金沢の市内交通の素顔を探る(バス路線図も一気に収録)

記事上部注釈
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北陸地区最大の都市である金沢市。しかし、その中心部には軌道系交通機関がありません。では、どのように移動するのでしょうか。その素顔を探りました。また、多くのバル路線図も一覧に示しています。

写真1. 香林坊はバス王国

復習:金沢駅と金沢市中心部の位置関係

金沢市には新幹線も停車する金沢駅がある、そんな印象もあるでしょう。すぐに思い浮かぶ地域の拠点駅は実は金沢市の中心部に位置していません。

図1. 金沢駅と中心部(香林坊)の位置関係(googleマップより引用)

金沢駅と中心部の香林坊の位置関係を示しました(図1)。観光客に人気の近江町市場はこの中間にあります。そして、北陸鉄道の駅は以下の通りです(図2)。

図2. 金沢駅と野町駅の位置関係(googleマップより引用)

金沢駅と野町駅の位置関係を示しています。いずれも香林坊から離れており、中心部を通っていないことがわかります(いずれも郊外方向に路線が伸びています)。

このように、金沢市中心部は金沢駅から離れており、軌道系交通機関がないことがわかります。

金沢市中心部のバス交通

では、金沢市中心部の交通はどうなっているのでしょうか。正解はバス交通システムが確立されています。特に、金沢駅東口-武蔵ヶ辻-香林坊は多くの系統が集中しており、待つことはあまりありません。

この区間を中心にいくつかのバス会社が参入しています。

  • 北鉄バスの路線バス
  • 北鉄バスの城下まち金沢周遊バス
  • まちバス
  • 金沢ふらっとバス
  • 西日本JRバス

図3. 北鉄バスの路線図(北鉄バス公式サイトより引用)

図4. 北鉄バスの城下まち金沢周遊バス(北鉄バス公式サイトより引用、図3と向きが違うことに注意!)

図5. まちバス経路(まちバス公式サイトより引用、図3・図4ともに図の向きが異なることに注意)

図6. 金沢ふらっとバスの路線図(金沢ふらっとバスの公式サイトより引用)

図7. 西日本JRバスの路線図(西日本JRバスの公式サイトより引用)

観光客向けの路線は北鉄バスの城下まち金沢周遊バスがオーソドックスでしょう。ただし、金沢駅-武蔵ヶ辻-香林坊は北鉄バスの路線バスも利用できます。一方、ひがし茶屋街と武蔵ヶ辻の本数は少ないです。

このほか、金沢ふらっとバスが細かな場所を結んでいる印象です。

残念なのは、これらの系統をまとめて1枚の地図にしていないことです。金沢駅のバスターミナルでそのような路線図を求めましたが、そのようなものはないと紹介を受けました。観光客が多いので、不慣れな人のためにそのような一元化した案内があると良いと思いました。

不慣れな観光客は1日乗車券(800円)を金沢駅バスターミナルなどの販売所(バス車内では売っていない!)やのりまっし金沢で購入すると便利だと思います。

実際に市内のバスに乗る

御託はこの程度にして、実際にバスに乗ってみましょう!

金沢駅-香林坊方面

まず、金沢駅から香林坊方面(香林坊の1つ手前で降りた)までのメインラインに乗ってみました。

写真2. 目的地別の発車案内

目的地別の発車案内です(写真2)。香林坊方面に向かうのは先発が南部車庫行き、次発が北陸大学太陽が丘行きです。行先はまったくぴんと来ませんが、金沢駅と北陸大学太陽が丘を結ぶ系統がたまたま香林坊を通っている、と考えると理解しやすいでしょう。

地方都市で良くある光景が、観光客で混雑する観光路線バスと乗客のいない路線バスの構図です。しかし、金沢ではこのようなシステムのおかげか、均等に利用されているように見えました。

写真3. 金沢のメインラインとあって利用者も多い

金沢のメインラインということもあり、利用者も多いです(写真3)。前述の通り、案内がしっかりしているので、利用者が周遊バス以外にも分散されているのです。特に玄関駅からの乗車であれば、土地勘が全くない状態での利用ですから、このような案内が重要と実感できます。

写真4. 中心街に向けて走る

中心街に向けて走ります(写真4)。

写真5. 武蔵ヶ辻付近を走行中

武蔵ヶ辻付近を走行中です(写真5)。

写真6. 南町・尾山神社に到着

南町・尾山神社に到着しました(写真6)。停留所の数は少なく、軽快に走っていたように感じました。拠点間を移動するには、(停留所が多くて時間のかかる観光バスより)路線バスが良いと感じました。

写真7. 時刻表が複雑!

多くの系統が集まっていることもあり、時刻表は複雑です(写真7)。ここから香林坊へはどの系統でも迎えるのですが、21世紀美術館方面は系統を選ばねばなりません。

ひがし茶屋街-武蔵ヶ辻方面

金沢でも人気のスポットの1つがひがし茶屋街です。ここから金沢駅方面にバスで行くことができます。

図8. ひがし茶屋街と金沢駅の経路(googleマップより引用)

ここでのポイントはひがし茶屋街から金沢駅に向かうという点です(逆ではありません)。確かに金沢駅からですと先着経路が表示されていますが…。

写真8. 新バスシステムで表示される

新バスシステムで表示されます(写真8)。いまや、このような表示は「新」ではなく「いにしえ」なのですが、パタパタによる表示であっても液晶表示であってもわかるので、良いとしましょう!

図9. 橋場町の停留所マップ(北鉄バスの公式サイトより引用)

橋場町の停留所マップを示しました(図9)。4番のりばと5番のりばから出発します(1番のりばからだと大回りするので時間がかかります)。では、その距離はどの程度でしょうか。

図10. 橋場町の停留所間の距離(googleマップより引用)

停留所間の距離を示しました(図10)。220m離れ、それも横断歩道を1回渡るのは非常に労力がかかります。したがって、2つののりばから本数が確保されているといっても、実態は全く別の停留所というのが実感です。ひがし茶屋街であれば、お茶屋でゆっくりすれば良いだけかもしれませんが、交通機関としては落第点です。

こればかりは仕方ない面もあります。ひがし茶屋街を中心に路線網が考慮されているわけではなく、経路上の道路の都合の良い場所に停車するためです。これは案内面で何とかなるように思います。新バスシステムで別ののりばのバスも表示し、ここにいるのりばから徒歩5分程度かかることを明記するとだいぶ明確になるでしょう。

このときは、ちょうど時間が開いてしまったので、武蔵ヶ辻まで歩きました。武蔵ヶ辻から金沢駅までは本数が多いことを知っていたので、ここからバスに乗るのです。

写真9. 歴史を感じさせる金沢を歩く

歴史を感じさせる金沢の中心部を歩きます。知らない場所を歩くという意味では旅行らしさを感じましたが、不便さを実感させられる場面でもあります。このときは時間に多少の余裕があったので、まあ良かったのですが。

写真10. 金沢を歩く

独特の風情があり、悪いものではありませんが、本当はバスで快適に移動したかったのです。

写真11. 武蔵ヶ辻から乗る

そうして武蔵ヶ辻から乗ることにしました(写真11)。ただし、武蔵ヶ辻の乗り場も複雑です。

図11. 武蔵ヶ辻の停留所

武蔵ヶ辻の停留所案内です(図11)。香林坊方面は2番のりば、金沢駅方面は5番のりばです。道路事情的に集約できないのはわかりますが、1番のりばと2番のりばは統合できましょうし、5番のりばと6番のりばも統合できると思います。そうすれば、多少は単純になりましょう。

それがかなわないのであれば、新バスシステムを他ののりばからの便も表示させるだけでも違います。そして金沢駅にあるようなシステムを導入すれば、現状のバス路線網やダイヤでも便利になりましょう。

香林坊の光景

南町から香林坊までバスに乗った際(1日乗車券なので、1区間だけ乗っても金銭的に損しない)、香林坊の光景を見ました。

写真12. バスから降りる人々

バスから降りる人々です(写真12)。ここ香林坊が金沢の中心に位置することを実感します。

写真13. 多くの人がバスを待つ

多くの人がバスを待っています(写真13)。多くの路線が毎時1~2本であり、目的地に向かうバスまで待ち時間が発生するのでしょう。複雑怪奇なバス路線網を使いこなす金沢人の姿です。

金沢のバス路線を堪能して

今回はこの程度しか記事を書きませんでしたが、他にもバスに乗っています。このときに感じたのは路線網はそれなりに便利にできているが、その便利さを実感するには情報量が足らない、ということです。典型的な例は、違うのりばから発車する便が表示されていないことです(もしかしたら私がある程度詳しいがゆえにそのような不便さを実感するのかもしれませんが)。

また、バス路線図が一元化されていない点も気になりました(金沢駅では金沢駅から出発する路線図をくれましたが)。

したがって、現状の路線網であっても、以下の施策を行ったら、使い勝手は改善すると思われます。

  1. 一元化した路線図を発行(大手の北鉄バスか行政機関の金沢市か?)
  2. 金沢駅にある主要目的地への先着案内を、各観光地で掲示する(別ののりばから出発する便も含め、現在の遅れも表示できればベスト)

そして、定時運転確保とわかりやすさのためには、軌道系交通機関も重要ではないでしょうか。例えば、北鉄金沢-野町まで香林坊経由の地下線を建設し、15分間隔で運転するのです。

図12. 軌道系新線の構想(googleマップより引用)

図13. 市内循環路線

市内循環路線も妄想しました(図13)。この経路も15分間隔で運転すればかなり便利になります。

最後は妄想になってしましましたが、部外者視点では金沢の交通網は惜しい気がします。これからもその惜しい部分をブラッシュアップすれば、かなり使いやすい交通網の都市に発展するように思いました。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)金沢駅を楽しむ(構内図も収録、23年夏)

金沢の市内交通の素顔を探る(バス路線図も一気に収録):現在地

金沢の街歩き観光(→次)

★この旅行のまとめ:23年夏能登・金沢旅行のまとめと振り返り

(参考)この日の旅程は以下の通りです。

出発地発時刻手段到着地着時刻
和倉温泉9:02特急金沢10:05
金沢の街歩き観光
金沢市内で宿泊
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