本日、JR各社が新幹線と在来線特急列車との乗継割引を廃止すると発表しました。

この記事では、乗継割引の成り立ちと影響についてお話したいと思います。

  ​乗継割引とは

新幹線と在来線特急の乗継割引制度とは、分かりやすく言えば「新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合に、在来線特急料金や指定席料金が半額になる制度」です。

ただし、全ての列車に対して適用されるわけではありません。適用されるケースを全部書くととんでもない量になりますので、ここでは割愛させて頂きます。


  ​乗継割引の成り立ち

新幹線と在来線特急との乗継割引が始まったのは1965年10月のことです。東海道新幹線が開業してから1年後ですね。新幹線に接続する形で新設された列車「あかつき」「やくも」等の運行開始に伴い、旅客負担の軽減を目的としてこの制度が誕生しました。国鉄(JR)の特急券は1列車あたり1枚が原則ですので、これに配慮した形です。

その後も新幹線が延伸されるたびに適用列車は増えていったわけですが、2011年にJR九州が、2023年にはJR西日本の岡山以西が乗継割引制度を廃止しました。


   廃止理由

今回廃止する理由については各社ごとに少しニュアンスは異なる発表をしているのですが、まとめると「インターネット販売等の拡充により、乗継割引を利用するお客が減少しているため」というのが大きな理由のようです。


  ​影響が大きそうな列車

正直どの列車についても影響は大きそうなのですが、特に大きそうな列車を纏めたいと思います。



特急北斗:札幌駅と函館駅を結ぶ特急です。新幹線連絡は新函館北斗駅で行っています。距離が長いだけに、一番影響が大きそうなこの列車ですかね。

特急いなほ:新潟駅と酒田駅.秋田駅を結ぶ特急です。

関東から庄内地方に行かれる方は影響が大きそうです。

特急しらゆき:新潟駅と上越妙高駅.新井駅を結ぶ特急です。私の体感ですと、殆どの利用者が新幹線との乗り継ぎ利用です。

特急しなの:名古屋駅と長野駅・白馬駅を結ぶ特急です。かつては大阪駅からの列車も存在しました。

大阪、山陽方面から利用される方は名古屋駅で乗り換えとなります。

特急ひだ:主に名古屋駅と高山駅.富山駅を結ぶ特急です。

特急南紀:名古屋駅と新宮駅.紀伊勝浦駅を結ぶ特急です。東京から利用される方は名古屋駅で乗り換えとなります。

特急くろしお:京都駅.新大阪駅と和歌山駅.白浜駅.新宮駅を結ぶ特急です。東京や山陽・九州方面から利用される方は基本的に新大阪で乗り換えとなります。

特急スーパーはくと:京都駅と鳥取駅.倉吉駅を智頭急行線経由で結ぶ特急です。東京方面から利用される方は基本的に姫路駅で乗り換えとなります。


  ​代替手段は?

直接の代替手段ではありませんが、JR東日本の「えきねっと」やJR西日本の「e5489」では所定の料金よりも安い価格で切符を買うことが出来る場合があります。


​一言

乗継割引制度が廃止されてしまうということで、少し料金が高くなってしまうわけではありますけれども、電車賃だけでなく電気代等色々な物の値上がりが止まらないのが現状ですのでこれに関してはやむを得ないと思います。