JR東海HC85系(グリーン車) | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

下呂や高山など、高山本線は地方交通線でありながら需要は旺盛であり、名古屋からの特急「ひだ」が1~2時間間隔で運転されています。これまで30年ほどキハ85系が頑張って来ましたが、次世代のHC85系に置き換えが完了しています。

 

今回はグリーン車をご紹介。行き先表示の下にはロゴ、これまでJR各社のハイブリッド車両は100km/hが最高でしたが、それを20km/hも上回る120km/hでの運転を実現しています。これもあり堂々のブルーリボン賞を受賞、キハ85系では惜しくも受賞を逃した過去があるだけに、リベンジがかなった格好になりますね。

 

それでは参りましょう、まずはデッキ、ドアからです。普通車とは異なり深い青の化粧板が貼られています。また周囲の木目調化粧板も、普通車と比べて濃い色調にして区別しています。

 

足元には小さいながらもステップが残る格好となっています。そのステップですが、あまり他では見かけない模様入りになっていますね。またキハ85系のDNAを受け継ぐようにマットも設置されています。

 

ドア横にはくずもの入れ、非常通話装置、非常灯が備えられています。やはり、ステッカーが浮いて見えます。目立っているので機能的には必要十分ですが、新しく作るからにはもう少しスッキリ出来たのではないかなぁ、とは思います。

 

トイレは男女共用と男性小用が並びます。男女共用トイレにはベビーベッドとベビーチェアが備えられています。

 

多目的室です。通常は施錠されており、ご利用の際は車掌さんに申し出ることになります。…しかしグリーン車非連結の列車は、この設備が無いことになるんですよね。

 

普通車にも共通しますが、デッキにナノミュージアムという地元工芸品を展示するスペースがあります。ここにあるのは美濃和紙、日本三大和紙のひとつで、古文書の修繕などにも使われているそうな。

 

洗面台は普通車と同仕様です。

 

デッキとの仕切りは窓が無く、グリーンマークが貼られています。無用な立ち入りはご遠慮、ということですね。

 

車内です。普通車と同じく2+2の配置、満席になることは少ないとはいえ、キロ85と比べるとやっぱり迫力負けしてしまうなぁ、と。

 

デッキとの仕切りを内側から。木目調の化粧板は普通車と同じくですが、色調が濃くなっています。仕切りと座席の間には荷物置き場があるのですが、ガラスのパーテーションの反射が少々うるさい気がしておりまして、無理に仕切ることも無かったのではないかなぁ、とも思います。荷棚には毛布が置かれています。

 

旅客案内はLCDディスプレイ式、走行中にはエンジン・バッテリー・モーターの電力の流れを表示するアニメーションも流れます。

 

窓です。普通車と同じく2列に1枚の配置です。高山本線では富山方面は偶数、岐阜方面は奇数が柱が遮らない席になり、AB席が東側、CD席が西側となります。高山本線は飛騨川に沿って走りますがどちら側でも渓谷美は楽しめますので、日射と相談して決めるといいでしょう。

 

座席です。2+2配置になったことで、キロ85と比べるとボリュームダウンした印象は否めません。普通車と同じく窓下はパネルを凹ませた形状にして座席をギリギリまで寄せていますが、これまた普通車と同じく窓枠下辺をテーブル代わりに使えるように広げている関係で、窓側は肘掛けに肘を置くと窓枠下辺が腕に接触します。安息を提供すべきグリーン車にしてこれは失策以外の何物でもありません。

 

グリーン車にしては全体的にクッション硬め、またバケット形状も緩めということもあり、どこにお尻を落とせばいいのかが不明瞭なのはイマイチです。普通車と異なり角度可変式のフットレストがありますので体勢を変えて座ることは出来ますが、下手な座り方をすると硬めのクッション故に身体にダメージを負うことになります。キロ85のグリーン席は包み込まれるようなイメージですが、こちらはツレなく突っ返すイメージです。JR東海初のヘッドレストピロウはせめてもの補償でしょうか。

 

リクライニングレバーの下にコンセントが備わります。これくらい離すことが出来れば、手元に差し込み口が来ないので安心ですね。なお、一見インアームテーブルが仕込まれていそうな形状をしているアームレストですがそれはフェイク、テーブルはシートバックテーブルオンリーです。インアームテーブルを仕込んでいると窓枠下辺を広げる必要は無いので、肘周りの問題って解決出来るんですよね、本当は。

 

読書灯です。スイッチはセンターアームレスト側面にあり、光源はヘッドレストの横にあります。

 

最前列はテーブルが拡大されたオフィスシートとなります。

 

荷物置き場です。二段式で、下段は荷物の滑り出し防止のためセーフティバーが付いています。荷物置き場にもカーペットが敷かれているんですね。

 

壁面の各種表示です。フリーWi-Fiも利用出来ますが、高山本線など山間では途切れることもあります。

 

さて、この1号車のグリーン車には隠し部屋のような空間があります。パッと見れば「キロ85は死んだか」と思うようなしっかり壁に仕切り扉でこの先に乗務員室があるようの見えるのですが、この仕切り扉はなんと常時自動で開きます。

 

開いた先を見るとあれまビックリ、その先に真の乗務員室との仕切りがあります。さすがにこの開き戸は開きませんが、ここから前面展望を楽しむことが…。

 

はい、その様子なのですが、貫通扉が両開き式のプラグドアになっているため、前面の景色は障害物だらけです。それでもいいと言う方だけが、ここを専有して前面展望を楽しむことが出来ます。ただ、立ち入り禁止とはなっていないまでもたまに車掌さんも通りますので、業務の邪魔にならないようにしましょう。

 

下を見ますと、消化器が収納されています。