一番大穴だったのが小田急電鉄からで、譲受車両は何と8000形に決定!
東急電鉄は、大井町線の置き換え計画も公表されていたから極めて順当なとこだなとは思ったが
まさか小田急電鉄8000形になるとは、発表になるまで全く想像がつかなかった。
まして、小田急電鉄8000形は鋼製車体であり…
当初西武鉄道でサステナ車両と定義されていたものとは変わっていた。
需要と供給のアンバランスさが、このような歪を生じさせたことは容易に想像がついた。
まぁ、8000形も屋根や雨樋、床板にはステンレスを使用しており、2003年以降車体更新時に
制御装置のVVVF化も実施しているし、継続した保守等車両状態の良さも考慮されたのだろう。
それにしても、どちらも車齢が35年前後の車両ばかりになるとは…
中小私鉄向けの車両譲渡の際も折々に聞かれる話だが、需要と供給の難しさを改めて痛感する。
現状どちらも状態は良さそうなものの、少なからずVVVFなど足回り改造が必要と推察される。
…ことに、西武鉄道に関しては。
旧2000系も、5日に2031Fが引退。
残りが2両編成3本と、遂に風前の灯に。
さらに小田急8000形は2024年春にまず西武国分寺線へ投入が予告され、即ち新2000系も含め
現有車の一掃が粛々と進んでいく、ということになる。
しかも東急9000系の投入先は多摩川線、多摩湖線、狭山線、西武秩父線とまで具体的に言及。
これにより、新101系はおろか4000系まで一気に余命が宣告されたような形になった。
さらには、編成短縮改造を受けて多摩湖線に転属した(西武)9000系すらも危うい。
…もっとも製造から新101系で40年以上、4000系も31年以上。
しかも4000系は旧101系からの下回り流用車で、それを含めると半世紀を超えている。
新2000系は両形式とは同年代か寧ろ若い車両も多いが、前時代的になった界磁チョッパ制御と
直流電動機、新101系と4000系に至っては更に前時代の抵抗制御が残る。
まずはVVVFインバータ制御への統一を2030年度までに達成させ、消費電力の低減を一層進める
との西武鉄道の強い決意のもと、30年前にあった西武ライオンズ(当時)秋山幸二選手の
“世紀のトレード”
のような大型移籍が、いよいよ現実のものになろうとしている。
特に大手私鉄同士での移籍成立は、1980(昭和55)年に東急電鉄から名古屋鉄道に譲渡された
東急3700系→名鉄3880系の事例以来、実に43年ぶりのこととなる。
また三社を巡っては、箱根や秩父を舞台にした観光誘致を巡る記憶が生々しい人も多く…
それを思うと、かつてのJR東日本(国鉄)と東武鉄道の日光界隈同様、隔世の感がある。
(東急〜西武の相互直通や、イベントでの互いの出店など交流が盛んなのは承知していたが)
今後どうなっていくのか、俄然3社の動きを優先的に注視していく必要がありそうだ。
まずは、来年春に小田急電鉄8000形がどのような出立ちで現れるか、楽しみに待ってみたい。