さらば喫煙ルーム | 金屋代かずおのお部屋

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周防大島町を拠点に鉄道旅行・鉄道もけいの活動を行っています.

(実はハローキティ新幹線にも)

 

1987年3月31日,莫大な負債を背負って運営を終了した日本国有鉄道ですが,その負債はJR東日本・JR東海・JR西日本の他に多数の関連機関が,2023年現在でも背負い続けています.その負債を返済するべく「たばこ特別税」が設定されており,1998年からの約25年間で10兆円程度返済しています(*).したがってJR各社は喫煙者に対してもう少し便宜を図るべきではないかという議論もないことはないのですが,どうやら,そのような議論をする所ではなくなったようです.

 

(*):

 

  500・N700・N700S系の喫煙ルーム廃止

2024/3/15をもって,東海道・山陽・九州新幹線の500系・N700系・N700S系において,喫煙ルームの設定がなくなります.車内でお煙草(電子タバコ類も含む)はお吸いいただけません.

 

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231017_00_press_shinkansen.pdf

(JR東海・JR九州も同様の趣旨のプレスリリースを出しています)

 

これにより,JRの車両内で喫煙できる車両は以下の12両のみになる予定です.

(E26系客車は全席禁煙になりました)

(E001系・キイネ87系には喫煙ルームが残ります.追記しました)

  • サロハネ285-1・2・3・3001・3002(4・11号車;禁煙室もあります)
  • サハネ285-1・2・3・3001・3002(6・13号車)
  • キラ86-1
  • E001-5

サロハネ285型は,現状最後の定期列車用A寝台車であると同時に,最後の定期列車用喫煙車でもあるという貴重な車両になりました.

「たばこ特別税」の議論には関係がありませんが,2023年現在,私鉄を含めても車両内で喫煙ができる車両は近鉄特急程度です.

 

また,山陽新幹線区間では岡山県・広島県・山口県の駅(岡山・福山・広島・新山口を除く)に設置されている,ホームの一角に灰皿がある喫煙コーナーが廃止されます.これらの駅では「こだま」が比較的長時間止まることが多く,その度に喫煙コーナーを利用する旨の放送がなされたものです.

 

なお,喫煙ルームの跡地には「非常用飲料水」が設置されます.2023年8月の最繁忙期の東海道新幹線では,台風・大雨の影響でダイヤが大幅に乱れ,静岡県内や京都→新大阪で列車を団子状態にしたこと,夜行運転をしたことが記憶に新しいです.東海道新幹線では車内販売がなくなるため,普通車では車内で飲料水を確保できる手段がなくなりますので,これは必要な備えです.この備えを行うために喫煙ルームを使用したとの考えもできなくはないですが,そもそも喫煙に対する風当たり,煙草の値上がりは年々厳しくなっており,喫煙者も少なくなっているのは事実です.

 

筆者は喫煙をしたことがありませんし,喫煙をしようとしたこともありません.仮に筆者に喫煙の習慣があれば,当ブログの活動の大半は行えていなかったと思います.

 

余談ですが,「サロンカーなにわ」の腰掛けには小さい引き出しがあります.灰皿として使われることが想定されているのは明らかです.これはこれで大変貴重な存在です.なお,現在の「サロンカーなにわ」では喫煙をすることはできません.

 

 

  2024/1/10 追記

近鉄特急においても,2024/2/29をもって喫煙ルームを廃止すると発表されました.

 

https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/kitsuennshitsuhaishi.pdf

 

 

  2024/1/26 追記

喫煙ルームが廃止される日が3/15であることが正式に発表されました.JRにとってはダイヤ改正に合わせて制度が変わることが都合が良いと言えば良いのですが,近鉄より後の廃止になります.

 

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043148.pdf