番外 平成26年改正で解決済み、九州新幹線「さくら」の新鳥栖駅・久留米両駅全列車停車へのいきさつ | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 博多~鹿児島中央間に存在します九州新幹線と言いますと、現在部分開業時から存在しております、現在は各駅停車系統であります「つばめ」、博多~鹿児島中央間の速達列車でもあり、山陽新幹線内にも乗り入れております「さくら」、そして定期列車では途中熊本駅にしか停車しない列車もあります(一部久留米駅にも停車します)、新大阪~博多~鹿児島中央間の最速達列車でもあります「みずほ」が存在しておりまして、博多~鹿児島中央間の最速も「みずほ」でしたら1時間16分で利用する事ができております。
 
 また、「さくら」に関しましても、博多~鹿児島中央間が最速1時間25分で利用する事ができておりまして、この最速の場合は途中川内・熊本・久留米・新鳥栖の各駅に停車を行っておりまして、この場合でも主要駅に停車している事が伺わせております。
 
 けれども、平成23年開業時~平成26年の改正前の「さくら」は、以下画像の新鳥栖・久留米の両駅に停車する列車は少なく、そのほとんどが博多~熊本系統で運行されておりました「さくら」で見られておりまして、山陽区間~博多~鹿児島中央系統では両駅に停車します列車はわずか数本程度しか存在しておりませんでした。
 
 
 そして、平成26年3月の改正によりましてついに「さくら」が新鳥栖・久留米両駅に全列車停車する事で解決しておりまして、乗り換えやビジネス等で利用される方の利便性も増しております。今回は、この全列車停車の解決までのいきさつに関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 (新鳥栖駅)
 
 (久留米駅)
 
 
 九州新幹線の佐賀県鳥栖市の新鳥栖駅、福岡県久留米市の久留米駅は、新幹線の中では駅間が最も短い駅でもありまして、わずか7.1キロ・約4分間しか乗車時間はありません。そんなこの両駅に関しましては博多~新八代間開業当初から停車地本数の争いを行っておりました。
 
 
 と言いますのも、新鳥栖駅は長崎線との接続駅でもありまして、長崎駅への特急「かもめ」、佐世保駅への「みどり」、ハウステンボス駅への「ハウステンボス」と、在来線特急が全列車停車するようにもなっておりますし、加えて工業・商業が盛んな都市でもありますので、出張等で行かれる方や、Jリーグサガン鳥栖の応援のために利用するサポーターも多い事が挙げられております。
 
 一方、久留米駅も鹿児島線・久大線の接続駅であるとともに、鳥栖市と同様、工業・商業が盛んな都市でもありまして、かつ福岡県筑後地区では中心の都市でもありますので、双方の自治体より多くの「さくら」の停車本数の申し入れを開業前より行っておりました。
 
 
 その結果、九州新幹線開業時には双方およそ半分の「さくら」が停車、それとともに山陽新幹線との直通列車もそれぞれ片方の駅に停車するようにはなってもいましたが、平成26年3月の改正で、ついに九州内及び山陽新幹線直通の「さくら」が新鳥栖・久留米両駅に全列車停車するようになったものでありました。
 
 
 まずは、平成23年3月改正、全線開通時の時刻(日中一部)です。この当時は、ほとんど久留米駅に停車しておりました山陽新幹線直通の「さくら」に加えまして、ほとんど新鳥栖駅に停車しておりました鹿児島中央駅発着の「さくら」、そして熊本駅発着で新鳥栖・久留米両駅停車の「さくら」が見られておりまして、九州内に関しましてはN700系・800系各新幹線電車との運行が見られていたほどでもありました。
 
 
 一方、全列車停車するようになりました平成26年3月改正の時刻(日中一部)です。この改正では、「さくら」の博多~熊本系統が廃止されておりまして、山陽新幹線直通及び九州内の「さくら」が新鳥栖駅に停車するようになっている事がわかります。
 
 この平成26年の改正では、これまで新鳥栖・久留米両駅に停車しておりました「さくら」の博多~熊本系統が廃止されておりまして、そのほとんどが(新大阪~)博多~鹿児島中央間での運行となっております。尚、熊本駅始発の540号、熊本駅止まりの573号に関しましてはこの改正から現在まで熊本~博多間全駅停車の運行が見られておりまして、定期列車でも引き続き熊本駅発着列車が見られております。
 
 (令和3年3月改正、「さくら540号(中央)」)
 
 
 ここからは、新鳥栖駅で収めておりました、その「さくら」全列車停車となりました平成26年撮影時の姿をご紹介します。やはり、全列車停車となりました実感を一番得られる部分が発車時刻表ではないかと思いますが、実際にほぼ毎時間1~2本の割合で山陽新幹線直通の「さくら」が停車しておりまして、時刻表を見ましても「新大阪」と書かれた姿が見ていて印象的な部分ではないかとも思います。

 
 (アップ)~ほぼ毎時間山陽新幹線直通が運行されているのがわかります
 
 
 画像は、N700系新幹線電車によります「さくら(564号~撮影当時)」であります。当時この列車の運行はJR西日本の運行となっておりましたが、実際にその下の画像にて青で「JR」が表示されているのがわかるのではないかと思います。本当に、こうして見ましても普段からJR西日本の車両が入ってきている訳ですし、この新鳥栖駅で「新大阪」の行先を見るのも、見ていて直通と言う実感がわいてくる所でもあります。
 
 (行先・JR西日本を表す青の「JR」)
 
 
 今回は、九州新幹線「さくら」の新鳥栖駅・久留米駅全列車停車までの軌跡をご紹介しましたが、かつては今回ご紹介しましたように新鳥栖・久留米両駅で停車地争いがなされていたのが懐かしい所でもあります。やはりそれぞれのメリットが功を奏したのではないかと思いますので。本当に、3年かかりまして全列車停車と言う事で解決につながった事は良かったと思っておりますが、やはり互いの駅とも乗換・ビジネスなど利用できますし、それぞれの面で特徴がある分全列車停車となっている事はありがたい所ではなかったかとも思いますので、これからも「さくら」停車地としての姿を引き続き見せていただきたい所であります。