JR山陽本線新山口—下関間で運行される下関総合車両所運用検修センターの115系T編成。ともに先頭車化改造車のクモハ115形+クモハ114形の2両編成4本が在籍しています。個性派として注目されるT-11〜T-14編成ですが、クモハ114形のタイフォンカバーが今年5月以降、スリットタイプに変更され話題となっています。
タイフォンカバーがスリットタイプに変わったT-11編成のクモハ114ー1106。同車はT編成唯一のパンタグラフ2基搭載で、風貌がますます武骨になりました。また、編成番号表記が他編成よりフォントが細いようで気になります=新下関—幡生
T編成の車両は中間車だったモハ115・モハ114形1000番台を先頭車化したもので、国鉄時代の1986年に改造されたクモハ115形は通常の115系顔をしていますが、JR西日本により99年に施工されたクモハ114形は切妻の、いわゆる食パン顔になっています。
舞鶴線綾部—東舞鶴間の電化開業用として現在のスタイルになった後、下関には2008〜09年頃に移ってきました。
通常の115系顔をしたクモハ115形。写真はT-14編成のクモハ115ー1539=3月、下関駅
T編成のクモハ114形のタイフォンカバーは、これまではお椀形に似た平べったいタイプで、ある意味改造車らしい?顔立ちでした。しかし、ここにきて113系のような伝統のスリットタイプになったことで「国鉄形」っぽくなったというか、当初からこの顔が存在していたかのような印象に変わりました。
T-12編成のクモハ114ー1621。タイフォンカバーは左右のヘッドライト間にあるため、その変化はずいぶん目立ちます
タイフォンカバー変更前、今年2月時点のT-12編成のクモハ114ー1621=新下関—幡生
同じくスリットタイプに変更されたT-13編成のクモハ114ー1625(左)。隣は3000番台N-02編成のクハ115ー3002で、タイフォンカバーは通常のシャッタータイプです。同じ115系でも顔はずいぶん異なります
T-14編成のクモハ114ー1627は、平べったいタイプを維持した唯一の車両でしたが、最終的にはスリットタイプに変更されました(23.10.2確認)。同編成は今年に入ってワンマン化されましたが、客室の座席モケットがT編成で唯一赤色系に変更されていないなど特徴が出ています。
T-14編成のクモハ114ー1627。写真は平べったいタイプのタイフォンカバーだった3月の検査明けの姿
筆者は山陽本線利用時、最近あまりT編成に遭遇しておらず、しれっと変更されたタイフォンカバーはこの夏ようやくじっくり見ることができました。
2両編成で小回りが効く印象のT編成ですが、最近は朝と夜のみの出番で、日中は下関や新山口の車庫で昼寝していることが多いようです。複雑な経歴を持つ下関でも注目の個性派車両。車齢は45年を超えており、あとどれくらい活躍を続けてくれるかが気になります。
※写真は特記以外、今年9月撮影
【追記】
本稿執筆時点では、T-14編成のクモハ114ー1627はスリットタイプのタイフォンカバーになっていませんでしたが、その後変更されたため、見出しと本文を修正しました。(2023.10.6)
※クモハ114ー1627は以下をご覧ください