
開業までに6両編成✕4本=24両が新造された。
開業後に追加で1本と導入され、計5本30両が投入予定である。
また、現時点で東海道・山陽新幹線と連絡しておらず、
ドクターイエローの入線が難しいため、
Y1編成とY3編成に軌道検測器、Y2編成に架線検測器を搭載している。