京都と下関を結ぶJR山陰本線。このうち京都~園部間は「嵯峨野線」の愛称で親しまれています。そんな嵯峨野線ですが、”関空快速”がたびたび姿を見せるようになったのです!!

 

〇概要

 といっても、関空快速が京都にやってきたわけではなく、関空快速として走っていた車両が嵯峨野線などを走行している、というお話です。

 この写真にある車両は「223系2500番台」に分類されます。大阪方面~関西空港を結ぶ「関空快速」、大阪方面~和歌山を結ぶ「紀州路快速」として活躍し、今でも一部は阪和線で活躍していますが、一部は京都の車庫に転属され、嵯峨野線や湖西線で活躍しています。

 

〇車両の特徴

 この車両の大きな特徴は、座席配置が2列+1列のクロスシート(向かい合わせの座席)となっていることです。通常クロスシート車両の座席は2列+2列で配置されていることが多いので、少し珍しい形態がとられています。

 これは、関西空港へのアクセス列車という役割を担っていたことが関係しています。空港利用者は大きなスーツケースを携えている人も多いため、荷物を置くスペースを確保するために、2列+1列という座席配置が採用されました。

 

〇嵯峨野線で長所を活かす!!

 この座席配置は、嵯峨野線においては大きく役立っています。というのも、嵯峨野線は京都から嵐山へのアクセス路線ということもあり、土休日を中心に多くの乗客で賑わっています。

 この写真に出ている普通嵯峨嵐山行きは、大型時刻表を含めてどこにも掲載されていない臨時列車です。というのも、JR西日本はコロナ禍による行楽需要の減少により、京都~嵯峨嵐山間の運行本数を5本→4本(快速含む)に減便していました。

 しかし、今年に入り、嵯峨野線では行楽需要の回復により、乗客が乗り切れないほど混雑が激化していました。そのためJR西日本は、土休日の日中に京都~嵯峨嵐山間に臨時列車を設定して対応しています。

 座席数の少ない2列+1列シートという配置は、それほどの混雑に対応しなければならない嵯峨野線で運用することで、効果をいかんなく発揮していそうです。

 

〇2019(平成31)年3月には新駅開業

 2019(平成31)年3月16日(土)、山陰本線(嵯峨野線)の京都~丹波口間に、新駅「梅小路京都西」駅が開業しました。このたび、初めてこの新駅を使ってみました音譜

 

 駅近くには梅小路公園があり、隣接して京都鉄道博物館、京都水族館と、京都の新たな遊び場が立地しています。

 

 

 今まで京都鉄道博物館や京都水族館に行く場合は、京都駅から20分ほど歩くか、市バスを使う必要がありました。新駅開業を機に、鉄道でアクセスできるようになり、利便性は大きく向上しました。

 この日は8月最後の日曜日だったこともあり、行楽客の利用もみられました。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。2009(平成21)年に複線化事業が完了し、嵯峨野線は大きく利便性が向上しました。嵐山へのアクセス路線としても広く認知されてからは、インバウンド需要もあり、行楽シーズンを中心に激しく混雑するまでになりました。

 また、新駅開業により、京都鉄博や水族館へ向かう需要も取り込むことができるようになり、嵯峨野線はさらに使い道が広がりました。

 その増える需要に、元”関空快速”はこれからも応え続けていくことになるでしょう。