交通解説ブログ uwemaの日記

<2023年最新>東海道・山陽新幹線の最新鋭車両、N700S系の解説(Wi-Fi・普通車座席・コンセントなど)

<注意>

この記事はN700S系の普通車を紹介する記事です。

グリーン車の解説は別の記事で書いていますので、よろしければ御覧ください。

uwema.hatenablog.com

 

目次

aboutN700S

N700S系は、東海道・山陽新幹線の最新型車両として、2020年にデビューしました。N700Sの「S」は、最高を意味するsupreme(シュプリーム)の頭文字です。

その名の通り、1964年の開業から半世紀以上日本の大動脈として走り続けてきた新幹線の最新技術を惜しみなく投入した最高峰の車両です。

開発はJR東海が単独で行い、JR西日本は車両を購入するのみとなりました。

前任者のN700A系との違いは明確で、まず全席にコンセントが設置されたり、停電時に自走できるバッテリーを搭載したり、様々な意匠が変更されていたりします。

今回は、そんな最新鋭車両に乗車する機会を得ましたので、写真大量で普通車の様子などを紹介していきます。

編成表

以下のWEBページを御覧ください。

railway.jr-central.co.jp

運用

どの列車がN700Sで運行されるか気になる方のために、運用の話をします。まず、

  1. 毎日N700Sで運行される列車
  2. 当日運用が判明する列車

に分類されます。もし数週間前から乗車の予定を立てていて、絶対N700Sに乗りたい方は1を選択する必要があります。

当日急遽乗車する際は1と2、どちらを選んでも構いません。

JR東海のHPで1番と2番に分けて発表されています。ぜひ御覧ください。

railway.jr-central.co.jp

外装

正面

N700Sの外装編成写真

外装

N700Aと明らかに顔の形状が異なっています。前照灯(ライト)のあたりがN700Aでは先端に向けてシュッとしているのに対し、N700Sでは少し盛り上がっています。

また、前部に青のラインがもう一本追加されました。

側面

N700S側面

側面

側面に大きく変更はありません。フルカラーの行き先表示器や号車番号、グリーン車ロゴなどにも変更はありません。変える必要のないところは変えていないということでしょう。そのほうが良いです。

N700Sのロゴ

シュプリームロゴ

しかし、本体側面の車両ロゴは流石に変更されています。N700Aでは「Advance」のAを強調していたのに対し、N700Sでは「Supreme」のSを強調する形になっています。

N700Sの車両番号

車両番号

下部に車両番号が記載されています。横のJRロゴの色でJR東海の車両かJR西日本の車両化を見分けることができます。オレンジなら前者、青色なら後者です。

JR東海保有車両は車内チャイムが「会いにいこう」です。


www.youtube.com

いっぽう、JR西日本保有車両は車内チャイムが「いい日旅立ち・西へ」です。


www.youtube.com

逆に言うとそれぐらいしか差異が存在しません。

内装

デッキ

まず目に入るのがデッキです。通話ができるエリアで、客室とはドアで隔たれています。

デッキ

デッキ

ゴミ箱

ゴミ箱

ゴミ箱

ゴミ箱はデッキにあります。ゴミはゴミ箱へ。全ての号車に設置されています。

洗面所

N700Sの洗面所

洗面所

新型車両ですから当然ですが、清潔でおしゃれな洗面所が設置されています。

トイレ

トイレ

トイレ

トイレも設置されています。洋式です。また、男性専用トイレも設置されています。トイレは奇数号車に設置されています。数はけっこう多いです。

消火器

消火器

消火器

きちんと消火器も設置されています。

防犯カメラ

防犯カメラ

防犯カメラ

最新の車両はほとんど装備している防犯カメラですが、例に漏れずN700Sにも設置されています。

号車番号

号車番号

号車番号

デッキと客室を分けるドアの上部には号車番号が記載されています。

AED

編成中央、8号車(グリーン車)にAEDが設置されています。

喫煙室

全席禁煙ですが、喫煙室3号車・10号車(グリーン車利用者用)・15号車に設置されています。

多目的室

11号車に急病人などに対応できる多目的室が設置されています。

車掌室

16両編成と、非常に長い列車ですので、車両端部はもちろん、8号車にも車掌さんがおられます。

客室

客室全景

前部

普通車

普通車
後部

普通車(後ろから)

普通車(後ろから)

全体的にN700Aよりも青色が濃くなったと言うか、明るい印象を受けます。

情報表示液晶

情報表示液晶

情報表示液晶

車両の前後には行き先や様々な情報を表示する液晶を備えています。N700Sになって、文字が更に鮮明になりました。

トイレランプ・非常停止ボタン

トイレランプ

トイレランプ

トイレの使用状況が光でわかるようになっています。横のボタンは非常停止ボタンで、ボタンを押すと列車は停止します。非常時のみ使用してください。

照明

車内の照明

間接照明

車内の照明は間接照明です。間接照明ですがけっこう明るいです。

フリーWi-Fi

フリーWi-Fi

フリーWi-Fi

フリーWi-Fiが使用できます。実は、N700Sには2つのWi-Fiが存在し、1つはすべての乗客が使用できる「Shinkansen‐Free‐Wi-Fi」ですが、もう一つは7号車と8号車の乗客のみ使用できる「S Wi-Fi for BIz」です。7号車は移動オフィスと化した「S-work車両」で、この車両の乗客向けWi-Fiです。8号車はグリーン車で、その恩恵に預かれるということです。

今回筆者が体験したのは「Shinkansen‐Free‐Wi-Fi」です。速度を計測してみると以下の結果が得られました。

ShinkansenFreeWi-Fiの速度

まあまあの速度

ネットの閲覧なら十分対応できそうです。XやInstagramなども特に遅延を感じることはありませんでした。もっとも、走行位置や接続数によって速度に差異はあるでしょう。今回は、新大阪付近かつ乗客数は1両で両手に収まるほど、場所は編成端部の1号車でした。

座席

従来どおり、普通車は2列+3列の座席配置となっています。かけ心地はよく、長時間の乗車も苦にならないでしょう。

3列席

3列座席

3列座席
2列座席

2列座席

2列座席
車椅子スペース

車椅子のまま乗車できるスペースが11号車に設けられています。

リクライニング

リクライニング

リクライニング

手前が最大の状態、奥が最初の状態です。アームレスト先端のレバーを引くとリクライニングが作動します。

個人の体感では、かなり倒れる感じです。

コンセント

コンセント

コンセント

N700Sの目玉でもある全席コンセントですが、アームレストの先端に設置されています。言われないとわからない場所にあるので、覚えておきましょう。

アームレスト

アームレスト

アームレスト

中央のアームレストは跳ね上げることができます。

背面テーブル

背面テーブル

背面テーブル

全席の後部にテーブルが装備されています。

背面テーブル(展開時)

背面テーブル(展開時)

けっこう大きいです。

上の写真のように、テーブルを展開しても、足はそこまで窮屈ではありません。

最前列のテーブル

最前列のテーブル

最前列のテーブル

最前列座席は、このようなテーブルです。少し縦方向の比率が高くなっています。

最前列のテーブル(展開時)

最前列のテーブル(展開時)
背面ポケット

背面ポケット

背面ポケット

背面テーブルの下には背面ポケットが装備。ちょっとした本などを入れることができます。なお、写真を見ても分かる通り、普通車の座席にフットレストは装備されていません。

側面ミニテーブル

窓枠のミニテーブル

側面ミニテーブル

ペットボトル飲料などを置いておけるミニテーブルが窓枠に固定されています。

枕カバー

枕カバー

枕カバー

白色の枕カバーは布製です。

座席持ち手

持ち手

持ち手

座席を回転するときなどに使う持ち手は球体のような形状で、座席番号などは記載されていません。

座席番号

棚に記載された座席番号

座席番号

座席上部、棚の裏側に座席番号が記載されています。指定席の場合は間違わないようにしましょう。

フック

フック

フック

フックは、座席横と、背面テーブル付近の2箇所が使えます。

窓

新幹線は安全上小型の窓です。窓の上側にカーテンの引手があります。

カーテン

存在を忘れていたので、写真がありません。それぐらい気づかないものです。

棚

座席上部の棚は一般的なものです。取り忘れには十分注意しましょう。

体験した感想

サービスや設備は一流で、さすが世界に誇る新幹線の最新型といったところです。特に、今までもそうでしたが揺れが少なく、静粛で、まさに快適そのものです。前任者からの変化は細かいものが多く、一見わざわざN700Sを選ぶ必要もないような気がしますが、特に全席コンセントなどは、「まさにこれ!」といえる、素晴らしい改良点です。あえてN700Sを選んだとしても、絶対後悔はしない。そのような車両になっています。

久しぶりの新幹線で大満足の筆者

久しぶりの新幹線で大満足の筆者

N700Sの運用はJR東海が公表していますので、ぜひ皆さん体験してみてください。