NO.2916 試験運行を行っていた大分県内高速バスの姿(後編、大分バス・大分~湯布院・佐伯線) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 平成30年12月から令和元年9月まで運行しておりました、大分県内を試験運行した高速路線バスの話題をご紹介しておりますが、前回NO.2915では令和元年6月上旬に利用しました、亀の井バス・日田バスが運行しておりました、湯布院~日田線の乗車の模様を皆様にご紹介しておりました。

 

 この湯布院~日田線は、いずれも日田・湯布院(由布院)が観光地でもある事もありまして、高速路線バスとして、その観光地間を結び、当時見られておりましたインバウンド客を取り込むべく平成30年12月から運行されていたものでありまして、日田バスが日田発1本のみ、亀の井バスが残り2往復を担当していたものでありました。

 

 しかし、ふたを開けてみますと、1日の平均利用者が約14.4人との事でありまして、5本存在していた事から平均利用者が約3人と非常に少ない事が明らかになっておりましたし、肝心のインバウンド客も多く取り込む事ができなかった路線でもありました。

 

 そして、この利用の後の令和元年6月22日には亀の井バス便が画像にありますサッポロビール工場発着と言う形でも運行されておりましたが、残念ながら今回ご紹介します2路線とともに同年9月末に運行を終了しております。

 

 さてこの回では、上の画像1・2にもありますように亀の井バス便(大分22か20-46、日野KC-RU3FSCB)に乗車しまして、日田バスセンター(当時、現・日田バスターミナル)から湯布院駅前バスセンター間を乗車した際の模様をご紹介しておりましたが、乗客は非常に寂しく私1人のみでもありました。

 

 しかも、使用車両が高速用の車両ではなく貸切用の車両でもありましたが、それでも私自身乗車する機会が少なかった西日本車体(西工)C-II架装車でもありましたし、さらに乗車しましても乗車する場所に合う事がありませんでしたサロン部にあたります最後部に乗車しまして、1段高い所からの姿は普段とは違ったような印象であったようにも思いました。ちなみに、貸切車と言う事もありまして、高速車両には設けられておりますコンセント・Wi-Fiは設けられておりませんでした。

 

 尚、この車はその後廃車となっておりますが、これまでも貸切とともにこういった高速路線バスとしての運行も見られておりましたのでご覧の皆様の中にも乗車された方もいらっしゃるのではないかとは思いますが、そう言った実績があったと言うのも記憶に残る部分ではないかとも思う所ではありましょうか。

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、同じく湯布院発着の試験運行路線でありました、大分バス運行の大分~湯布院線にもこの日乗車しましたのでその模様をご紹介しますとともに、同じく大分発着の試験運行路線でありました、大分~佐伯線に関しましても皆様にご紹介してまいります。

 

 

 この2路線は、平成31年4月から9月末までの約半年の間存在した路線でしたが、大分~佐伯間に関しましては、かつて国道10号線経由の路線バス「佐伯急行」に加えまして高速バスも存在しておりまして、ご覧の皆様もご存知の方がいらっしゃるのではないかと思います。この路線の使用車両も、かつてはトイレ付きのハイデッカー車両も存在しておりましたが、現在はノンステップバスの大型・中型車両がメインとなっておりまして、車両も大きく様変わりしております。

 

 (「佐伯急行」、12916・日野QKG-KV290N1)

 

 

 また、大分~湯布院間に関しましてはこれまで運行実績はありませんでしたが、大分市から由布市間へは挾間町へは路線バスは運行されておりますが、今回湯布院地区へ高速路線バスとして乗り入れるに至っておりました。

 

 停車地は、大分~佐伯線に関しましては・・・

 県庁正門前~大分市役所合同新聞社前~中央通り(旧トキハ・フォーラス前)~要町~椎迫~(ノンストップ)~コスモタウン~大手前~佐伯駅

 

 でありまして、朝に佐伯発1本、夕方に大分発1本での運行で所要時間約1時間15分で運賃は1500円(当時)となっておりまして、犬飼経由(1700円)より安価でありましたし、大分~湯布院線に関しましては・・・

 

 中央通り~要町~椎迫~(ノンストップ)~道の駅ゆふいん~湯布院駅前バスセンター

 

でありまして、本数は2往復、所要時間約50分で運賃は800円(当時)となっておりました。

 

 

 この2路線の使用車両は、いずれも佐伯営業所に所属しておりました、以下画像の西工S型(42162・三菱KL-MS86MP)や日野セレガ(12742・KC-RU3FSCB)、そして今回利用しました車の3台のうちのいずれかが使用されておりまして、これらは佐伯・臼杵~大分空港線「佐臼ライナー」に使用されている車がこの2路線でも使用されるに至っておりまして、運用の行路は佐伯→大分→湯布院→大分→湯布院→大分→佐伯と言う運用となっておりました。

 

 (42162)~現在廃車

 

 (12742)

 

 

 さて、ここからは令和元年6月上旬に利用しました、大分~湯布院線の乗車の模様をご紹介してまいりますが、前回日田バスセンターから画像の湯布院駅前バスセンターまでやって来ておりましたので、今度はその湯布院駅前バスセンターから大分駅の所にあります要町(大分駅高速バス乗場)まで利用しておりました。

 

 

 ただ、この時少々時間がありましたし、天候も激しい雨で撮影も困難でもありましたので、私は湯布院駅前バスセンターから徒歩2分ほどにあります由布院駅の横に平成30年にオープンしておりました、以下画像にもあります「由布市ツーリストインフォメーションセンター」と言う所に足を運びまして、発車数分前まで時間を潰しておりました。

 

 この「由布市ツーリストインフォメーションセンター」は、以下画像のJR久大線由布院駅構内に設けられておりました観光案内所を移転したものでありまして、ここでは由布院の観光にはなくてはならない「辻馬車」やレンタサイクルの受付、そして手荷物預かり所などが設けられておりますし、図書スペースも設けました待合スペースも揃っております。

 

 それにしても、木材をふんだんに使っている建物である事を実感しますが、この建物は、建築家であります坂茂氏の設計のものでありまして、上部にありますY字型のアーチ柱の姿が特に目を引く所でもあります。特に2階の図書スペースへと行きますと、よりそう言った姿が見られておりまして、窓も大きい事もありまして、大変明るい施設である事を伺わせております。尚、この施設内にはWi-Fiが設けられておりますし、テーブルも窓側にありますし、一部にはコンセントもありますので、パソコンを持ち込んでいる方には特に優しい所ではないかと思います。

 

 (2階図書スペース)~Y字型のアーチ柱の姿が特に目を引きます

 

 2階からの由布院駅前の眺めであります。画像左側がJR由布院駅、奥に見えますのが土産物店であります「日乃新」、そして湯布院駅前バスセンターはその横と言う事になります。この撮影時も激しい雨が引き続き降っておりましたが、先述のように発車数分前まではこの場所で時間をつぶしておりましたので、いい時間つぶし場所ができていたなと実感したほどでした。

 

 

 そして、私はバスセンターへと足を運びまして、画像の車で大分へと向かいます。よく見ますと、西工02MCC-I架装車でありまして、フロントマスクの姿が見ていて印象的な姿でもあります。行先はノンストップ 大分と記されておりまして、確かに道の駅ゆふいん~椎迫間ノンストップでもありますのでわからなくはない所ではあります。

 

 この車は、社番12784で平成15年式でありますが、相方には残念ながら現在は廃車となっております、福岡線「とよのくに号」に使用されておりました、3列シート・中央トイレ車の12783も存在しておりました。尚、形式は日野セレガRである事からKL-RU4FSEAとなりますが、日野セレガR自体少数となっている事もありまして、この車は貴重な車となっております。

 

 また、導入からはもっぱら画像にもあります大分~熊本線やまびこ号にも使用されておりまして、連日大分~熊本間を運行しておりましたが、平成28年頃に「佐臼ライナー」に転用されておりました。そして、ご紹介しておりますように大分~佐伯・湯布院間にも運行されるに至っておりました。

 

 (「やまびこ号」時)

 

 (令和3年1月撮影、「佐臼ライナー」)

 

 

 さて、今回利用しました便では、湯布院駅前バスセンターで10名、大雨の中道の駅ゆふいんで1名の乗車がありまして、11名で確定しておりました。それにしても、この車には16年(当時)経過しまして初めて乗る車でありましたが、座席も少々くたびれた感も見られておりまして、それほど経過している事を伺わせてもいたほどでした。

 

 (座席)~少々くたびれている姿もありました

 

 

 車は、雨と霧の中湯布院インターから大分自動車道を走っておりましたが、大分自動車道特有の霧の姿がすごくて車窓の光景を伺う事ができませんでした。それでも、道路上に照らし出されております光をたどって駆け抜ける姿が見られておりまして、今回担当されておりました大分バスのドライバーがそれほど霧には慣れている事を伺わせる姿も見られておりました。

 

 (別府湾サービスエリア付近)

 

 (霧でわかりません)

 

 それでも、明礬温泉付近を走行する際には硫黄のにおいが車内に充満しておりまして、これで明礬温泉付近を走行している事を伺わせたほどでありました。実際に、スマートフォンの地図アプリではその場所を指しておりまして、ちょうど通過していた時でもあった事を実感するほどでもありました。

 

 

 こうして、霧と言った障害もありましたが、それでも数分遅れた程度で要町バス停に到着しました。その際にはJR大分駅に近い所にバス停が設けられている事もありまして、私を含め半数以上の乗客がこのバス停で下車しておりまして、乗客のほとんどは雨が降っている事もありまして、大分駅方面へ足早に進んで行かれておりました。

 

 

 その後、この2路線は冒頭ご紹介しました湯布院~日田線とともに、残念ながら9月末で運行終了となります。正直、この2路線に関しましては利用し甲斐もあったのではないかとは思っておりましたので、この運行終了は残念としか言えようがなかったでしょうか。尚、使用車両に関しましてはすべて佐伯営業所から姿を消しておりまして、この時乗車しました12784は現在は大分南営業所でスクール用、他の2台に関しましては廃車となっております。

 

 

 前回・今回と試験運行で運行されておりました大分県内高速路線バスに関しましてご紹介しましたが、湯布院~日田線に関しましてはやむなしかなと思った反面、大分~湯布院・佐伯線は通勤利用・観光利用としてテコ入れを行いますと良かったのではないかと思っただけに、先述のように残念でならない所ではあったように思いますし、使用されております車両も休ませるよりは動かす事ができていたようにも思います。残念ながら、この3路線は過去のものとなってしまいましたし、現在は乗務員不足もありまして復活は正直難しいとは思いますが、またいつか復活を願いたい所ではあります。