午前11時42分に浜小清水駅を発車した釧路発網走行「快速しれとこ」は、網走国定公園の景勝地「小清水原生花園」にやってきた。(写真は「快速しれとこ摩周号」)

 

「北海道ぐるっと乗り鉄旅・目指せ2日で1,000km!」は8月末の旅なので、既に花の季節は終わりを告げていたが、

6月中旬から7月中旬頃には、ハマナス(バラ色)・エゾスカシユリ(オレンジ)・エゾキスゲ(黄色)などが、北の大地を彩る。

 

進行方向右側の丘の向こうにはオホーツク海が広がり、左側には湿原や濤沸湖(とうふつこ)が広がるこのエリア。

平坦な地形が続くので、キハ54も軽快な足取りだ。

午前11時46分、5月~10月の臨時駅「原生花園駅」に到着。

花の季節であれば、駅近くの「天覧ヶ丘展望台」から

このような眺望を楽しむことができる。遠くに見えるのは「濤沸湖」と「斜里岳」。

海側の景色も、ご覧のとおり。その名のとおり、とても美しいですよ。

でも・・実は今から約35年前、この美しい花の園は失われつつありました。

 

そこで、何とか「原生花園」を復活させようと、小清水町、国、道など、様々な方々が協力し、専門家の助言に基づき実施したのが大規模な「野焼き」。

ただ、このエリアには希少種のキリギリスが生息していて、地中にあるキリギリスの卵に、野焼きによる熱がどのような影響を与えるのか判断する必要があったんです。

 

それを判断する専門家との連携促進が、当時、文化財保護を担当していた私の役割でしたが、「あなたが担当者になってから、話が前に進むようになった」と地元の方に言われ、少しは「原生花園の復活のお役に立てたのかな?」と思っています。

 

ここに来ると、あの日の「野焼き」を思い出すな~

枯れ草が乾燥していて、風が吹くと炎が一気に走る。あのスピードには驚いた。報道関係者の方々も慌てて移動してましたね。

 

私にとって思い出深い「原生花園駅」を、午前11時46分に発車。

国道の側からパチリ!

※写真1~9:多くの観光客で賑わう「小清水原生花園」(原生花園駅付近)

 

「快速しれとこ」は草原に囲まれた直線区間を通り過ぎ、鉄橋を通過。

視界がスッキリしている時は、右側後方に知床連山!(朝のキハ40より)

午前11時51分、釧網本線で一番好きな駅「北浜駅」に到着。(写真は「快速しれとこ摩周号」)

「北浜駅」は、オホーツク海に一番近い駅。「鉄」の方々のみならず、国内外から多くの観光客が訪れる超人気スポット。

びっしり貼られている、全国から訪れた方々の名刺やメッセージカードは、その証。初めて見る人は、きっと驚くだろうね。

駅隣には展望台があり、ちょっと上って出会う眺めは想像以上。人で埋め尽くされることも、珍しくはありません。

 

網走行「快速しれとこ」で旅している時は、午前11時に開店する駅レストラン「喫茶・停車場」でのランチがお勧め。

 

格子窓越しに眺める景色とオホーツク海の爽やかな風、そして天井の首降り扇風機、最高です。

今日のランチは定番の「ポークチャップ」。

うわ~美味しそう・・いただきま~す!

ランチをいただいた後は、展望台でのんびりタイム。

列車はたま~にしか来ませんが、海を眺めているだけで幸せだね。

朝は観光客も少ないし列車も来るので、こんな眺めを独り占め。日によっては、

お~キハ40「宗谷本線急行型」と「ツートンカラー」の2両編成! ラッキー!

「快速しれとこ」をプラットホームで待ったこともあったな~

(※旅の様子は「冬の釧網本線・流氷編(2019年12月~2020年1月投稿)でご紹介しています。)

夜もいいでしょ・・

さて・・乗り鉄旅を進めよう。

「快速しれとこ」は、午前11時51分、北浜駅を発車。

終着・網走駅までは約10km。

青い空に青い海、釧網本線はいいね~

もっとこの景色を眺めていたいが、まもなく、この景色ともお別れか・・泣

それでは北浜~藻琴間の景色を、動画でどうぞ。(朝のキハ40より)

ガタン~ゴトン~ガタン~ゴトン~🎵

【撮影時間:53秒】

 

午前11時55分、藻琴駅に到着(朝のキハ40)。

 

藻琴駅は昭和の大ヒット映画「網走番外地」(1965年)のロケ地として知られ、主演の高倉健さんが降り立った駅。

多くの映画フアンが、いろんな思いを持ってここを訪れたのだろう。

藻琴駅を発車した「快速しれとこ」は、只今、国道244号線を並走中。

あ~ 懐かしいな~!この景色を見ると「インターナショナル・オホーツクサイクリング」を思い出す。

 

網走に住んでいた若い頃、7月開催の「インターナショナル・オホーツクサイクリング」に参加するため、6月から好天の朝は練習を兼ねて網走からここを通って北浜駅までサイクリングをしてました。

往復で20km。出勤前にロードバイクで海を見ながらスイスイ走って、風を切って気分は爽快! 

 

「インターナショナル・オホーツクサイクリング」は、海沿いの雄武町~網走市~斜里町を2日で約210km走る、参加者が約1,500人のビックイベント! 

UHB(北海道文化放送)さんが数年間、1時間のドキュメント番組を放送したので、地域の注目度はとても高かったんです。

ある年私は、主人公の女性サイクリストをスタート早々助けたことがきっかけで、その番組の主役の一人になり、岡村孝子さんの曲に乗って彼女と恋人同士のようになったんです・・笑 

番組上だけですが・・泣

 

でも・・一緒に駆け抜けた夢のような2日間を、忘れることはないですね。

 

話を乗り鉄旅に戻しましょう。

列車は海岸線を通り、左にカーブしながらトンネルを抜け、市街地の高架橋を下りると、まもなく釧網本線の終着・網走駅に到着する。


とても楽しかった釧網本線の乗り鉄旅も、終わりが近づいてきた。

 

網走駅が見えてきたね。さて、降りる準備をしよう・・泣

午後0時5分「快速しれとこ」は網走駅に到着!

網走は第二の故郷だが、網走駅の滞在時間はわずか5分。過去の思い出に浸っている余裕はない・・泣

 

網走駅からは、石北本線の遠軽行普通列車(左側のキハ40)に乗り換える。

やった~!運良く2両編成だ! 1人1ボックスの贅沢乗りになるかも・・笑

 

ぱぱっと座席を確保し、ささっとホームで写真を撮って、全速力で橋を渡って駅弁をゲット。できるかな~? 急げ~! 

※写真10~36:思い出がいっぱいあって、語り出したら止まらなくなる北浜~網走間

 

子どもの頃から釧路~標茶間を乗り、大学時代は網走行「快速しれとこ」と同じスジを走った「急行大雪3号」で標茶から網走経由で札幌へ行き、網走に住んでいた頃は網走~緑間を走る列車を駅などから眺めたり乗ったりした釧網本線。

 

思い出が多い鉄道なので、つい、ボリューミーになってしまいましたが、夏の釧網本線を少しでもご紹介できたとしたら、書き記してよかったなと思います。

 

「北海道ローカル線旅日記・夏の釧網本線」は、これをもって終了です。

ご覧いただきまして、ありがとうございました。

 

そして・・2024年3月のダイヤ改正で、キハ54とキハ40の姿が釧網本線から消えることとなりました・・泣

もう、この旅を再現することはできないのか・・寂しくなるな~

きっと多くの方々があなたの姿を、いつまでも記憶に残していると思います。長い間、本当にお疲れ様でした。

(2023.12.15追記)

 

 

(おわり)

 

 

*追伸

普通列車と快速列車を乗り継ぐ「北海道ぐるっと乗り鉄旅・目指せ2日で1,000km!」(2014年8月30~31日)は、まだまだ続きます。

 

2日目の後半は石北本線(網走~旭川)からスタートですが、ボリューミーなので、来年、ご紹介いたします。

 

次回からは「秋の道南いさりび鉄道+寄り道編(2018年9月)」。どこに寄り道するのかね?