中国遠征2023(1日目/錦川鉄道&スカイレール)

今回はタイトルにもある通り中国方面へ遠征しました。
なお、中国と言っても中華人民共和国ではなくて中国地方という意味ですw
毎度恒例ですが、1日分を1記事として分割してお届けしていきますので、この記事は遠征のうちの1日目のレポートとなります。
なお、時系列としては「ドリーム岡山・広島号」の続きとなります。

今回の遠征の概要

まず最初に今回の遠征全体の概要を概説しておきます。
今回の遠征を決めた理由としては大きく3つありまして、まず一番は「奥出雲おろち号」の引退です。
こちらは2023年11月23日にラストランを迎えることが発表済みであり、さよなら乗車をしようというのがこの遠征を決めたきっかけでした。
2番目は「スカイレール」の廃止であり、2024年4月末に廃止されることが発表されており、これのさよなら乗車も同じ方面ということでまとめてやってしまうことにしました。
3番目は381系の引退が近いことであり、国内最後の381系を使って運行する「やくも」に乗るというものです。
この3つのネタを中心に他のネタも取り入れつつ4泊5日の行程にまとめました。
現地への往復は夜行バスだったので、それを入れると実質4泊7日と言えますが、活動をするのはそのうちの5日間なので、記事は全5回でのお届けとなります。

1日目の行程

それでは初日となる今日の行程の説明です。
夜行バス「ドリーム岡山・広島号」で広島バスセンターに降り立ったところから始まり、まずは”いわくにバス”の高速バスで岩国へ向かい、錦川鉄道を1往復乗車したら山陽本線で瀬野へ向かい、付近にあるみどり口駅より「スカイレール」に乗車しつつ、沿線での撮影なんかもこなします。
あとは普通列車でひたすら東進し、岡山まで行って宿泊してゴールです。

まずは「いわくにバス」で岩国へ

それでは早速レポートに入っていきましょう。
「ドリーム岡山・広島号」で広島バスセンターにやってきた私は、ここからは「いわくにバス」の高速バスに乗り継いで岩国へ向かいます。
結局岩国を目指すならば最初から岩国で降りられるバスもあったのでそれを利用する手もあったんですが、値段的には広島乗り継ぎの方が安かったのと、「いわくにバス」も乗ったことがなかったのでこの機会に乗ってみようということで決めました。


路線図を撮ってみましたが路線網がすごいですね。
広島の市内交通として路面電車もありますが、郊外との往来は路線バスが中心となるようです。


乗り場は11箇所もありまして、方面ごとに分けられているようです。


券売機もありました。
広島では”PASPY”というご当地のICカード乗車券が導入されており、これはSuicaなどとの全国相互利用も出来るため、Suicaでも大丈夫なんですが、現金派の人も事前に乗車券を買うことでスムーズな乗車が可能です。


私もSuicaを持っていたもののきっぷを買ってみました。
バスだと持ち帰りができない可能性が高いのでこうして写真に撮ってきました。


発車標もありました。
松江や浜田、益田、米子といった山陰方面の路線が多いですが、広島って鉄道網は東西方向に偏っていて、山陰方面へ向かう鉄道は木次線くらいとなっており、それもローカル線であり都市間輸送の役割はほとんどない状況なので、その分高速バスが発達したんでしょうね。
ちなみに、どうしても鉄道だけで広島から松江や出雲へ向かう場合は、新幹線で岡山へ出てから「やくも」に乗り継ぐのが最速ルートとなるようです。
そんな中で岩国行きは短距離路線と言えますが、岩国市も広島との結び付きが強いものの山口県の都市なので県外路線ということになるんですよね。
鉄道でも同じ山口県内の徳山方面への列車より広島へ向かう列車の方が本数が多いくらいですし、やっぱり岩国って広島というイメージが強いです。


乗り場にやってきました。
オープンエアのバスターミナルなので一般客にとっては騒音や排気ガスに晒される点で好ましくない部分もあるかもしれませんが、バス好きならばバスの姿がよく見えるので嬉しい構造ですね。


私の乗るバスまで少し時間があるので撮りバスします。
こちらは路面電車も走らせている広島電鉄のバスです。
珍しいのは、鉄道系のバス会社は本体の鉄道会社とは分社化されているケースが多い中で、広島電鉄のバス事業は本体が直営という形で運営されています。


同じく広島電鉄のバスですが、こちらは高速バスですね。
広島電鉄は中国地方のバス事業者としては最大規模であり、広島にいればいくらでもその姿を見ることが出来ます。


こちらは広交バスの通称で知られる広島交通です。
未だに方向幕が現役なのがいいですね。


そして、私が乗る岩国行きが出る1番乗り場にやってきました。


うっかりしていて気付けばバスが到着していたので写真はこれしか撮れませんでしたw
1番乗り場は端っこにあるためバスを先頭から撮れる位置には立ち入れないんですよね。

それでは乗車します。
私の他の乗客は10名弱という感じでそれほど混み合ってはいませんでした。
まあ、平日朝の郊外向けと考えればこんなものでしょうね。

ここで「いわくにバス」とこの広島-岩国線について解説を入れておくと、まず「いわくにバス」についてですが、2009年に設立された比較的新しいバス事業者ですが、前身は岩国市交通局であり、財政状況が悪化した岩国市交通局のテコ入れとして岩国市によって設立されました。
ただし、単純に市営バスを民営化したというわけでもなく、当初は一部路線を岩国市交通局から譲受の上で自主運行としたり、岩国市のコミュニティバスの運行を受託するという形であり、岩国市交通局とは併存していたようです。
それが2015年には岩国市交通局が閉鎖されると全路線が「いわくにバス」による運行となり実質的には岩国市交通局を引き継いだバス事業者と言えます。
元々は市営バスということを考えると、高速バスを運行しているのは意外にも思えますよね。
普通に考えれば「いわくにバス」発足後の増収策として運行開始したように思えるものの、意外にも高速バスの運行開始は岩国市交通局時代の事だったようです。

続いてこの高速バスについてですが、運行開始は2005年のことでした。これは前述の通り岩国市交通局時代の話ですが、まずは防長交通により運行が始まり、翌2006年に岩国市交通局も参入すると2社局共同運行の形になりました。この頃は岩国市交通局担当便に限り「錦帯ブルーライナー」の愛称があったようです。
2010年には運行が「いわくにバス」に移管されるなどした他、一時期は防長交通の担当便が岩国から更に先の由宇や周防大島まで運行する便も設定されましたが徐々に縮小し、2017年に防長交通がこの路線から撤退すると岩国より先まで行く便はなくなり、全便が「いわくにバス」による運行となりました。

2023年現在の運行形態ですが、基本パターンは広島バスセンターから岩国市内の日の出町車庫までとなっていて一部便が岩国錦帯橋空港を経由したり、岩国駅で折り返しとなり日の出町車庫まで行かない便もあります。
本数は1時間に1本程度で、通勤需要もあるのか平日の方が本数が多くなります。
運行経路は広島バスセンターを出ると沼田料金所前・大塚駅・広域公園前駅と立ち寄って五日市ICから山陽自動車道に入ると岩国ICまで走行し、岩国市内では岩国インターバスターミナル、関戸、錦帯橋、裁判所、医師会病院、岩国市役所、岩国駅、岩国錦帯橋空港(一部便のみ)、東中学校、日の出町車庫と停車していきます。
なお、平日のみ一部便が大竹インターにも停車しますが、これは朝の広島バスセンター行きと夕方の岩国行きのみとなっているので、パーク・アンド・ライドで広島市内へ通勤する人向けの設定なんでしょうね。
広島市内のルートは他の広島発着の山陰・山口方面の高速バスに準じたものとなっています。

高速バスということでいわゆるクローズドドアシステムが採用されており、広島市内となる広島バスセンター~広域公園前駅間と、岩国市内となる岩国インターバスターミナル~日の出町車庫間のみの利用はできないことになっていますが、岩国錦帯橋空港経由便についてのみ岩国錦帯橋空港~錦帯橋間の相互利用が認められているようです。
こうすることで空港と岩国市内を結ぶリムジンバスとしての役割も果たせるようにしているわけですね。
なお、大竹インターについては大竹市にありますが岩国市内との利用はできず、広島市内との相互利用のみ認められているようです。

乗車レポートに戻りますが、最前列の席に座れましたので・・・


↑前面展望を撮りました。
左側ではなくて右側でしたが、高速バスは客席と運転席の高低差があるおかげでそれでも前面展望を楽しむことが出来ました。

それでは発車です。


バスセンターを出るとスロープを下って一般道に出ていきます。
こういうバスセンターのスロープを進むのってなんだかテンションが上がるの私だけですかねw


広島市内の一般道を走行していきます。
城南通りという通りですが、路面電車の沿線ではないのであまり広島感がないですねw


中広からは広島高速4号線に入っていきます。
そう、実は広島にも都市高速があるんですね。
ただ、他都市のものに比べると都市高速単体でのネットワークというよりは他の自動車専用道路同士を結ぶように断片的に整備されているという感じで、開通済みなのは4号線までですが、更なる新路線も計画中とのことで今後に期待ですね。


広島高速で太田川放水路を渡っていきます。
この太田川放水路は山陽本線や山陽新幹線に乗っていても車窓として印象によく残る存在ですよね。


川を渡ると今度はトンネルです。
その名を「西風トンネル」といい、由来はトンネルの先にある広島西風新都となっています。
そもそもこの路線の名前自体が「広島西風新都線」なんですよね。

このトンネルは全長としては3.9kmと現代のトンネルの相場としては特別長いわけではないですが、広島高速4号線の全長は4.9kmですから路線の大半をこのトンネルが占めていることになります。
仮に広島に都市高速が存在しなかったら「西風トンネル有料道路」とでも名付けられそうな路線ですね。


トンネルを抜けると広島高速4号線も終点となり、沼田料金所が出てきます。
ここからは一般道ですが、そこに「沼田料金所前」というバス停があります。
周囲は山ですが広島市立大学のキャンパスがあるのでその需要を狙って設置されたんでしょうか。


沼田料金所を出るとそのままこの道路に繋がりますが、ここも広島市内だとは信じられないくらい景色が変貌しましたねw


アストラムラインの下を通って大塚駅・広域公園前駅と停車していきます。
アストラムラインも広域公園前駅から広島バスセンター付近にある本通駅・県庁前駅までを結んでいて、高速バスがここまで走ってきた経路と同じに見えますが、アストラムラインは大きく迂回するようなルートなので、高速バスがここまで15分程度で走ってきたのに対して、アストラムラインは35分~40分程度を要していますから、広域公園前駅から広島市中心部へはアストラムラインで行くのは遠回りですね。
なお、高速バス以外にも広域公園前駅から広島バスセンターへ広島高速4号線経由の路線バスがあるので、ショートカット目的でバスを利用することも可能です。


広域公園前駅です。
ここで1名だけ乗ってきましたが、この周辺の住民の方だったのかアストラムラインから乗り継いできたのか・・・


そして、五日市ICからいよいよ高速道路です。
それにしても、どうせ都市高速を作るならば高速道路のインターチェンジに直結させればいいのにと思いますがw


山陽自動車道に入ると岩国ICまではノンストップです。
このあたりの山陽自動車道は海を見ながらの走行になるので、ドライブをしても楽しい道路ですよね。
高速道路というとトンネルを駆使して山の方を通るルートが多いため、海が見えるというのはレアなことだと思います。


山口県に入りました!


岩国ICで山陽道を降ります。


インターを降りてすぐのところに岩国インターバスターミナルがあります。
岩国ICは岩国市の中心部から離れたところにありますが、パーク・アンド・ライドを目的としたバス停のようです。


岩国インターバスターミナルを出ると国道2号を走行していきます。
中国地方最大の幹線国道といえる国道2号も岩国市内はこんなごく普通の2車線道路なんですね。


ごく普通の田舎道という雰囲気ですが、この付近に関戸バス停があります。
他にもバス停はあるのですが、高速バスはそのうちの一部のみ停車という扱いのようです。


トンネルの手前で国道2号を逸れて県道112号藤生停車場錦帯橋線に入ります。
線形的に国道2号の旧道っぽいですね。
高速バスだとわざわざ旧道に入るのは珍しいですが・・・


県道沿いに錦帯橋があるためです。
車窓からもバッチリと見えました。
観光の足として高速バスを使う人もいるのか、ここで降りる人もチラホラといましたね。
広島市内を観光して1泊したあと、高速バスで錦帯橋へ行くというコースもよさそうですよね。


錦帯橋を出ると車窓も市街地となっていき、裁判所・医師会病院・岩国市役所と停車していきます。
住民生活に関係する施設が続きますが、空港利用者を別にすると岩国市内のみの利用はできないので、バス停名にある施設を利用する人向けというよりは、その周辺に住んでいる人をターゲットにしているんでしょうか。

そして、1時間10分ほどの乗車で岩国駅に到着しました。
山陽本線の普通列車だと50分程度なので、それよりは時間がかかっていますが、西風新都地区など駅から遠い地区の人は高速バスが最速となる人もいるんでしょうね。


ここで広島バスセンターでは撮れなかった正面からの写真を撮ります。
水色一色の塗装は自家用バスとかに見えますねw


行先表示は札を吊り下げる方式なんですね。
「いわくにバス」では高速バスは1路線しかやっていないということもあってこれで十分ということなんでしょうかw


後ろから見ると車体に大きく運行区間を書いているんですね。
行先表示器も設置されているのでそれで事足りるはずですが、後ろを走る車のドライバーへのPRも兼ねていそうです。

といったところで、高速バス編は終わりで、あとは錦川鉄道に乗っていきます。

錦川鉄道錦川清流線

ここからは錦川鉄道錦川清流線に乗車します。
記事のタイトルにも入れたので、本日のメインの1つと言ってもいいのですが、タイトルには入れなかった高速バスだけで既に6000字近くを費やしてしまいましたw

錦川鉄道については過去に1度だけ乗車したことがあったものの、ブログ開設後は乗ったことがなかったのと、「スカイレール」だけでは時間が余るので行程に入れました。
また、2025年以降に存廃協議が始まるとの報道が出たのも一因ですね。
存廃協議=廃線とは限らないものの、地方交通を取り巻く環境を考えると乗れる機会があるならば乗っておくべきですしね。

ここで錦川鉄道について解説しておきます。
錦川鉄道は川西駅~錦町駅間の錦川清流線を運営する第三セクター鉄道であり、国鉄岩日線を引き継いだ路線となっています。
その岩日線は岩国と日原を結ぶことを目指して建設されていましたが、錦町まで開通したところで延伸は止まってしまいました。
錦川鉄道は地方鉄道の例に漏れず、開業以来黒字を計上したことがないそうですが、沿線住民や自治体のマイレール意識の高さや、鉄道以外の事業での収入も多いことから存廃問題はあまり浮上していなかったのですが、2017年度以降は1億円の赤字が続いており、2025年以降の存廃協議という話になってしまったようです。
とはいえ、マイレール意識の高さを考えれば存続という方向で話が進むことを期待したいところです。

錦川清流線についてですが、運行形態としては全列車がJR岩徳線に直通し、岩国駅発着で運行されており、また途中駅での折返しもないため、全列車が岩国駅~錦町駅間での運行となっています。
車両としては主力はNT3000形という新潟トランシス製の気動車が使用されていますが、JR東日本よりキハ40系を1両購入しており、この2車種が活躍中です。


それではレポートに戻りまして、岩国駅に向かいます。
2年ほど前に18きっぷで移動した時に立ち寄って以来の岩国駅ですが、流石に2年程度では変化はなさそうです。


というわけで錦川鉄道関係に絞って紹介していくと、まずは発車標ですね。
川西駅までは岩徳線を走るので、岩徳線と並んで案内されていますが、ちゃんと別々に案内されています。


錦川鉄道はこの0番乗り場から発車です。
川西駅までは岩徳線なので、その区間はJRのきっぷでも乗れるわけで、改札を分離するといったことはしていないようですね。


岩徳線のキハ40系の姿もありました。
これで錦川鉄道のキハ40系と並んだりしたら熱いですが・・・


待っていたのは主力のNT3000形でした。
そう簡単にキハ40系を引けるほど世間は甘くないですよねw


駅名標ですが、岩徳線の専用となっていて、隣の駅は西岩国駅のみ記載されています。


縦型も忘れずに


車内に乗り込みますが、ローカル線にしては贅沢な転換クロスシートとなっていました。
錦川清流線は錦川沿いに走る区間が多く車窓に定評があるため、車窓を楽しみやすい転換クロスシートなのは嬉しいですね。


運賃表ですが、錦川鉄道では青春18きっぷが使えないといいう注意書きがありました。
JR線と直通しているので勘違いして18きっぷでそのまま乗り越してしまう人もいるんでしょうね。
ちなみに、岩国~川西間の岩徳線区間だけ乗車する場合は、たとえ錦川鉄道の車両であってもJRの列車という扱いになるため、青春18きっぷでも乗車可能です。

あとは発車を待つだけですが、思っていた以上に利用者が少ないですね。
私の他には同じく鉄道ファンっぽい方が1名いただけで、あとは発車間際に地元の方っぽい人が数名乗り込んできて4~5名程度の乗車で発車となりました。


↑そうそう、流れからして当然ですが車窓を撮りました。
錦川が見える進行右側ですのでぜひご覧下さい。


岩国駅を出るとすぐに岩国城が見えてきます。
アクセスは錦帯橋からロープウェイに乗っていくのですが、山の上にあるために遠くからでも見えるんですね。


錦川を渡ります。
ここから先は錦町まで多くの区間でこの錦川に沿って走っていきます。


川西駅からはいよいよ錦川鉄道ですが、0キロポストがありました。


そんな川西駅の近くには今話題のあのお店がw


錦川鉄道に入ってすぐに山陽新幹線の高架が見えてきます。


その交点付近には「清流新岩国駅」という駅があります。
駅名の通り、山陽新幹線の新岩国駅と接続する駅となっています。
つまりは錦川鉄道は新幹線との接続という役割も持っているわけですが、この駅についてはやや特殊なケースとなっており、それは駅自体は国鉄時代から存在したのですが、先に岩日線(現在の錦川鉄道)の駅が御庄駅として設置され、後から同じ地点に山陽新幹線の新岩国駅が設置されました。
当初から隣接していて、乗り換えも可能だったんですが、普通だったら御庄駅を新岩国駅と改名して同一扱いにするところ、何故かそうはならず、ほぼ同一地点にありながら新岩国駅と御庄駅という2つの駅が別々に存在する事態となったのです。
そのために岩日線経由で新岩国駅を利用しても、別駅扱いになっているせいで運賃を通算できないといった不便もあったようですが、そうしていた理由として、国鉄時代から岩日線は利用者が少なく国鉄としては廃止の可能性もあったために、新幹線と接続する路線としてしまうと廃止しにくくなるからという説も、鉄道紀行作家として名高い宮脇俊三氏は言っているそうです。

そして、錦川鉄道に転換された後も御庄駅のままで、新岩国駅に隣接していることが分かりにくい状態が続いていましたが、2013年には新岩国駅との接続点であることを分かりやすくするために、現在の清流新岩国駅と改名されました。


貨車駅舎が残っていましたが、こちらは御庄駅の名前が残っていました。


そして、いよいよお待ちかねの錦川が見えてきました!


川の蛇行に付き合うようにくねくねした線形が続きますが、高規格に建設されていたらこの車窓は楽しめなかったでしょうしね。


そんな川の畔にあったこの駅ですが、「清流みはらし駅」という駅です。
錦川に沿った線路上に設けられた駅ですが、ホームは川にせりだしており、かつ一般道へ通じる道も通じていないため、列車でのみ到達可能な駅となっています。
しかも、2019年に開業したばかりの新しい駅なんですが、わざわざ秘境駅を新たに設置した理由は「川を眺める」ためです。
ただし、停車するのはイベント列車のみとなっていて、一般の列車は停車しないため訪問難易度の高い駅となっています。


駅名標もありました。
今回は通過するだけでしたが、いつか降りてみたいですね。


これは「長走潜水橋」という橋だそうですが、豪雨災害で流されてしまったんだとか。
2022年9月の台風被害で流れてしまったそうですが、1年を経ってこの状態ってことはもう復旧はされないんですかね。


そして、終点の錦町駅に到着です。
ホームは1面1線とシンプルですが、車両基地があるため構内はそこそこ広いです。


車庫にいたのは噂のキハ40系でした。
こちらも乗ってみたいですが、それはまたの機会ですね。


駅名標ですが、錦鯉のイラストが印象的です。
軽く調べた限りでは特に錦鯉が有名というわけではなさそうでしたが、単に錦町という地名からの連想でしょうかw


ホームは国鉄時代の名残か有効長が長いですね。
もし日原まで全線開通できていたら広島と益田や浜田を結ぶ急行が走ったりしていたかもしれません。


待合室はなかなか広々としていました。


駅名標風の看板ですが、メッセージになっていました。

腕木式信号機もありました。


駅舎は階段を降りた先にあるようです。


改札口は昔ながらのラッチスタイルです。


外側から


こうやって発車時刻を案内しているのも国鉄チックです。


錦川鉄道の沿線はマイレール意識が高いと書きましたが、こんな看板がありました。
このマイレール意識で存廃協議も存続の方向でまとまるといいのですが・・・


待合室はちょっとした売店みたいになっていました。
なんと「獺祭」も売っていましたが、そういえば山口県のお酒でしたね。
1度飲んだことがあり美味しかった記憶がありますが、ここで買って行ってもここから先の活動を考えると荷物を増やすのは得策ではないと判断して今回は見送りました。
でも、小さなカップで売っていたら買ったでしょうねw


オオサンショウウオと書かれたゆるキャラもいましたw


あと、錦鯉(多分)もいましたw


最後に駅舎です。

あと、ついでなので触れますと、当駅からは「とことこトレイン」という乗り物が出ていて、これは岩日線のうち、開業に至らなかった錦町駅以北の区間も路盤が完成していた区間もあったことからこれを活用して電気自動車を走らせているものです。
レールは敷かれていないので鉄道とは言えませんが、未成線の路盤を走行できる体験は貴重ですし、前々から乗ってみたいとは思っているんですが、この日は運行がない日だったためまたの機会ということで・・・

また、岩国市生活交通バスという路線バスが当駅から何路線か出ており、そのうちの六日市線が計画されていた岩日線のルートを踏襲しており、県境を越えた島根県鹿足郡吉賀町の六日市駅まで走っています。
結局鉄道としては開通しなかったものの”駅”と呼ばれているのはなんかいいですね。
更にその六日市駅からは六日市交通というバスが出ており、それに乗れば日原駅まで行けるため、岩日線のルートを公共交通機関で辿ることも出来るようです。
いつかそのルートも体験してみたいです。

それでは再び錦川鉄道で岩国へ引き返します。


↑復路も車窓を撮りました。
今度は錦川は見えない方ですが、その代わり滝が見える箇所があるようです。

復路は意外と乗車率が高くて驚きました。
それも観光客は乗り鉄風の人が多いので、もっと早い時間の列車でやってきて錦町周辺を見物してから引き返した人たちでしょうか。


岩国に戻ってきました。


そういえば、駅にも錦帯橋の模型がありました。
やっぱり岩国を代表する名所ですよね。

山陽本線で瀬野へ向かう

ここからは山陽本線に乗って「スカイレール」が出る瀬野駅まで向かいます。


待っていたのは227系でした。
かつては國鐵廣島と呼ばれたこの地区も、227系投入で国鉄型は姿を消して、今や「JRひろしま」にアップデートされましたね。


↑山陽本線でも車窓を撮りました。
瀬戸内海や宮島も見えるので是非!


山陽道でも海が見えましたが、山陽本線の方がよく見えますね。


広島駅で途中下車して向かったのはお好み焼きの名店「みっちゃん」でした。
朝に広島バスセンターでパンを食べて以来の飲まず食わずでしたし、せっかく広島に来たのだからお好み焼きは外せないと途中下車してまで食べに来たわけです。


美味しく頂きまして英気を養ったら、後半戦ということでここからは瀬野駅へ向かっていよいよ「スカイレール」です。

「スカイレール」さよなら乗車

というわけで、スカイレールとの乗り継ぎ駅となる瀬野駅にやってきました。


広島から揺られていた227系です。


↑発車は動画でどうぞ


駅名標です。
鉄道ファン界隈では「セノハチ」で有名な駅ですよね。
その「セノハチ」が何なのかというと、この瀬野駅と隣の八本松駅の間の1区間を指し示す通称でして、この区間に急勾配があることからそのように呼ばれています。

似たような例として、かつての信越本線の横川~軽井沢間が「ヨコカル」と呼ばれていたりしますね。
そのヨコカルの方は既に廃止されていますが、国鉄→JRグループで最大の勾配となる66.7パーミルの勾配があったことや「峠のシェルパ」と呼ばれたEF63形の活躍の場だったことでも有名です。

「セノハチ」については最大勾配は22.6パーミルと「ヨコカル」に比べると大したことがないようにも思えるものの、貨物列車にとっては今でも難所であり、この区間を通る貨物列車には補助機関車を連結する必要があります。
また、2002年までは走行中に補助機関車を切り離すという運用をしていたことでも知られていて、鉄道ファンの間では名物のように扱われていました。
客車列車が主流の時代には坂を登ることになる上り列車は優等列車であっても当駅に停車して補助機関車を連結していた上、当時はドアも手動だったために運転停車の概念もなく乗り降りも可能だったんだとか。
瀬野駅の利用者数からすれば上りだけとはいえ急行や特急まで乗れてしまうなんて、峠の麓に位置するという立地条件ゆえの特権ですね。

その他、227系に統一される以前はセノハチを越える列車には必ず勾配線区向けの115系が使用され、平坦線向けの113系103系は瀬野駅以西の運用に限られていたなど、旅客輸送の面でもある種の障壁となっていました。

当駅から先の八本松駅方面は東広島市となることや、瀬野~八本松間は1区間で10.6kmもあることから、山陽本線に乗車すれば今でもセノハチは境界という感じはしますね。


縦型も忘れずに


かつて存在した瀬野機関区についての看板がありました。
この瀬野機関区はセノハチを越える列車のための補助機関車が配置されていました。
時代が進み旅客列車では基本的に補助機関車が不要になったことや、山陽新幹線の開業でセノハチを越える列車自体が減ったこともあって1985年には広島機関区瀬野派出所に格下げされ、1986年には広島機関区に統廃合される形で消滅し、残っていた線路も瀬野駅の橋上駅舎化で撤去されました。


ホームは2面4線となかなかの規模です。
かつて当駅で補助機関車の連結などをしていた名残とも言えますが、当駅は広島市内の山陽本線の駅としては最東端に位置しており、本数は少ないですが当駅折返しの列車も設定されていますからそういう役割でもこの構造は活かされていると言えるでしょうか。


↑そこへちょうど貨物列車の通過です。
先頭だけでなくて最後尾にも機関車が付いているのが分かると思いますが、これが補助機関車です。
セノハチならではの光景も見られてよかったです。


こちらは活動の時系列としては「スカイレール」の取材を終えてから撮ったので、夕暮れの中の写真となっていますが、瀬野駅の南口です。
よくある橋上駅舎ですが、時計台がオシャレですね。


そこへやってきたのは芸陽バスです。
現在は広電グループに属しており、広島電鉄の子会社となっているバス事業者ですが、本社は東広島市の西条にあり東広島市・三原市などを中心に広島市などへも路線を広げています。
ちなみに、以前に「スカイレール」に乗りに来た時は、広島バスセンターから芸陽バスで当駅までやってきました。
もう15年くらいは前の話ですけどねw


目の前を通るのは国道2号です。
いわくにバスに乗っても通りましたが、中国地方を代表する国道だけに今回は何かと縁がありますね。
ちなみに、2023年3月、つまりつい半年ほど前にはこの区間のバイパスとなる「東広島バイパス」が開通しており、通過交通はほとんどそちらに移行したと考えられるため、交通量はそれほどありませんでした。
国道2号にとってのセノハチ区間はカーブの多い難所となっており、バイパス開通前は慢性的に渋滞が発生していたそうです。


続いて北口です。
こちら側にスカイレールの駅があります。
この一帯はかつての瀬野機関区の跡地なんだそうで、スカイレールの駅も瀬野機関区だった場所にあります。
役目を終えた鉄道用地が、また別の鉄道のために転用されるなんて面白いですね。


駅前にあったこちら、一見するとバス停みたいですが、「ジャンボタクシー」と書いてありますね。
ちなみに、当駅を発着する路線バスは南口側にある国道2号経由のものだけみたいなので、北口発着のバスはないようです。


よく見ると時刻表が貼ってあって、ますますバスっぽいですが、実はこの「ジャンボタクシー」というのは「スカイレール」の最終が出た後に設定されていて、いわば深夜バス的な役割を持っているようです。
「スカイレール」の最終は22時10分と広島市内の路線と考えると早いんですが、山陽本線の最終電車が瀬野駅に着くのが0時23分であり、最終の「ジャンボタクシー」が0時35分となっており、JRの終電で帰ってきた人もカバーしているようです。
こうした役割のため、実態は乗合タクシーであり、運賃も大人340円、子供180円と定額になっていて、「スカイレール」の定期券を持っている人は大人170円、子供90円で乗車可能となっており、「スカイレール」の代替として位置づけられていることがよく分かります。

ただし、利用できるのは瀬野駅からスカイレールタウンみどり坂方面へのみであり、逆は利用できないため、例えば広島から夜遅くに出る夜行バスに乗るとか、夜勤をしている方などで夜遅くに瀬野駅に行きたいとなると「スカイレール」の最終に間に合わなければ歩くかタクシーかということになります。


そして、こちらが「スカイレール」の駅です。
JRは瀬野駅と名乗っていますが、「スカイレール」は”みどり口駅”と名乗っており、駅名が異なっています。

ここで「スカイレール」について解説を入れておきましょう。
「スカイレール」は瀬野駅前にある”みどり口駅”と「スカイレールタウンみどり坂」という住宅団地内にある”みどり中央駅”の間の1.3kmを結ぶ路線となっていて、正式名称は「広島短距離交通瀬野線」といいますが、「スカイレールみどり坂線」の愛称がある他、一般的には「スカイレール」と呼ばれることが多いようです。

距離こそ1.3kmと短いですが、その高低差は160mにもなり、平均勾配では123パーミルほどとなり、普通鉄道としては国内最大となる箱根登山鉄道の80パーミルを”平均”で既に越えてしまっています。
最大勾配となると263パーミルにもなり、角度にして約15度の勾配があるなど、急勾配を登り降りする路線となっていて、距離だけ見れば歩いても行けるそうなくらいですが、勾配を考慮すると徒歩ではしんどいということで、この路線が整備されたようです。

特徴的なのは「スカイレール」というシステムそのものであり、これはロープウェイとモノレールの折衷といってもいいようなものになっていて、鋼鉄製の軌道にぶら下がって走る姿はモノレールであるものの、車両側に動力はなく、軌道に沿って這わされているケーブルに曳かれて進み、駅構内ではケーブルを離して停車し、発進時はリニアモーターの力で加速し、速度が乗ったらケーブルを掴んで巡航に入るという仕組みになっており、その仕組みはロープウェイをベースにしています。
こうすることで、建設コストが安いが風に弱いロープウェイと、風に強いが建設コストがロープウェイより割高なモノレールのいいとこ取りが出来ました。
これは国内唯一の方式なんですが、このことが仇となり、施設の老朽化で大規模な更新をする必要があるのが、国内唯一であることから量産効果がなくそのコストが高くなってしまうということで、2024年4月末での廃止が発表済みです。
元々は2023年12月末で廃止される予定でしたが、代替交通となるバスの発着場所の整備や関係機関への許認可に遅れが生じたため延期となりました。

路線の概要としてはみどり口駅・みどり中街駅・みどり中央駅の3駅があり、全列車がみどり口駅~みどり中央駅間の運行であり、みどり中街駅で折り返す列車は存在しません。
鉄道扱いなので時刻表も存在しますが、日中は15分に1本程度、ラッシュ時は5分~10分に1本程度の運行となり、運賃は全線均一で大人170円、子供90円となっています。

運営する「スカイレールサービス」という会社は「スカイレール」が走る「スカイレールタウンみどり坂」を開発した積水ハウス・青木あすなろ建設、及び「スカイレール」というシステムを開発した神戸製鋼所・三菱重工業などが出資して設立されており、住宅団地を開発したデベロッパーがアクセス路線となる鉄道にも関与するというのは、他には千葉県の山万ユーカリが丘線の例がありますね。


ホーム部分をアップで
こうしてみるとロープウェイの駅そのものですよね。

ところで、軌道の下に箱状の突起物が付いているのにお気づきかと思いますが、これはリニアモーターです。
「スカイレール」は基本的には曳索と呼ばれるケーブルに曳かれることで進みますが、駅を出る時や到着時の加減速ではいきなりケーブルを掴んだりするとスムーズな加減速ができないため、駅構内のみリニアモーターを設置してこの力で加減速し、駅間の速度が乗るところではケーブルを掴んでその力で進むわけです。


↑ここでちょうど「スカイレール」が発車するところだったので動画を撮りました。
見た目はロープウェイなのに、軌道はモノレールみたいなんて面白いですね。


↑今度はみどり口駅に到着する「スカイレール」も来たのでこれも撮りました。


写真でも撮りました。
ちょうど帰宅時間帯ということで車内は混み合っていますね。


それではみどり口駅に入りましょう。


「スカイレール」を運営する「スカイレールサービス」の本社も併設されているため、看板がありました。


券売機はこんなタイプでした。
定期券と回数券はICカード化されていますが、それ以外の利用者はICカード乗車券で乗車することは出来ず、券売機できっぷを買う必要があります。
ちなみに、定期券限定ながらICカードを採用したのは国内初だったんだそうですよ。


購入した乗車券がこちらです。
QRコード式の乗車券となっており、自動改札に対応するものの一般の磁気券のように改札機に”入れる”というよりは”かざす”ようにして利用します。
この方式は読み取りに時間がかかるため利用者の多い駅での採用には向きませんが、「スカイレール」はそこまで利用者が多くないためかこれで十分なんでしょう。

しかし、磁気券よりも改札機の構造を簡略化出来るなどの点でコスト面に優れていることもあり、近年では沖縄都市モノレール「ゆいレール」でも採用されており、JRグループでも採用が検討されているということで、今後増えていくきっぷの形態かもしれませんね。

なお、QRコード部分は悪用防止の為、念のためではありますがぼかしを入れています。
流石に単純にコピーしただけで不正利用できるような仕組みにはなっていないと思いますけどねw


そして、改札口です。
ぱっと見は普通の自動改札機ですが、磁気券に対応しないことで機構がシンプルな分、スリムな印象ですね。


↑改札を通る様子は動画でどうぞ
やっぱりかざしてから反応するまでタイムラグがあるので、磁気券やICカードに慣れていると違和感はありますね。


スカイレールの仕組みについての掲示物


その2


撮影マナーを呼び掛ける貼り紙もありました。
廃止の発表が出てから鉄道ファンの訪問も増えているでしょうしね。

それではホームへ向かいますが、ホームは階段まで溢れるほどの学生でいっぱいでした。
先程外から眺めたスカイレールも満員でしたし、学生の帰宅ラッシュに当たってしまったようですね。
こんなことなら錦川鉄道とか寄り道しないでまっすぐスカイレールに来ればよかったと軽く後悔もしましたが、流石に反対方向のみどり口行きは空いているでしょうし、取材は復路に期待するとしましょう。


ホームが撮れないので、せめて外の景色を・・・
こうしてみるとモノレールのようでもありますね。


あと、駅名標は押さえておきましょう。


ちょうど対向の「スカイレール」も来たのでこれも撮影しました。
車体はやっぱりロープウェイですよね。


相変わらずホームは学生で溢れていてホームの全景は撮れないので、車輪部分をアップでw
ここを見るとモノレールっぽいし、「スカイレール」って不思議な乗り物ですね。


↑これも見送ります。
もう混雑は仕方ないですが、せめて前面展望は撮りたいということで、ギリギリ乗れそうな余裕はあったもののあえての見送りです。


↑次の「スカイレール」は既に奥で待機しており、すぐに据え付けてきました。
ところで、ここまで「スカイレール」は5分おきくらいに次々と出発していきましたが、時刻表ではこの時間帯はまだ15分おきのはずなんですよね。
恐らくは学生が殺到している状況だったので、臨時便扱いで次々と発車させているんでしょうね。


↑車内から対向の「スカイレール」を撮影です。


↑そして、いよいよ発車ということで、前面展望をどうぞ
なお、車内では学生さんが大声で盛り上がっていたのでBGMを被せてあります。
どのみち「スカイレール」では車内放送は流れないので映像のみお楽しみいただくということでw

そして、5分間の空中散歩を楽しんだら終点のみどり中央駅です。


今度は降りる方向なのですぐに乗客は解散してくれるためホームも撮れました。
全面ホームドアとなっていて撮影するには不利ですが、安全性はバッチリです。


駅名標もありましたが、縦型だけでした。


↑こちらは駅構内を移動させるためのチェーンです。


ホームから見た眺めです。
こうしてみると「スカイレールタウンみどり坂」って山の中にありますね。


↑「スカイレール」の特徴である曳索です。
ロープウェイの場合はこの曳索と、車体を支える支索の2つとなりますが、「スカイレール」では車体を支えるのは鋼鉄製の軌道なのでケーブルは曳索の1本となります。


↑そして、後続の「スカイレール」がやってきました。


奥の終端部です。
ここを見るとやっぱりロープウェイですねw


↑「スカイレール」の折返しシーンです。
スレスレまで資材が置かれていてこの終端部も乗車することが出来たらかなりスリリングな体験ができそうですねw


それではそろそろ駅を出ようと思いますが、「スカイレール」ではきっぷの回収はこんな箱が置いてあるだけでセルフサービスですw
乗車区間に関わらず均一運賃ですし、乗車時の改札さえちゃんとやっていれば集札は適当でいいんでしょうねw
ちなみに、現在のQRコード式のきっぷになる前は普通の磁気券だったようですが、その頃は乗車駅で改札機に投入した時点で回収される仕様であり、乗車中はきっぷを持たずに乗るという仕組みだったようです。
これは東武大師線を西新井駅から乗った場合と同じですね。
以前に乗車した頃はまだ磁気券だったことをおぼろげながら思い出しました。


それでは階段を降りて外へ出ようと思います。


コンコースにはみどり口駅と同様の券売機がありました。
ここで帰りの分のきっぷを買っておきます。
ちなみに、きっぷは出発駅ごとに別々となっていて、往復乗車するからと言ってみどり口駅で2枚買って、それを当駅から使うなんてことは出来ないようです。


まずは駅舎の外観です。
やっぱりロープウェイの駅っぽいですね。


隣にはこんな空き地がありました。


どうやらここが「スカイレール」廃止後の代替バスの発着場所となるようですね。
元々は12月末での廃止予定だったわけで、それだとこの活動が9月末だったことを考えても残り2ヶ月でこの状態だったわけで、延期は必然と言えますね。

ところで、往路で乗った「スカイレール」は学生でいっぱいで、時刻表にない臨時便を出して捌くような状態だったんですが、「スカイレール」の1両あたりの輸送力は定員25人(最大乗員37人)と鉄道としては小さいことを考えても、バスで代替するならかなりの本数を走らせないといけないと思いますが、バス運転士不足が深刻な現代で本数を確保できるんでしょうかね。
老朽化というのは分かりますが、代替バスがちゃんと機能するのかは純粋に心配です。


周辺は「スカイレールタウンみどり坂」となっていて、典型的なニュータウンの景色が広がります。


今度は南側から駅舎を見ます。


近くには「スカイレールサービス」の社用車が停まっていました。
本社はみどり口駅にあるのですが、ここにも社用車があるんですね。

ところで、「スカイレールサービス」という会社についての路線廃止後の処遇については未発表ですが、廃止に合わせて会社も解散となるのか、もしかすると代替バスの運営会社として残る可能性もありますね。
もし「スカイレールサービス」という会社も消えてしまうならば、この社用車の写真も貴重な記録となるかもしれません。


少し階段を降りて駅舎を望遠します。
坂の上にある感じがよく分かるでしょうか?


この付近でしばらく「スカイレール」を撮ろうと思います。


↑もちろん動画も


↑その2


↑その3

周囲が住宅地ということで、カメラを持ってうろつくのは視線が気になることもありましたが、やっぱり他にも撮っている方が結構いたので迷惑にならない範囲で撮らせてもらいました。
それでは駅に戻ります。


改札を入って今度はみどり口まで乗車していきます。


ホームの構造は降車ホームと似たりよったりですね。
予想通りこの時間にみどり口方面へ利用する人は少ないようで、落ち着いて撮影ができそうです。


とはいっても、全面ホームドアなのでホームで撮ってもこんな感じですがw


↑ここで対向の「スカイレール」が入線です。


↑終端部での折返しも撮ったら乗り込みます。


車内ですが、座席はクッション性皆無のこんな座席です。
ロープウェイの座席だと思えばこんなものですが、鉄道車両の座席と考えれば異例ですよね。
まあ、全区間乗っても5分なのでこれで十分なんでしょう。

あと、その配置も変わっていて、ロングシートというと進行方向に対して左右にあるのが相場ですが、「スカイレール」の場合は進行方向に対して前後方向に座席があります。
側面はドアを設ける必要があるのでやむを得なかったんでしょうね。
なので、前面展望を見るためには着席してしまうと後ろを振り向くような姿勢で見ないといけなくなり、前面展望には向かない車両ですね。


でも、鉄道車両扱いなので非常用設備はちゃんとしています。


一見すると優先席を示すステッカーですが、「スカイレール」の場合は1両あたり8席しか座席がないためか優先席というのは設定されておらず、いわば全席が優先席みたいな感じでしょうか。


あと、形式名や諸元も掲示されていました。
ちゃんと形式名も設定されており「200形」というみたいです。
開業以来この200形しか存在していないため、形式名がなくても問題なさそうですがちゃんとあるんですね。


↑それでは復路の前面展望をどうぞ
今度は車内も静かなので走行音もお楽しみ下さい。
前述の通り車内放送はありませんし、車体側に動力がないため静かな走行音ですが、駅を出るときと到着時の加減速ではリニアモーターを使うため、小さな音ですがモーター音が聞こえます。

最高速度は25km/hとゆっくりですが、「スカイレール」ならではの空中散歩は楽しいですね。
実用交通機関ではありますが、アトラクションとして乗るのも楽しいと思います。
5分間の空中散歩を楽しんで”みどり口駅”に戻ってきましたが、これで終わりではありません。
そう、唯一の途中駅であるみどり中街駅も見ていかないといけませんからね。


というわけでみどり口駅に到着したら即階段を降りてUターンですw


みどり中街駅に到着です。
ここは唯一の途中駅ということで、乗車と降車の両方を扱うホームとなるため、改札機と出口が並んでいました。
出口の方はただのゲートであり、きっぷを通さずとも出場可能で、入る方向のみ改札機を通る必要があるみたいです。
片道だけの改札機というのは多分ここだけでは?


駅名標も忘れずに


あと、ここだけこういうタイプの駅名標もありました。
途中駅だから次の駅を明確にする必要があるということなんでしょうか?


↑そうこうする間に次の「スカイレール」がやってきました。
ちょうど上下がすれ違うタイミングだったらしく、立て続けに対向の「スカイレール」も来ました。


それでは外へ出るとしましょう。


みどり中央駅方面の軌道です。
水平部分と勾配部分の境界がよく見えます。


駅周辺はやっぱり住宅地です。


駅前には公園もありました。


その名も「みどり坂第二公園」というごく普通なネーミングでした。
愛称として「斎敦果(えごのき)公園」というのもあるみたいですが、これは変わった名前ですよね。
調べてみると「えごのき」というのは植物の名前だそうですが、あまり馴染みがない植物ですよね。


そして、駅舎です。
ちょうど斜面の真上に位置しており、南側は低く、北側は高くなっています。
なので、南側から利用する場合はホームへ行くのに階段がありますが、北側はそのままホームに繋がるという構造です。


「スカイレールタウンみどり坂」の案内図がありました。
それにしても、住宅地の名前にも「スカイレール」と入っているくらいですし、「スカイレール」ありきで作られた街だと思うんですが、ここを住処に選んだ人たちも「スカイレール」があることも大きな決め手だった人もいるでしょうし、「スカイレール」の廃止はそういった人にとっては梯子を外されるようなものではないでしょうかね。
代替でバスが走るとはいえ、本数や所要時間で「スカイレール」に匹敵するものになるとは考えにくいですし、長期的には人口減少や地価低下にも繋がっていきそうです。


軌道も斜面にあるため左右で地面までの高さが異なっています。


ちょうど通りがかった「スカイレール」と急勾配区間

あとはこの付近で「スカイレール」を撮影していきます。


「スカイレール」をアップで


↑というわけで動画をどうぞ


↑その2


↑その3


続いて北側にやってきました。
前述の通り北側はホームへ直結となっていますが、この構造は「スカイレール」の駅では唯一ですね。


みどり中央方面の軌道です。
斜面の上からなのでより高さが近くなり迫力がありますね。


↑もちろん、ここでも「スカイレール」を撮影です。


それでは再び「スカイレール」でみどり口駅へ向かうとしましょう。
ここからなら近いので歩いてもよかったんですが、最後の「スカイレール」を体験しようということで1区間だけ乗ることにしました。


空いていたので車窓を撮りながら行きます。
こうしてみると家々を縫うように走っていて、やっぱりアトラクション感が強いです。


ショージというスーパーが見えました。
日本ではスーパーは地方ごとに地場のものがあって、それもまた旅の楽しみだったりしますw


眼下に瀬野駅が見えてきました。
このアングルで駅を見られるのは「スカイレール」からだけでしょうし、「スカイレール」がなくなってしまったらこのアングルは見納めですね。


↑到着後、引き上げる様子を動画で


↑最後に到着する「スカイレール」をホームで撮ったらこれにて「スカイレール」編は以上です。

国内唯一の乗り物の廃止は残念ですが、廃止まではまだ半年弱はあるので、まだ乗ったことがないという方は是非!
これにて活動としては終了ですが、翌日の行程の都合上、今日中に岡山へ行く必要があるため、ここからはひたすら岡山への移動となります。

岡山への大移動

既に日没間際となっていますが、ここからは岡山への大移動です。
新幹線を使えばあっという間ですが、今回は節約して普通列車です。
といっても18きっぷが使える時期ではないので、極端に安上がりになるわけではないんですけどねw

瀬野駅からは227系に揺られてまずは三原を目指します。
ここは車内が混んでいたこともあって特段書くこともなく一気に三原へ移動します。


ここで227系を撮影です。


↑そこへ115系がやってきました。


ここまで来ると岡山方面からの列車もやってくるようになり、岡山地区はまだ115系の多くが現役なので國鐵岡山はまだもう少し見られそうです。
ただし、これに乗るわけではありません。
実はこのまま岡山へ向かうと到着は夜遅くであり、それでは駅周辺の飲食店の多くが閉店済みであり夕飯を食べるのが難しいことが分かり、それならば三原で時間をとって食べてしまおうというわけですね。


タコのイラストの駅名標でした。


↑ここで貨物列車の通過です。


↑貨物列車2本目ですが、今度はEF66が牽引してました。
これはレアなものが撮れました!


それでは一旦外へ出ます。
駅から少し行ったところにイオンがあり、その中にサイゼリアがあったのでそちらを利用しました。
特に名物ではないので写真はなしですw

駅に戻ると山陽本線を進んで岡山までひたすら移動ですが、ここも特にネタはなかったので割愛!w


↑岡山に到着したら115系の発車を撮りました。


そこへいたのは227系でした。
広島地区では既にこれで統一と言っていいほど数が増えていますが、岡山ではまだ少数派のようですね。

ところで、岡山地区の227系は「Urara」の愛称があるんですが、デザインにピンクが入っていて、「ウララ」でピンクと来たらあのウマ娘しか思い浮かばないw
偶然だとは思いますが、残念ながらこの「Urara」は高知へは行きませんw

あとは駅を出て宿へ向かおうと思ったんですが・・・


もうすぐ「サンライズ」の時間だったことに気付き、これを撮ってから撤収することにしました。


↑入線シーンです。
先に「サンライズ瀬戸」が入線し、あとから「サンライズ出雲」がやってきて連結という流れになります。


夜の寝台特急はやっぱり映えますね。

このあとは「サンライズ出雲」が来てから連結となるのですが、連結作業は以前に「サンライズ瀬戸」に乗ったときに撮影しているので、これは見送って・・・


↑繋がって14両になった「サンライズ」の発車を撮ることにしました。
ただ、ここに来て急に大雨が降り出した上に、先頭部が撮れるホーム端は屋根がないと来て、これは撮るならば濡れる覚悟が必要です。
一応折り畳み傘も持っていたんですが、撮影の間の数分だけならまあいいかと傘もささずに撮影を敢行したのですが、何故か時間になっても発車せず、かといっていつ動くか分からない以上、屋根のある場所で待つということも出来ず、傘を出すために荷物をいじっている間に動いても困るというわけで、雨に打たれながら撮る羽目になりましたw
非防水のデジカメはしまって、防水仕様のスマホで撮ったので機材が壊れる心配はなかったものの、おかげでずぶ濡れになってしまいましたw

それではようやく撤収ですが、今宵の宿というのはホテルではなくてネットカフェです。
県庁所在地にして中国地方屈指のターミナル駅の岡山駅周辺ならホテルの選択肢もたくさんあったんですが、夜遅くに到着する上に翌朝は始発列車の利用であり朝早いのでホテルはもったいない気がしてネットカフェにしました。

というわけでこれにて1日目は終了です。
2日目以降は別記事として追ってレポートしますので、公開までしばらくお待ち下さい。

つづく

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つばめ501号(管理人) について

関東を拠点に鉄道旅行を楽しんでいます。また、写真撮影や走行音の録音もしています。 サイトの方ではそれら写真や録音も公開していますのでぜひご覧ください。
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