新見で休憩
芸備線に乗って新見にやってきました。
列車が到着したこのホームは非電化線区専用となっていて、1番線からは芸備線東城・備後落合方面、2番線からは姫新線中国勝山・津山方面の列車が発着します。
改札口へ。一旦途中下車します。
みどりの窓口で懐鉄入場券を購入。
きっぷを無くした?人が前にいてちょっと手間取りましたが無事購入。
次に乗る列車までにはもう少し時間があるのでちょっと休憩タイム。
駅員さんに教えてもらった「Cafe de 標」という喫茶店へ。
ダムカレーがメニューにあったので食べてみたかったのですが、どうやら今日はやってないらしく、普通のカツカレーに。
次の列車までゆっくり過ごすことができました。
お店を出て、駅前に戻ってくると縁の広場という場所を見つけました。
ここは祐清とたまがきという室町時代の2人の人物の銅像が置かれています。
ここ新見は室町時代、京都の東寺が所有する荘園でした。
祐清は新見荘を管理すべく東寺より派遣された代官。
しかしながらこの人物、農民に厳しい態度を持って望み、「たとえ一命を失っても、年貢を納めない者は徹底的に処罰する」として強引な方法で年貢の徴収に当たりました。
これに農民たちは不満を募らせ、ある日祐清が下馬しなかった非礼を咎められたことから刃傷沙汰に発展、祐清が応戦したところ、2人の人物がやってきてその場を収めました。
それに応じた祐清が刀を収めたところ、なんとその2人が祐清に襲いかかり、不意を突かれて落命してしまったのです。
祐清の身辺の世話をしていた人物がたまがきで、東寺に宛てて祐清の遺品の形見分けを願う手紙を認めました。
「御いたわしさは、申しようもありません」 、手紙にはたまがきの祐清への想いが綴られています。
この手紙は中世女性が書いた文書として貴重なものであり、東寺百合文書のひとつとして国宝に指定されています。
新見駅前の像はそんな悲劇を今に伝えています。
国鉄色やくも
ということで新見駅に戻ってきました。
ここからは特急やくも24号に乗車して岡山へ向かいます。
新見駅の伯備線ホーム。
芸備線直通しか止まらない布原の文字はありません。
しばらく待っていると、やってきたのは381系E7編成、国鉄色復刻編成です!
2024年以降新型車両273系への置き換えが決定していることからその前の企画として復刻塗装が行われました。
懐かしの国鉄色。2010年くらいまではけっこう残っていましたが、今ではここだけでしか見ることができません。
貴重ですね。
こちらが車内。
車内は「ゆったりやくも」化改造されており、国鉄時代の面影はありません。
17:40、2分遅れで列車は新見を発車しました。
列車は高梁川に沿って走っていきます。
方谷で運転停車。
出雲市行きの特急と行き違いです。
備中高梁に停車。
備中高梁から6駅、通過したのは清音です。
ここ清音と1つ米子寄りの総社との間は井原鉄道が第二種鉄道事業者として運行する区間。
JRのきっぷでは井原鉄道の列車には乗れないそうです。
下流になるに連れ、高梁川の流れが広がっていきました。
そこにかかる大きな橋は山陽新幹線のもの。
ここまで来ると伯備線の旅はあと少しです。
水島臨海鉄道の車両が見えてきて、列車は山陽本線と伯備線の交わる場所、倉敷に到着しました。
↑水島臨海鉄道の乗車記はこちらから
倉敷は美観地区で有名な場所。
以前行ったことがあります。
↑そのときの様子はこちらから
倉敷から先は、今使っている乗車券では厳密には重複区間となりますが、新幹線が倉敷に止まらないため、「分岐駅通過の特例」を使って区間外乗車ができます。
18:41、2分遅れのまま、列車は終点の岡山に到着しました。
国鉄色電車特急の旅、短い時間ですが楽しむことができました。
一旦引き上げ線に入る列車を見送ってホームをあとにします。
新幹線で博多へ
区間外乗車の特例を使用しているため、岡山駅では改札外に出られません。
でも、岡山駅には改札内にもお土産物屋さんがいっぱい。
車内で食べる駅弁を購入しました。
新幹線改札内に入ると、こんなものが。
今年(2022年)は山陽新幹線岡山開業から50周年ということで記念のパネル展をやっているようです。
パネルの他にもグッズ展示がありました。
建設中の工事事務所の看板まで置いてあったのにはびっくり。
これは貴重な品ですね~
ホームに上がると…
おや?こんなところにacureの水ゼリー!?
1年くらい前に仙石線松島海岸駅で飲んで以来の水ゼリーとの再会。思わず購入してしまいました。
岡山にも水ゼリー、ありました!
乗車するのは臨時のぞみ179号。
博多に帰ります。
車内で先ほど買った駅弁を。
下津井旅情というお弁当です。
下津井とは岡山県倉敷市の港町のこと。
鉄道ファンには下津井電鉄でおなじみかもしれません(廃線済み)。
中身がこちら。
目を引くのが左下の色鮮やかな祭ずし。
岡山の郷土料理ばら寿司を駅弁にした「桃太郎の祭ずし」と同じものです。
この下津井旅情は祭ずしだけでなくいろんな味を楽しみたい方にぴったりなお弁当。
他にも下津井名物のいいだこ醤油煮など岡山の食材が詰まっています。
旅の最後に岡山の味を楽しみつつ博多を目指します。
福山、
広島と停車していきます。
次はもう九州、小倉です。
その前に…
通過したのは新山口。
旅の初めに降り立った駅。
ここまで使ってきた連続乗車券の「連続1」のきっぷはここで効力を終え、「連続2」がバトンタッチして旅のアンカーを担います。
新関門トンネルを抜け、小倉に停車。
旅もあと少し。
列車は博多の街へと入り、21:19、終点の博多に到着しました。
ということで1泊2日の山陰の旅、すべての行程が終わりました。
スーパーおきで日本海を見ながら出雲へ、一畑電車に乗って出雲大社へ。
そして廃止となる奥出雲おろち号に乗り、営業係数25000超えの区間を通り、昔懐かしの国鉄特急にも乗車…
短い旅でしたが、とても内容の濃いものになりましたね。
次回行くときは鳥取にも行ってみたい…
★乗車データ
1024M 特急やくも24号 岡山行き 新見(17:38 17:40)→岡山(18:39 18:41)④ 381系 E7編成(国鉄色)
7179A のぞみ179号 博多行き 岡山(19:36)㉒→博多(21:19) ⑫JR西日本 N700系 F15編成
※2022年8月21日乗車
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