予想外の混雑を見せている越美北線の普通列車は、各駅に丹念に停車し、終点九頭竜湖駅に向け進んでいきます。9月になったとはいえまだまだ暑さに翳りは見えず、車内には冷房はついているものの混雑であまり効果はないようで、もはや趣味や娯楽ではなく修行のような様相を呈していますが、13時06分到着の一乗谷駅で一定数の下車がありました。ここは当地を本拠にした戦国大名朝倉氏の遺跡の最寄駅であり、おそらくそれが目的なのでしょう。見ると下車していったのはおじさんばかり。『歴女』なんて言葉が一時期流行ったこともありましたが、歴史好きには男性が、さらにいうと年配の男性が圧倒的に多いように思います。かくいう私も歴史は大好きであり、年配に片足を突っ込んでいる40代ではありますがw

 

ちなみにこの一乗谷朝倉氏遺跡には、以前クルマで一度訪問済みであり、今回は完全にスルーすることにします。

 

列車はさらに進み、沿線随一の主要駅である越前大野駅に到着。ここでようやく半分くらいが下車し、車内にも若干のゆとりが生まれます。

 

 

この街も、『天空の城』として名高い越前大野城を擁する歴史好きには魅力的な街であり、帰りに少しだけ観光しようと考えています。

 

その後はほぼ乗客に動きはなく、終点九頭竜湖駅には定刻の14時22分の到着。

 

 

 

ここも完全に恐竜推しですね。

 

とにかく無事今回の旅最大の目的である、越美北線の完乗を達成しました。

 

越美『北』線の名の通り、現在は長良川鉄道となった旧越美南線と繋がり、晴れて『越美線』となるべく建設されたこの路線ですが、そこにはクルマ止めが存在するのみで、未来永劫結ばれることのない寂しさが虚しく漂っていました。

 

 

ちなみにここまで乗車してきたのはおよそ10数人。おそらくそのほとんどが同業者かと思われます。周囲はさながらプチ撮影会の会場のような雰囲気で、一般のお客さんから見たら、それは異様な光景に映ることでしょう。

 

 

折り返しの発車まではわずか10分。ここは道の駅が併設され、クルマでは何度か来たこともあるので、何となく雰囲気はわかっています。座席確保のため、駅舎の撮影のみを済ませ、早めに構内へと戻ります。

 

そして定刻の14時32分、福井行きとなった列車は、来たときと同じ顔触れを乗せ九頭竜湖駅を発車。ここに鉄道で来ることはたぶんないでしょう。さらば九頭竜湖駅

 

乗り鉄たるものイイ座席の確保は最重要課題ともいえますが、早めに戻ったおかげで問題なく進行方向窓側に座ることができました。現に何人かは立ったまま。ギリギリだったら、私も同じ状況になっていたかもしれませんね。

 

早朝から活動してのこの時間ということで、睡魔は容赦なく私を襲い、気付くと完全に寝落ちしてしまいましたが、予定通り15時04分到着の越前大野駅で下車します。

 

 

 

ここから先は区間列車の設定もあり、後続は17時09分発。それまでの時間を利用し、『越前の小京都』とも称されるこの街を観光しようと思います。