続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

北海道医療大学駅改称へ

 北海道当別町にある私立の北海道医療大学が2028年度を目途に北広島市に移転することを発表しました。場所はプロ野球日本ハムの本拠地の「エスコンフィールド北海道」がある「Fビレッジ」とのことです。

エスコンフィールド北海道 2023/3/24

 北海道医療大学は札沼(学園都市)線・北海道医療大学駅の真ん前にあります。札幌駅から一本ですが50分程度かかります。札幌市内からの不便さに加え、少子化や近隣の競合校新設の影響で2014年をピークに志願者数が4割以上減っていました。そこで交通の便がいい北広島市に移転するという起死回生策に打って出ました。

 これはボールパークを核とする街づくりを目指すFビレッジが北海道医療大学の運営法人に打診して実現したんだそうです。今は北広島駅からFビレッジまでは徒歩で25分ほどかかりますが、移転が完了する頃にはすぐ近くに新駅を設置される予定でアクセスは大きく改善する見込みです。

改修前の北海道医療大学駅 2020/2/22

 黙っていられないのが逃げられる側の当別町です。町は2020年5月の札沼線の末端区間(北海道医療大学~新十津川間)の廃止に先駆けて北海道医療大学駅の改修工事やバスターミナル・駐車場の整備事業を行ったばかりでした。グラウンドと薬草園は当別町に残すそうですが、全学部のキャンパスや歯科診療所は北広島市に移転するので、当別町への学生や教職員の通勤通学者は大きく減ることになります。

 当別町は移転撤回を求める要望書を大学に出しましたが、大学も志願者の減少という自らの死活問題に瀕しているため受け入れられるものではなく、表面化してから割とあっさり北広島市への移転が決定してしまいました。

北海道医療大学駅駅名標(新十津川廃止前) 2020/2/22

北海道医療大学行きの列車 2021/11/19

 北海道医療大学の移転は学園都市線にも影響しそうです。昨日(10月12日)のJR北海道の定例社長会見で、混乱を防ぐため北海道医療大学が移転するタイミングで北海道医療大学駅は改称する方針を明言しました。

 一方で利用客の激減が見込まれる北海道医療大学駅の廃止やそれに伴う当別~北海道医療大学間の路線の短縮については明言を避けました。電化区間の廃止は線路や踏切だけでなく電化設備の撤去も必要になるので撤去工事に相当の費用がかかりそうですし、当別町も駅や周辺の整備をした以上は当然存続を求めると思われます。おそらく減便はあるものの消極的現状維持になるのではないかと予想しています。

北海道医療大学駅に停車中のディーゼルカー 2020/2/22

廃線によって行き止まりになった北海道医療大学駅 2022/2/20

 北海道医療大学はかつては東日本学園大学と称していました。駅は東日本学園大学の請願により1981年に大学前仮乗降場として開業しました。その後駅に昇格し1995年の大学名の改称に伴って駅名も合わせる形で現在の北海道医療大学駅となりました。2020年5月の札沼線の末端区間の廃止に伴って中間駅から終着駅になっています。

北海道医療大学駅改札 2020/2/22

 駅は開業以来無人駅です。過去に簡易委託をやっていたという記録もなさげでした。現在は簡易券売機とICカード対応の自動改札機があるのみです。

簡易券売機のきっぷ

 簡易券売機は金額式のエドモンソン券を発売しています。特段面白みはないですが駅名が長いため2列に表記されています。

マルス券

 マルス券はちょっと面白い表記になります。北海道医療大学の「北海道」は普通のフォントですが「医療大学」のフォントを小さくして無理やり一行に収めています。長い駅名はフォントを小さくして二段にしたり、駅名全体のフォントを小さくしたりして収めますがこういう表記は珍しいです。今さらながら総販券がどんな表記だったのか気になります。

「一日散歩きっぷ」の北海道医療大学駅の表記

 北海道医療大学駅がどんな駅名に改称されるか今から想像もつきませんが、4年半後にはなくなるであろう駅名なので少しずつ記録しておこうかなと思っています。