KATO　丹鉄KTR8500形の加工に悩ましい刻印614

京都丹後鉄道のKTR8500形への改造に際して、使用する動力ユニットには手持ち品の都合からフライホイール付のキハ80用を前提にしています（→こちら）が、本来であれば、加工作業が最も少なくて簡単な中間車キハ84用を使用するのが最適です。一方で、キハ84用の動力ユニットは、キハ85系製品自体の人気と品薄状態から中古品価格も高騰しており、非常に入手困難な状況です。共通設計が徹底されているKATO製品ですから、他車種にも採用されている筈と、手持ち車両で再確認してみることにしました。

キハ84-3（第一世代製品：品番10-316）の下回りを分解しました。

21m級の動力ユニットのダイキャストシャーシには、品番を示す614の刻印がありました。キハ84(M)の品番は6037ですので、品番614のパーツが共用（流用）されていることが判明しました。

品番614とは、キハ58(M)の初期製品のことです。（品番4桁化に際し、品番6014に変更）

キハ58(M)の初期製品の下回りです。これを分解して、キハ84用と突き合わせてみます。

キハ58用（左側の黒色）と、キハ84用（右側の銀色）は、共に614の刻印です。

キハ58用（手前の黒色）と、キハ84用（奥側の銀色）とは、色こそ違いますが同一のダイキャストシャーシが使用されています。

一方、キハ58用の動力ユニットは、現行製品（品番6113/6127）ではフライホイール仕様に変更され全く別物になっていますが、初期製品から現行製品に至る過程で、初期製品を改良した過渡期の製品も存在しており、これも確認しておきます。

手前の初期製品（品番614/6014）に対し、奥側の過渡期の製品（品番6048）では、床下機器（モーターカバー）が黒色から灰色に変更され、車輪が銀色から黒色になっています。

下回りでは、手前の初期製品（品番614/6014）にはライトユニットが装着されていない（オプション扱いで電球仕様）のに対し、奥側の過渡期製品（品番6048）ではLED方式のライトユニットが標準装備され、シート形状に変化が見られますので、分解してダイキャストの刻印を確認します。

左側の初期製品（品番614/6014）、右側の過渡期製品（品番6048）は、シャーシの色こそ違いますが刻印は共に614でした。異なる箇所は、過渡期製品には台車からモーター寄りに丸穴が開いており、これはライトユニットのON/OFFスイッチの操作用に追加された穴です。（初期製品用のオプション・ライトユニットにはON/OFF機能がなかった）

手前が初期製品（品番614/6014）、奥側が過渡期製品（品番6048）です。モーターが、5極から互換性のある青色マークの3極に変更されているものの、基本構成は同一品でした。なお、過渡期製品のライトユニットのON/OFFスイッチの操作用穴が、前後の台車付近に開けてあることから、同時期に生産された両運転台のキハ52（品番6041）にも共用されていたものと思われます。余談ですが、キハ58を改造して両運転台化されたキハ53-100/200/500番台のM車を作る際にも使用できそうです。また、キハ85系の第三世代製品（品番10-1404）にも後者が使用されています（第二世代製品の動力車は手持ちにありませんので未確認）。

手持ちの21m級で、フライホイール仕様ではない車両がもう1両ありました。