鋳造講座「錫のぐい吞み」に参加する! | キハでGo!

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こんばんは!

本日は午後から雨がパラつきましたが、何とか雨に当たらずに帰宅できましたw

日頃の行いでしょうかw(ただ、こんなところで運を使うのもどうかと・・・)

 

枚方市にある大阪府指定有形文化財の「旧田中家鋳物民族資料館(鋳物工場及び主屋)」では体験工房で鋳物をはじめとしたクラフトワークショップを開催されています。その中でも1枚目の鋳物講座「錫のぐい呑み」は人気のある講座で、私も3回目の応募でようやく当選しての参加となりました!(ちなみに今回の倍率は6倍ほどだったようです。)

この講座は平成30年から年1回の開催でしたが、今年度は6回も開催された人気講座で、今までに10回ほど開催されているようです。

自宅から自転車で20分ほどの距離だったので、9時半にのんびりと自転車で現地に向かいました。

この「旧田中家鋳物民族資料館」はその名とおり、資料館ですが、朝の9時半から開館しており、資料館は無料で入ることができます。

 

入った敷地内には市内で発掘された弥生時代の竪穴式住居の跡と再現された復元竪穴式住居もあり、中に入ることもできます。そしてメインの旧田中家は奥に主屋と工房があります。(2枚目左の白い方が主屋、右が鋳物工房です)

この旧田中家は江戸時代に市内の別の場所で鋳物師として営んでいましたが、昭和35年頃に廃業し、建物、工房が市に寄贈されました。この主屋と工房を移築し、鋳造専門の資料館として整備されました。

 

さらに奥には2階建ての建物があり、こちらは資料館附属の体験工房となっており、「鋳物づくり」、「彫金」や「七宝焼」などを体験できる主催講座の開催や美術・工芸などの創作活動を行う市民に工房の貸し出しを行っています。

今回はこの体験工房で「鋳造講座」が開催されました。

 

10時に今回、当選した6名の参加者が集合し、2名の講師から工程の説明を受け、ぐい吞み作りを始めました。

今回は錫を原料に砂を使った「生型鋳造」と呼ばれる方法でぐい呑みを作成しました。

まずは4タイプの形状から好きな形を選びますが、2枚目手前から奥に行くほど難易度が上がるとのこと・・・私は難易度よりも「素朴なぐい吞み」が欲しかったので、一番難易度の低い手前の椀型をチョイス!(他は富士山型やお猪口型などです)

 

各テーブルには大量の砂と型作製の道具がセットされており、選んだ型を枠にセットし、まずは凹んいる雌型枠から作っていきます。砂をしっかりと敷き詰めて、木の棒で押し固めていきます。そして凸っぱている雄型枠を作りますが、この時に錫を流し込むための湯道もパイプを使って開けておきます。(鋳物の世界では溶けた金属を「湯」と呼ぶようです)

2枚目は型を外して完成した型枠でこちらに砂をしっかりと固めるスプレーを振って錫を流し込んだ際に砂が混ざらないようにするようです。

 

固め剤が乾いてからバーナーで表面を焼くことで砂の中に残っている水分を飛ばしておくようです。

この作業が終ってから雄型枠と雌型枠を慎重に合わせてから、溶かした錫を流し込みます。

錫は融点が230度ほどと低いので、2枚目のようにガスコンロで溶けますw

これを先の細いお玉ですくって雄型枠に開けた湯道から流し込みますが、鍋の中の錫は空気と反応して酸化膜ができているので、お玉の腹で避けてからきれいな錫をすくいますが、普通のお湯と同じ感覚でお玉を挙げると、金属なので比重が違うため、意外と重く感じましたw

 

1枚目は錫を流し込んだ後の型枠です。流し込んでから5分ほどで固まるようですが、冷めるのに少し時間が掛かるので10分ほど置いておきます。

2枚目は型枠を外して取り出したぐい呑みですが、左側に湯道の跡も残っており、この雄型枠の湯道から雄型枠と雌型枠の隙間に錫が流れ込んでいますが、私の分は少し流し込みが遅かったのか右側の縁が少し欠けていますw

講師の方によると、「失敗」らしく、もう一度、型枠からやり直すこともできると言われましたが、私的には「いかにも手作り感」があり、そして「素人くささ」も感じられたので、このままで作業を進めることを希望しましたw

ここまでで午前中の作業が終わり、昼食休みとなりました。

 

昼休み中に近くのコンビニへコーヒーを買いに行く途中、学研都市線の藤阪第一踏切で「テツ」分補給しておきました。

この踏切は「かまぼこ型踏切」ですが、ちょっと緩めなので、かまぼこ感は少な目ですw

走行車両はどちらも207系でした。(大当たりw)

 

午後の集合までに時間が残っていたので、旧田中家の主屋と工房を見学しました。主屋は旧田中家の方々が住んでいた家でかまどや古い道具などが展示されており、工房の方は写真のように鋳物の資料館となっています。旧田中家の工房では踏鞴製鉄(たたら)をされていたので、踏鞴と聞くと、思わず宮崎駿作品の「もののけ姫」に出てきた片側6名の大きなものが頭に浮かびますが、2枚目のように片側2人踏みの踏鞴で送風していました。ちなみにこの踏鞴は電動で動くようになっていますw

 

昼食休憩後はぐい吞みの整え作業として湯道やバリなどを除去していきます。金のこで湯道部分を切除し、金ヤスリで慎重に大きな湯道の残りとバリ部分を1枚目の台を使って削っていきます。

工程に「鎚目入れ」や「ヘラで磨く」がありますが、私のコンセプトは「素朴なもの」なので、砂を使った生型鋳造の特徴である砂地のザラザラ感は残しておきたいと思い、外側は無加工にしました。そして内側はあまり凸凹していると清酒を入れたときにあまり光が反射せず、透明感を感じにくいのではと「素人なり」に判断し、内側はグラインダーで削ってもらいました。砂の生型鋳造なので鏡面まで平らにするのは難しいとのことであり、大きな凸凹を除去する程度の削りになりました。(実際は型に凸があったので、内側には微かな凹みも生じています)

 

基本的には型枠から出して湯道とバリを取るのみで手を加えたくなかったので、ほとんど削っていません。ただ講師の方から、縁はしっかりとバリを取っておかないと口を付けたときに唇を切る可能性もあるとのことで、水紙やすりでちゃんと除去しておきました。それでも6名の内、私が一番目に作業を終えましたw(30分ほど早かったw)

他の5名は錫製品のイメージが強いのか、懸命に表面(外も内も)を鏡面を目指してグラインダーやヤスリなどを駆使して頑張っておられましたw(世間一般で流通している錫製品には程遠いですが・・・)

私のぐい呑みは流し込みが遅かったため、縁の一部が凹んでおり、そして砂地感を残すために全くヤスリやヘラでの磨きをしていないので、野暮ったい感じのぐい呑みになりました。(内側だけグラインダーで軽く削っていますがw)

これが戦国時代なら布に包んで懐に忍ばせておき、酒席でさりげなく出してお酒を頂く・・・的なイメージw

 

今回は鉄道とは全く関係のないブログになりましたが、なかなか楽しめた講座であり、他にも青銅を使ったランプシェードや表札作りなどの講座も紹介がありました。ただ毎週土曜日の6回講座とのことであり・・・仕事は土日祝は休みですが、突発的に予定が入ることもあり、ちょっと今の状況では参加しづらい・・面白そうなのですが・・

また旧田中家鋳物資料館ではものづくり以外に主屋のかまどを使ってご飯を炊く体験もあるようで、こちらには参加してみたいなと思いましたw

完成した「素朴で素人っぽいぐい呑み」を使って清酒を楽しみたいと思いますw

でわでわ

 

色々と錫製の酒器は存在し工芸品なので、なめらかな出来になっています。さすがに「つぶつぶ」「ぼこぼこ」なものはありませんねw