あさかぜみずほの趣味活動記録簿

旅行記や主に飛行機の写真をひたすら載せ続ける、趣味のブログです。たまに日記らしき投稿もあり…?

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冬の北東北にビューーン! - 3日目【後編】(2023年1月25日)

>>【前編】から続く<<

 

そんな山田町まで行かなくなったJR東日本「山田」線に乗って盛岡を目指します
半年前(2022年7月)のドライブ旅行でも触れましたが、山田線と国道106号線は宮古市から閉伊川に沿って山を登っていきます。国道側は「盛岡宮古連絡道路」として立派なバイパスがいたるところで開通していますが、鉄道は何も改良されていません

山田線には並行して岩手県北バスによる「106特急・急行バス」があり、そちらはおおよそ1時間に1本、1日12往復の運行。盛岡~宮古間を最速で1時間40分、遅い便でも2時間15分で走り抜けます。
一方の山田線は全区間を通して走るのは1日4往復だけ、所要時間は快速「リアス」でも2時間20分。よくぞ鉄道として残っているものです。一応観光シーズンの週末になると「さんりくトレイン宮古号」や「ポケモントレイン宮古号」といった臨時列車が設定される日もあります。

 

www.iwate-kenpokubus.co.jp

 

 

三陸鉄道から5分という絶妙な乗り継ぎ時間であるにも関わらず、キハ110系2両編成の車内に乗客は数えるほどしかいません。さすが国鉄時代から指折りの閑散路線だっただけあります…
この利用者数でも運転士と車掌が乗務するツーマン運転になっていて、加えて今日は見習いの車掌さんも乗っているので3人体制。贅沢な?列車になっています。

宮古の市街地を離れると閉伊川に沿って右へ左へとゆったり走ります。鉄道は急なカーブも機敏な加減速も苦手なのでスピードが乗りませんし、あげくに併走する国道のタンクローリーにも抜かれる始末。速達性のその字もありません。

 

 

去年の7月に訪れた茂市には宮古から20分ほど。だだっ広い駅構内からは、岩泉線が発着していた時代をなんとなく想起できます。

中央に写る茶色の小屋が現在の茂市駅舎。周辺の建物に紛れてしまって、一見駅舎には見えません。待合室があるだけの小さな駅舎に建て替えられたのは2021年のことで、それまでは跨線橋も備えたいかにも駅という建物でした。
2018年に茂市駅は終日無人となって大きな建物も必要なくなったため、現在の駅舎になったようです。意味のない固定資産税は払いたくないでしょうし。

 

おおよそ日が暮れた平津戸の手前で、大音量の警笛とともに列車は急停車。案の定線路に飛び出してきたシカと衝突しました。列車の運行に支障がないか、安全確認のためしばらく停車します。
Googleによれば外気温はマイナス10度、だいぶ雪が降っているので、車両の点検をする乗務員はかなり寒そうです…なお車内の室温も16.5度しかない上に外から冷気が伝わってきて寒いので、窓から離れた席に移動します。

ちなみに平津戸は2022年3月のダイヤ改正で、利用者の減少を理由に全ての列車が通過するという駅になってしまいました。年間数日だけ営業する臨時駅というのならばまだしも、現役の駅で1本も列車が止まらないというのはもはや存在意義がわかりません。
案の定2022年12月には駅の廃止が発表され、列車を止めることのない不思議な駅だった平津戸は、正式に90年の歴史へ幕を下ろすこととなりました。

 

シカとの衝突に加え、強風で橋を渡れなくなった遅れも重なってしまいました。見習いの車掌さんが盛岡での乗り換えがないかを聞いて回っていますが、元から2時間ぐらい余裕を確保しているあさかぜには影響なし。

盛岡市郊外にある上米内着は16分遅れ
山田線の運行の境目で、ここから盛岡方面へ1日3往復の折り返し列車が設定されています。駅の周辺には住宅が多く見えるようになり、盛岡近郊へ戻ってきたことを感じさせます。

 

16分遅れのまま18:37に終点の盛岡へ到着しました。遅れを加味しなくても所要2時間半。ちなみに運賃は山田線だと1,980円「106特急・急行バス」なら2,100円両都市間だけで見れば僅差です。
しかもバスは集落の中心部で客を拾うこともできるわけですから、ますますバスの優位性を感じずにはいられません…

これで「山田線には絶景ポイントがある」とでも言うのなら、青森県五能線のように観光路線として売り込んでいく手立てもあるはず。
ですがクルマで走っても列車に乗っても、これはすごいという景色をみた記憶がありません。そもそも観光需要ありと認識していたなら、「さんりくトレイン宮古号」が平日だって走っているでしょうしね。

 

地下道から出ると雪も風もかなり強くなっていました。肌の露出している部分が痛い…!

逃げ込むようにして「ぴょんぴょん舎 盛岡駅前店」に入ります。11時過ぎにそばを食べて以来ですから、お腹が空いて仕方がありません最後の盛岡名物をゆったりと堪能することにします。

 

www.pyonpyonsya.co.jp

 

 

食べ物にがっつく前に、まずはハイボールでセルフ乾杯。外が寒くてもキンキンに冷えたハイボールはおいしい
食べ物が届く前に早くもジョッキが空になってしまったので、もう1杯ハイボールを追加します。

 

先に提供されるのはセットの焼肉
牛肉はカルビ・ハラミ・モモの3種類用意されているようですが、メニューをしっかり読み込んでいなかったあさかぜは何が何だかよくわからないまま食いつきます

ハイボールとの組み合わせも非常においしい。たまりませんねぇ…

 

メインディッシュは「ユッケジャン辛温麺」。盛岡といえば冷麺、というイメージが我々のような観光客にはこびりつくほど定着しています。
でも寒い冬にわざわざ冷たいものを食べるのもなぁ…と思っていると、職場の先輩岩手県出身)に「温麺おいしいよ温麺。オレは冷麺よりも絶対に温麺をすすめるね!」と旅行前に言われました。

それならばと注文してみた温麺は大当たりです。辛くて熱いスープに、冷麺とは少し違う歯ごたえの麺という組み合わせ。個人的には冷麺より好きかもしれません。
真っ赤なスープはかなり辛そうに見えますが、実際に食べてみるとピリピリする程度でほどよい辛さ。体が芯から温まる感じがします。

温麺(牛焼肉セット)ハイボール2杯で約3,000円。充実した夜ご飯でした。

 

自分なりにゆっくりと夕食を食べたつもりでしたが、まだ帰りの新幹線まで40分ぐらい時間が残されています。
駅構内で待つことにしましょうか…

コンコースの片隅には大釜駅に設置された、列車の融雪装置の解説がありました。
大釜は盛岡の2つ隣にある田沢湖線の駅。真冬の田沢湖線内は雪が多く、ここを通過する秋田新幹線「こまち」の台車周辺には大量の雪が巻き上げられ凍り付きます。
これがくっついたまま新幹線内を時速320キロで走行すると、氷の塊がすっ飛んでいって車両や設備に被害を与える可能性があります。

そこで盛岡駅での停車中に人力で凍り付いた雪を剥がす作業を行っていましたが、これがまたすさまじい重労働だったそう。その作業を解消するため、付着した雪を温水で溶かす装置を大釜駅に設置し、2019年の冬から稼働。盛岡で雪落しをする回数を劇的に減らすことに成功しました。
ちなみにカメラで雪の付着状況を確認して融雪装置で溶かす、という一連の作業に要する停車時間はたった3分程度とのこと。

 

1本前の「やまびこ72号」が発車していきます。
どうやら上りの「はやぶさ」「こまち」が遅れており、本来は19:40発のところ15分以上遅れて出て行ったようです。あさかぜはこのあと出る東京ゆき「やまびこ74号」に乗るのですが、同じように15分遅れると家に帰れない可能性が著しく高くなります。

遅れたからといって補償があるわけではないので、頼むから遅れないで走ってくれという思いでいっぱいです。

 

隣のホームには20:29発の「やまびこ74号」がすでに車内清掃を終えて待機しています。ドアが開いたのは発車15分前で、折り返しがいつもギリギリの東京に比べるとかなり余裕がある感じ。

なお「やまびこ74号」の約20分後に出る「はやぶさ・こまち48号」が東京へ戻れる最後の列車になります。停車駅が多くノソノソ走る「やまびこ」に比べると「はやぶさ」「こまち」の速さは圧倒的で、東京23:04着と実に40分も早く着きます
普通に使うのなら追加料金を支払って乗車変更するところですが、「どこかにビューーン!」では列車の変更が認められないので、大人しく「やまびこ」に乗るしかありません

 

「やまびこ74号」の車内は当然と言うべきかガラガラ。速達列車の止まらない途中駅を利用するならまだしも、大宮・上野・東京という首都圏エリアに出るのであればこの列車を使う理由もありませんからね…

ちなみに一ノ関で後続の「はやぶさ・こまち48号」に早くも抜かれるので、仙台まで行くにしてもこの「やまびこ74号」を選ぶ理由は特にありません

 

20:29、定刻通り盛岡を発車しました。
2011年から活躍を続けるE5系にはわずかながらバージョン違いがあり、2015年度以降に製造された編成には全ての座席にAC100Vのコンセントが装備されるようになりました。

この編成はU31編成なので全ての座席にコンセントがつき、車内照明もLEDになった現行型。といっても元から一番前の列には席数分のコンセントがあるので、違いを実感することはありませんでしたが。

3時間15分の旅のお供はカルビーの「じゃがビー」とベアレンビール
ベアレンビールは盛岡市醸造所を持つ岩手県地ビールで、2001年創業とまだ若いビールメーカーです。あさかぜも今回の旅行で初めて知りました。

缶で売っている「ザ・デイ トラッドゴールドピルスナー」は王道のピルスナーといった味わいながら、スッキリとごくごく飲めるキレの良い風味がします。
他にもいくつかあったので、物怖じせず買っておけば良かった…

 

www.baerenbier.co.jp

 

 

7分遅れの「はやぶさ・こまち48号」を予定通り一ノ関で先に行かせてこちらも6分遅れとなりましたが、元から余裕のあるダイヤになっているようでジワジワと回復していきます。
ちなみに下りの新幹線は最大で40分ほどの遅れになっている様子。

一昨日見たときにはさっぱり雪がなかった福島も、駅のホーム全体が白くなるほど雪が吹き込んでいました。

 

大宮には定刻に着いたものの、上越新幹線の「とき」が遅れているということで先に通すことに。向こうも東京に着く最終便なので、接続列車への時間がシビアになっているのでしょう。

 

23:45、ほぼ定刻通りに東京に戻って来ました。総武線地下ホームから出る最終の快速千葉ゆきは0:01の発車なので、無事に家に帰れそうです。良かった良かった…

東京~盛岡をJREポイントで6,000P、つまり6,000円相当で往復できた「どこかにビューーン!」はこれ以上なくおトクな企画乗車券です。ただ席数に余裕のある列車を選定する性質である以上、「○時~×時」の範囲を甘く見ると、今回のように家に帰れるかギリギリの列車を指定されてしまう確率がどうしても高くなります
持てる時間いっぱいまで遊びたい気持ちはわかりますが、列車の変更が利かないので、時間に余裕を持った選び方が必要になってきますね。

とはいえ、繰り返しますが新幹線指定席を使って6,000円相当で旅ができるというのは大盤振る舞いです。JREポイントの残高に余裕のある人には、非常に有用な企画券であることは間違いなしです。
またうまい具合に機会があれば使ってみたいですね。

さてさて、ウンチクを垂れている場合ではありません。総武線快速電車が発着するホームは地下5階、走るほどではありませんが早足で向かわなければ…

 

dokokani-eki-net.com