ここは平安神宮神苑。入口から数分歩いたところに古い路面電車が保存されています。
この車両は京都市交通局2号電車。明治44年生まれの現存する日本最古の路面電車です。引退は昭和36年。狭軌線として最後まで残っていた北野線の廃止時に路線と運命を共に……とならず、京都市から払い下げられて平安神宮庭園内に保存されました。(説明板より)

塗装は北野線で活躍していた頃のもの。かなり退色が進んでカスカスです。保存場所は屋根付きですが、どっさり葉っぱが積もっています。ファンからしたら手入れをして欲しいところですが、場所が平安神宮の庭ですから仕方ないでしょうね…。
しかし、この傷んだ姿が神苑の景色にすごく溶け込んでいるのは確かです。あんまりピカピカじゃ神聖な雰囲気に合わないでしょうし。

屋根のスタイルどっかで見たことがあるなぁと思ったら、愛知県犬山の明治村に保存されている京都市電と同形式だったようです。あらゆる部分が全然違いますが、平安神宮の車両は引退当時のまま、明治村の車両は引退後デビュー当時の姿に復元されたものだからです。
明治村には8号と15号がそれぞれ1号と2号に改番されて村内を往復しています。明治村ではSLと並び重要な交通手段です。
また同様に復元され、さらに蓄電池電源となった27号が梅小路公園内のチンチン電車として活躍中です。

京都の観光地の1つ、平安神宮。その中にある平安神宮神苑は普通に見る価値のある素晴らしい庭でした。「2号路面電車」目的でもそうでなくても是非一度訪れてみてほしい場所です。
※平安神宮自体は入場無料ですが、神苑に入るには大人600円の入場料がかかりますのでご注意。