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2023.10.13

品川から堀ノ内行が走る。

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京急1000形 1613編成
2023.3.30/青物横丁

▲青物横丁を発着する普通堀ノ内行。堀ノ内の行先にダイヤ乱れでも起きているのかと錯覚させられそうになるが、2022年11月ダイヤ改正で設定されたれっきとした定期列車である
  • [平日]2124 普通堀ノ内
  • 始発:品 川2120 → 終着:久里浜工場信号所----
  • ダイヤ:2022.11.26改正
  • 備考:堀ノ内から回送

京急線で2022年11月に実施されたダイヤ改正は、京急自ら「23年ぶりの大幅ダイヤ改正」と表現するほど大きなものであった。日中時間帯の運行パターンの変更については以前の記事でもその内容をお伝えしたとおりだが、朝や夜間においてはアフターコロナの人流に合わせた輸送力の適正化を実施。編成両数の変更だけでなく列車自体の運転取り止めも行われた。

そうした多くの変化がある中で登場したのが、今回ご紹介する2124普通堀ノ内行である。平日夜間に1本だけ出現する珍列車となっている。

2124堀ノ内行の最大の特徴は、品川始発ということだ。京急本線と久里浜線の分岐駅である堀ノ内を行先とする列車は、下り方から運転されるものは何本かの設定があるが、品川からの列車となると極めて異例。手元にある時刻表をめくってみても、品川始発の堀ノ内行は少なくともここ25年は設定された実績がない。はたして前例はあるのだろうか?

どうして2124堀ノ内行は登場したのか。その背景は、同改正で実施された夜間時間帯の輸送力調整にある。2124は、ダイヤ改正以前は2132浦賀行として運転していた列車だった。この2132、堀ノ内で後続の特急三崎口行(2218C)と快特京急久里浜行(2158SH)の2本の接続を受けて浦賀方へ向かうのだが、2218Cと2158SHは堀ノ内→京急久里浜で約3分差の続行運転となっていた。ダイヤ改正では、ここの部分にメスが入った。

ダイヤ改正で2218Cは浦賀行となり、堀ノ内で2158SH改め2152SHと接続するように変更。続行運転の解消が図られた。行き場を失った2132浦賀行は、堀ノ内以南へのお客さまを2218Cと2152SHに任せることとし、いさぎよく同駅で営業運転を打ち止め。かくして、2132改め2124は堀ノ内行となった。

冒頭の写真は青物横丁で撮影したものだが、東京都内で見る堀ノ内の行先は実に新鮮であった。列車の存在を知らなければ、ダイヤ乱れが発生しているのかと思ってしまう人もいることだろう。なお、品川方では堀ノ内行とあまりに縁がなさすぎて、駅の自動放送が対応していないところが一部にある模様である。

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