2023(令和5)年9月下旬、所用で福岡へ行く予定ができたので、これに乗じて九州で現場調査を行うことにしました。今回はそのレポートの1つ目、西九州新幹線の乗車レポートです。では、どうぞ。

 

9月22日(金)

 

京浜急行本線・空港線 577C 特急 羽田空港第1・第2ターミナル行き 横浜6:23→羽田空港第1・第2ターミナル6:47

JAL302便 福岡空港行き 羽田空港8:00→福岡空港9:50 

 

 横浜を早朝に出発し、京急で羽田空港へ。飛行機で2時間弱で福岡空港に到着。やはり飛行機は速い・・・びっくり

 

福岡市営地下鉄空港線 1625C  快速 西唐津行き 福岡空港10:09→博多10:14

 

 福岡空港は福岡の都心部にとても近いのが便利爆  笑博多へは5分、天神へも10分少々でたどり着くことができます。乗り込んだのは福岡市営地下鉄の車両…ではなく、JR九州の車両でした。

 地下鉄空港線はJR筑肥線と直通運転を行っていて、佐賀県の西唐津まで一本で行くことができます。快速とありますが、地下鉄線内は各駅に停車します。

 博多駅でいったん下車し、大きな荷物をホテルに預けてから、今度はJRのホームに上がります。ちょうど、豪華列車である「或る列車」がいたので思わず撮影爆  笑土休日を中心に、博多~由布院を1往復しており、豪華な食事を楽しみながら移動できる列車です。

 「或る列車」にも乗りたいところですが、私は特急「リレーかもめ」に乗り込みます。

 

鹿児島本線・長崎本線・佐世保線 2021H  特急「リレーかもめ21号」武雄温泉行き 博多10:54(10:52)→武雄温泉11:55

 

 いよいよ西九州新幹線、と言いたいところですが、西九州新幹線は武雄温泉~長崎間が部分開業している状態であり、全線開業には至っていません。そのため、博多~武雄温泉間は在来線の特急「リレーかもめ」に乗ります。

 車両はかつて鹿児島本線の在来線特急「つばめ」として活躍した787系です。行き先表示板には「リレーかもめ 長崎」と書かれています。実際この列車は武雄温泉までしか行かないのですが、西九州新幹線の「かもめ」と合わせて、1本の列車のように案内しているのが特徴です。

 列車は博多を出発すると鹿児島本線を南下し、鳥栖から長崎本線に入ります。車内は行楽客と思しき方が大半で、あまり乗り降りはありませんでした。それでも、江北駅では私が乗っていた車両から7,8人下りるなど、動きもありました。

 この江北駅、以前は肥前山口駅という名前でしたが、昨年の西九州新幹線開業にあわせ、町名である江北駅に改称されました。ここは長崎本線と佐世保線の分岐駅で、それぞれ普通列車に接続していました。

 以前の在来線特急「かもめ」は、ここからもそのまま長崎本線へ進んでいましたが、「リレーかもめ」は佐世保線のほうへ進んでいきます。

 「リレーかもめ」が設定されるということもあり、全線単線だった佐世保線も大町~高橋間は複線化されていました。そのまま走り続け、武雄温泉駅に到着です。

 

 武雄温泉駅では、このように特急「リレーかもめ」と新幹線「かもめ」が同一ホームで接続し、乗換がしやすくなっています。乗り換え時間は3分に設定されていますが、私は短すぎず長すぎず、ちょうどよい設定だったと感じました。

 ただこの日は金曜のお昼前ということもあってか行楽客が多く、あまり乗継がスムーズにいかず、わずかに遅れて「かもめ21号」は武雄温泉駅を発車しました。

 

西九州新幹線 2021G  「かもめ21号」長崎行き 車番不明 武雄温泉11:59(11:58)→長崎12:29

 

 武雄温泉駅を出ると、左へ大きくカーブして佐世保線と別れていきます。いくつかトンネルをくぐり、わずか6分で次の嬉野温泉駅に到着です。ここは新幹線単独駅ということもあり、1~2時間に1本ほどしか停車しません。それでも、91年ぶりにこの地に鉄道が通ったということもあり、新幹線開業にこの地は大きくわきました。

 嬉野温泉を出ると、再びトンネルが連続し、山を一気に越えます。そこで佐賀県から長崎県に入り、山をひとしきり抜けると、右側に大村湾が広がります。ここは西九州新幹線随一の眺望スポットです照れ残念ながらあいにくのお天気ですが…

 

 次は新大村に到着。このあたりからJR大村線と並走します。JR大村線にも新大村駅が設置され、在来線への乗り換えも可能です。また、車両基地も新大村に設けられており、朝に新大村発長崎行きが2本、深夜に長崎発新大村行きが1本設定されています。

 再びトンネルが続き、また街へ入ると諫早に到着。諫早駅はJR長崎本線、大村線、島原鉄道線へ乗換が可能で、島原半島西側へ向かうバスも出ている交通の要衝です。それゆえか諫早は在来線特急「かもめ」の時代から全列車が停車しており、西九州新幹線「かもめ」号も全列車が停車します。

 私が乗っていた車両からは、6~7人が諫早で降りていきました。嬉野温泉や新大村と比べると、利用者は多いようです。

 またしてもトンネルで山をぶち抜き、長崎へと進みます。西九州新幹線は全体的にトンネルが多く、防音壁も高いので、景色は正直いうとそこまで楽しめませんでした。それでも、速い…博多から1時間37分で長崎にたどり着きました音譜

 かつての在来線特急「かもめ」は博多~長崎間を最速1時間50分、日中は約2時間かけて走っていたので、30分ほど所要時間が短縮されたことになります。片道30分短縮というのは大きいですね照れ

 在来線の長崎本線は、肥前浜~長崎間が非電化となったため、現在では気動車で運行されています。

 

 長崎駅も新幹線開業に伴い高架化されるなど、大きく整備され、すっかり新しくなっていました。

 新たに整備された西口(いなさ口)。一昨年にはコンベンション施設「出島メッセ長崎」もオープンしました。

 

 本来の出口であった東口(かもめ口)も、大きく形を変えました。かつて長崎駅のホームがあった場所は線路やホームは撤去されていましたが、まだ整備中の段階でした。

 駅のリニューアルにより、路面電車の乗り場は若干遠くなったのがネックです。私も歩いてみましたが、少し距離があるな…と感じました。電停の移設も検討されたようですが、電停が交通量の多い国道202号線の上にあることなどから、移設は難しいようです。

 せっかく長崎に来たので、3時間ほど観光してきました音譜

 長崎に来るのは10年ぶりで、久々でした。当時と比較して、出島の整備が完了していて、かつてのように橋を渡って島に向かう形が復活していました。

 外国との交流を大きく制限していた江戸時代ですが、この出島で日本や外国の人や物が行き交っていたのかと思うと、長崎は日本一エキゾチックな街といっても過言ではないなと思います照れ

 昼食を挟んでの3時間だったので、意外とバタバタ観光し、かもめで博多へ戻ります。

 

西九州新幹線 2040G「かもめ40号」武雄温泉行き 長崎15:42→武雄温泉16:13

佐世保線・長崎本線・鹿児島本線 2040H 特急「リレーかもめ40号」博多行き 武雄温泉16:16→博多17:14

 

 ということで、行きと同じルートで博多へ戻ります。行きと比べると車内は空いていました。日曜日になればもっと利用は多いのでしょうか…??

 武雄温泉で「リレーかもめ」に乗り換え。行きと同じく787系でした。名車ではありますが、さすがに登場から30年近くが経過しているので、少し疲れが出ている感が否めませんでした。

 帰りは佐賀駅でまとまった乗車があったのが特徴でした。しかし朝が早かったこと、ゆうべよく眠れなかったこともあり、佐賀駅から先はほぼほぼ寝ていました…

 

<まとめ>

 いかがでしたでしょうか。13年前に特急「かもめ」で博多~長崎間を通し乗りした経験を踏まえると、新幹線開業で速くなったな、という印象です。

 今回は金曜日に乗車したので、行きの列車は観光客で賑わっていましたが、帰りの列車は空いていました。休前日以外の平日だとそこまで利用が大きくないかもしれないと、少し心配になったのも事実です。

 武雄温泉より東側の延伸計画が全く決まっていないというのも、不安要素の一つです。今回は大きくは触れませんが、すっかり暗礁に乗り上げている感は否めません。

 ただ、西九州新幹線が今後どのように整備されるかが固まらないと、活用の仕方も見えてきません。そのあたりは今後の注目ポイントになりそうです。