長崎バスグループ(長崎自動車(長崎バス)・さいかい交通・島原鉄道(島鉄バス))と言いますと、現在も見られている車としまして、いすゞLVキュービックではないかと思います。
長崎バスグループでは、昭和59年から平成12年までの長きにわたりましてLVキュービックを導入しておりまして、その台数は486台にも上りました。なぜここまで多くの車が導入されていたのかと言いますと、かつて長崎バスにはグループ会社として長崎いすゞ自動車(現・いすゞ自動車九州長崎支社)が存在しておりましたので、その名残として現在もいすゞ車が多く在籍しているのではないかと思われるようであります。
そのため、平成11年導入車まではサッシ窓(画像1、1625・KC-LV380N)ではありましたが、平成12年導入車では画像2の車(2022・KC-LV280N)のように逆T窓、さらに以下画像のように逆T窓の上にワンステップバスともなっておりまして、導入末期の車両となりますと違いも伺える所でもあります。
現在は、U-規制の平成7年式から平成12年式までの車が在籍しておりまして、現在も長崎市内をはじめ各地で多く見られております。特にグループ会社の島鉄バスに関しましては近年新たにグループ会社として入っておりましたが、グループ会社に入りますと長崎バスからのLVキュービックを移籍導入しておりまして、島原半島沿いの平地区間あれば雲仙の山並みも走っておりますので、車自体が高出力でもある分重宝しているのではないかと思われます。
(1516・U-LV318L)~現在も健在、長崎バス時代の社番を継承しています
さて、このLVキュービックの後に導入されましたのが、これからご紹介しますいすゞエルガ、そして同じスタイルでもあります日野ブルーリボンIIも導入されておりまして、その台数は200台以上に及びまして、こちらも主力車両としております。今回は現行車種の前のタイプでもあります、この旧モデルのラインナップに関しまして皆様にご紹介してまいります。
(2201)~詳細は後述
(4903)~詳細は後述
長崎バスでは、平成11年から低床バスを導入しておりまして、いすゞ車も上の画像にもありますLVキュービックにおきまして、翌平成12年まで導入が行われておりましたが、平成13年からはモデルチェンジによりまして、いすゞエルガが導入されるに至っております。
このいすゞエルガは、一般路線向けではワンステップ・ノンステップ・ツーステップとラインナップはあったものの、LVキュービックに引き続きワンステップの導入が引き続き行われておりまして、カラーもこちらも引き続き白地に赤・青のカラーが入りました「トリコロールカラー」に「N」のデザイン、そして4枚折戸での導入となっておりまして、坂の町に対応した高出力車となっております。
【いずれもKL-LV280N1】
(平成13年導入、2113)
(非公式側・蘇州林ラッピング)
(平成14年導入、2201)
(同、2205)
(同、2206)
(同、2211)
(同、2216)
このいすゞエルガワンステップは、以下の平成17年導入車ではPJ-規制に変わりましたが、この年の終わりにはノンステップの2537が導入されておりまして、(最初の)ワンステップの導入は67台の導入で終わる事になりました。
【いずれもPJ-LV234N1】
(2505)
(2506)
(2508)
(2509)
(2524)
(2525)
(2529)
(2530)
(2531)~阪九フェリーラッピング
(2534)
平成17年末の2537の導入に引き続き、翌平成18年からはノンステップが本格導入されるようになりまして、引き続きPJ-規制のエルガが導入されておりました。ノンステップでは、これまでの中ドアが4枚折戸から引戸に改めておりますし、このノンステップも坂の町に対応した高出力タイプとなっております。
【いずれもPJ-LV234N1】
(平成18年導入車、2604)
(2605)
(平成19年導入車、後述)
さらに、翌平成19年導入車からは、日野自動車のブルーリボンIIも導入されるようになりました。ただ、ボディ架装はいずれもいすゞエルガと同じジェイバス宇都宮工場で架装されたものでありますので、いすゞはエルガ、日野はブルーリボンIIと名称は違うものの、ボディや内装はほぼ同一であるのが特徴であります。
【いずれもPJ-KV234N1】
(平成19年導入車、4705)
(4706)
それにしても、こうして見ましても角目2灯でありますので見分けがつかないのもわかります。以下画像では同じく平成19年導入車のいすゞエルガも掲載しておりますが、この見分けを付ける場合は、社番や正面右側の「HINO」と書かれたステッカーが見分けを付ける部分でもあります。とにかく、理解している方ならわかるかもしれませんが、理解されていない方ならばわからない部分ではないかと思うほどであります。
(平成19年導入車、いすゞエルガ、2708・PJ-LV234N1)
(2713)
平成20年導入車からは、これまでのPJ-規制車からPKG-規制車に変わります。これはちょうどこの年から新長期規制適合車となった事から、こうして排ガス規制自体変更されるに至っております。それにしても、いすゞエルガの場合はPJ-規制車とは見分けが付きにくいのもわかるのではないでしょうか。尚、平成24年導入車までがこの形式でもあります。
【いずれもPKG-LV234N2】
(平成20年導入車、2803)
(2809)
(2812)
(同、2814)
(平成21年導入車、2902)
(平成22年導入車、1001)
(1003)
(1008)
(同、1010)
(同、1022)
(同、1023)
(平成24年導入車、1202)
また、日野ブルーリボンIIも、平成21年より再び導入が行われております。ただ、平成19年導入車との違いは、ヘッドライトが角目1灯となっておりまして、これが大きな違いでもありますし、最もいすゞエルガとの見分けを付ける部分でもあります。こうして両メーカーを揃って導入すると言うのも、メンテ面を考えましても効率的にいいのではないかと思いますので、悪くはないのではないかとも思います。
【いずれもPKG-KV234N2】
(平成21年導入車、4902)
(平成21年導入車、3001)
(同、3003)
(同、3006)
(同、3008)
平成25年には、排ガス規制がQPG-規制(いすゞエルガ・QPG-LV234N3、日野ブルーリボンII・QPG-KV234N3)となりました。これまでのタイプの違いとしましては、画像はありませんが、窓が非公式側2・3番目の窓が固定窓となっているなど、他社の同タイプと変わらない形となっているようです。尚、このノンステップはこの年で導入が終わりまして、この後ご紹介しますように翌平成26年には再びワンステップが導入される事になります。
(同年導入、いすゞエルガ、1304・QPG-LV234N3)
(1306)
では、ここでノンステップ車の車内を掲載します。少々見にくいかも知れませんが、最前部の座席と2番目の座席との差が違うのがわかります。やはりステップが付いていない分、床も低くしておかないといけませんし、車椅子の方々や不自由な方には優しくしている事には間違いないようです。また、手すりはワンステップバスの手すりは黄色になっているのに対し、橙色の手すりがノンステップバスでは採用されているのもわかるのではないでしょうか。
平成26年、そして翌平成27年導入車では、ノンステップから再びワンステップが導入されておりまして、再びステップ付きの車が導入されるに至っております。それでも、平成13年~平成25年導入車の違いはドアがノンステップに引き続きまして引戸となっておりまして、大きな違いが見られております。
(平成27年導入、いすゞエルガ1580・QPG-LV234N3)~現在は長崎230あ15-80に改番(後述)
尚、当初は上の画像にありますように緑ナンバーでの登録となっておりましたが、後に東京オリンピック・東京パラリンピックのいわゆる「オリパラナンバー」に変わっておりまして、それとともに希望ナンバーの形で社番に再登録されております。そう言った所で以前のワンステップと差別化が図られている事もわかるのではないでしょうか。
【いすゞエルガ、QPG-LV234N3】
(平成26年導入車、1450)
(同、1457)
(平成27年導入車、1577)
(同、1580)~改番前は上の画像です
(同、1585)
(同、1589)
(同、1590)
(同、1591)
【日野ブルーリボンII、QPG-KV234N3】
(平成27年導入車、3510)
(同、3513)
今回は、いすゞエルガ・日野ブルーリボンIIのワンステップ・ノンステップの話題をご紹介しましたが、冒頭ご紹介しましたように現在両方あわせて200台以上も所有するまで至っております。その分、従来の後乗り車両が廃車に至っておりますが、それほどバリアフリーに貢献している事を思えば悪くはないのではないかと思います。それにしても、長崎バスの区間の中には、以下画像のようなバス1台しか通れない所や坂の町らしく険しい所にまでこういった低床車が採用されている所もあります。それほど需要もある訳でしょうし、台数も多い訳ですから、これら車の存在は大きい事には間違いないでしょうか。