高難易度のトロッコ列車
おはようございます。
2022年8月21日、出雲市からスタートです。
今日は木次線の観光列車、奥出雲おろち号に乗車したいと思います!
奥出雲おろち号は1998年に運行を開始したトロッコ列車。
DE10形ディーゼル機関車が12系改造のトロッコ車両と控車の専用編成2両を牽引する形で木次~備後落合間(日曜日を中心とした一部日程は備後落合行きのみ出雲市始発)で運行されています。
三段式スイッチバックを有する木次線の名物列車として人気を誇っていましたが、車両の老朽化により2023年の運行をもって引退することが決まっています。
引退が決まってからというもの指定券を取るのは最高難度になっていましたが、その中でも特に貴重な出雲市始発便のキャンセルを運良く拾うことができました。
今回はこの出雲市始発の奥出雲おろち号に乗車し、備後落合を目指したいと思います!
トロッコ+夜行急行?
ということで朝8時の出雲市駅にやってきました。
奥出雲おろち号は指定席を獲得するのが難しいだけでなく、実際に乗るのも難しい列車です。
というのも岡山方面からの始発である寝台特急サンライズ出雲からの乗り継ぎが不可能なため、前泊がほぼ必須となっているのです。
サンライズから乗り継げないようにしているのは地元の宿泊施設にお金を落としてもらうためという説がありましたが本当でしょうか…?
(そういえば前夜私が泊まったホテルにも明らかに奥出雲おろち号狙いの鉄道ファンと思われる方がいっぱい泊まってましたね…)
ホームに上がるとすでに奥出雲おろち号の表示が出ています。
あたりにはすでにおろち号に乗る多くの方が集まっていました。
やがて宍道方よりスハフ13を先頭にした奥出雲おろち号がやってきました!
列車はゆっくりと停車。
ドアが開くまで外側を撮影します。
こちらが牽引するDE10 1161号機。
奥出雲おろち号専用塗色の青と白に塗られています。
ヘッドマークはこの列車の名前の由来となったヤマタノオロチがデザインされたもの。
機関車のデザインはちょうど客車側のデザインと揃うように塗られているようです。
続いては客車。
こちらは一番うしろのスハフ13 801です。
機回しの手間を省くため、スハフ13にはノロッコ号オクハテ510のような運転台が設置されており、こちら側を先頭に運転することができます。
このスハフ13 801はトロッコ車両。
窓はすべて取り払われ、開放的な車両となっています。
車体は機関車と同じ白と青で塗色。
これは銀河鉄道をイメージしたデザインのようです。
実はSL銀河と同じデザインコンセプトだったのですね…
ここでドアが開いたので中へ。
まずは1号車、トロッコ車両スハフ13 801から。
車内は4人がけの木製ボックスシートと窓側を向いたベンチシートの2タイプで構成されています。
ボックスシートにはそれぞれ大きめのテーブルが設置されており、食事もできそう。
前に乗った風っこに似ていますが、それよりもさらに開放的に感じます。
こちらは運転台。
ここから機関車を制御できます。
運転台の隣は前方/後方展望が楽しめるスペースとなっています。
続いては控車の2号車、スハフ12 801。
雨が降ってきたときに避難するための車両です。
車内は回転式簡易リクライニングシートが並びます。
この車両は座席の発売が行われておらず、1号車の指定券を持っている人の限り同じ席番の座席が使えるようになっています。
実はこの控車、鉄道ファン的には大注目の車両なのです。
というのもこの車両、元はスハフ12 3001といって夜行急行「だいせん」(大阪~出雲市)、「ちくま」(大阪~長野)に使用されていた車両。
この簡易リクライニングシート(R51BN型)はそのときのままなのです。
つまり、この車両に乗れば往年の夜行急行が体感できるということ!
ちなみにこの簡易リクライニングシート、「簡易」と名の付くだけあって、フリーストップではなく全開か直立かの1段階しかありません。
さらに当初はストッパーがなく乗客が腰を浮かすとリクライニングが大きな音を立てて元に戻るという構造になっていました。
(このおろち号の座席はストッパー付きに改造されているため腰を浮かしても元に戻りません)
当時はこの座席で一夜を過ごしていたんですね~
(引退前にこの車両で夜行団臨やってくれないかな…)
トロッコ車両あり、元・夜行急行の生き残りありと楽しい編成になっているのがこの奥出雲おろち号の特徴です。
まずは山陰本線を
8:45、汽笛の音とともに奥出雲おろち号は出雲市を発車。
備後落合までの長い旅の始まりです。
ハイケンスのセレナーデのチャイムとともに車内放送が始まりました。
車内放送の途中で列車は斐伊川を渡ります。
斐伊川は奥出雲から島根県東部を流れ宍道湖に注ぐ一級河川。
たびたび洪水を起こしてきたことからこの列車の名前の由来となったヤマタノオロチ伝説の元になっていると言われています。
斐伊川とは上流部で再会することとなります。
斐伊川を渡り終えた列車は最初の停車駅、直江に到着。
この駅では列車行き違いのため10分停車です。
ということで降りてみます。
直江は2面3線の駅。普通列車のみが停車します。
奥出雲おろち号はホームの先端ぎりぎりに停車していました。
そこにやってきたのは特急スーパーまつかぜ1号益田行き。
ここで運転停車です。
スーパーまつかぜとの一時の出会い。
続いて益田から来た特急スーパーまつかぜ6号鳥取行きが通過していきました。
10分の停車中に行き違いと特急退避の両方を行った奥出雲おろち号は9:03、直江を発車しました。
続いてお隣の庄原に停車。
列車は田園風景の中を走り、
9:17、宍道に到着しました。
いよいよ木次線へ
宍道は木次線の起点駅。
ここまで山陰本線を走ってきた列車はこの先木次線に入っていきます。
ホームにはこんな看板が。
…ここから木次線経由で広島に行く人ってどれだけいるんでしょうね…?
ここから進行方向が変わるため、DE10はすでに尾灯を点灯しています。
停車中にやってきたのはキハ126系石見神楽ラッピング編成。
こちらにもカメラを向けるファンがいっぱいいました。
9:28、列車はスハフ13を先頭にして先ほどとは逆方向へと発車しました。
発車するとすぐ山陰本線と分かれて木次線に入ります。
木次線は宍道と備後落合を結ぶ全長81.9kmの路線。
中国山地の中を走るローカル線のひとつです。
三江線が廃止された現在では島根県と広島県を結ぶ唯一の路線となっています。
宍道を出るとさっそく列車は最初の峠越えへ。
峠を越え、街なかへ。
向こうに大きな白い建物が見えました。
これは雲南市加茂文化ホール(ラメール)。
ラメールが見えたところで木次線最初の停車駅、加茂中に停車。
ここで奥出雲おろち号の乗車記念ポストカードが配られました。
裏側には今日の日付の検印が押してあります。
いい記念になりますね~
斐伊川の支流、赤川を渡ると次の停車駅、出雲大東です。
この出雲大東のお隣の駅が面白い名前で…
その名も「南大東」。
まるで沖縄本島から東に約400km離れた場所にある島のような名前の駅。
いつか絶対南大東島行く!と思いつつ、この駅を通過しました。
※ちなみに本家の南大東島にも以前サトウキビ運搬用の鉄道が敷設されていました。
10:06、列車は木次線の名前の由来、木次に到着しました。
ここまでが延長運転の区間。
いよいよ奥出雲おろち号の本領発揮が始まります…!
続きは次回。
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