昨年10月、青春18きっぷの秋バージョンともいえる『秋の乗り放題パス』を
利用した2泊3日の東北旅行、その2日目。
まずは、前日に散々乗った701系にまた乗車して、
田沢湖線で盛岡へ向かいます。
2022年10月22日(土)
早朝の大曲駅より旅はスタートです。
大曲 7時02分 → 盛岡 8時26分 田沢湖線 普通 盛岡行き
新幹線・在来線直通のミニ新幹線である秋田新幹線の走行ルートとなる田沢湖線。
新幹線走行のため線路幅が在来線より広い標準軌へと改軌されています。
狭軌の線路が並行する大曲~秋田間と異なり普通列車も標準軌の線路を走行するため
専用の車両が用意されています。それがこの701系5000番台です。
尾灯が上部に移動しているため表情が異なりますね。
車内はセミクロスシートとなっています。
大曲から約20分で新幹線停車駅でもある角館に到着。
みちのくの小京都といわれ、城下町。武家屋敷が有名です。
秋田内陸縦貫鉄道線の分岐駅でもあります。
列車は水田地帯を走行します。
神代駅より先は徐々に山間部へと分け入っていきます。
毎時1~2本ある秋田新幹線に対し、各駅に止まる田沢湖線の普通列車の本数は
かなり少ないものとなっています。
岩手県側の盛岡~雫石間が13往復で、
うち県境を跨ぐ大曲~盛岡直通列車は3往復しかありません。
主要駅間の輸送は全て新幹線が行っているといって差し支えない状況でしょう。
土曜日とはいえ田沢湖駅から越境通学の高校生の利用があったのには驚きました。
田沢湖駅から隣の赤渕駅までは18km離れており、間に2つの信号所があり
雫石駅で、仙台始発便の秋田行きこまち95号とすれ違います。
雫石より先は盛岡駅へ向かうにつれどんどんと乗客を拾っていきます。
盛岡駅に到着しました。
2時間半ほど時間があるため、盛岡市内を散策しましょう。
秋ですねぇ。
バスで盛岡城址公園へやって来ました。
太平洋戦争時の金属供出で持ち去られて以降このままなのだとか。
もりおか歴史文化館を見学した後、啄木・賢治青春館へ。
建物自体は旧第九十銀行として1910年に建てられた貴重なもの。
レトロモダンな建物が多く残る盛岡。
こちらは岩手銀行赤レンガ館。
東京駅丸ノ内駅舎と同じ建築家が設計というのも納得な立派な建物。
さて、ここまで盛岡観光を楽しんだところで
この旅の『ついてない』ポイント③。
盛岡バスセンターからバスで盛岡駅へ戻ろうとしたときのこと。
盛岡駅までは比較的多くの系統が重なり本数が多いことがわかっていたので
車種を選んで古そうないすゞジャーニーKの盛岡駅方面行きのバスに乗車。
出発してものの5分ほど。
運転席から聞こえてきたのが、「すいません間違えました」
まさかの路線バスが経路間違い。
本来、左折する交差点を直進してしまった様子。
不幸にもUターンできる場所や他路線の経路がなく、
どんどん離れていってしまい、元の経路に復帰するまで10分近くを要しました。
そんなこんなで盛岡駅に無事着いたものの、余裕時間を失いました。
次に乗る列車の出発間際です。
盛岡 11時09分 → 宮古 13時30分 山田線 快速リアス 宮古行き
JR東日本が誇る超秘境路線の山田線に乗車します。
『快速リアス』は、1980年台前半まで運行されていた三陸方面への各急行列車を
引き継ぐ愛称付き速達列車で、盛岡~宮古間で1.5往復運行されていますが、
山田線の運行本数自体が非常に少なく、盛岡~宮古直通列車は日に4往復しか
ありません。
今回乗車する列車も宮古行きとしては6時台の普通列車に次ぐ2番列車ということになります。
ここで『ついてない』ポイント④。
快速リアス とにかく大混雑。
2022年10月といえば、コロナ渦における国の旅行・観光業支援策であった
全国旅行割の期間真っ最中。
加えてJR東日本からは『鉄道開業150周年記念 JR東日本パス』という
JR東日本では珍しく特急券付きの爆安乗り放題乗車券が発売中であり適用期間。
時刻は午前中の、新幹線から接続できる下り列車という
見事なまでに悪条件が重なり2両編成の快速リアスは超満員でした。
バスの遅延でギリギリに乗り込んだため席にありつけるわけもなく、
2時間半の立ちっぱなしが確定しました。
おいそこ、混雑する車内で酒盛り始めるんじゃあないよ。
盛岡から10kmほど、ギリギリ盛岡郊外の町といえる上米内。
折り返し列車が日に3往復設定されています。
ここで宮古からの上り快速リアスとの待ち合わせですが、来ません。
車掌によると落ち葉による空転で遅れているとのこと。
加えてこの列車につきましても空転による遅延が見込まれますとの案内が。
5分ほど遅れて上米内駅を出発。
列車はここから山道へ挑みます。
上米内駅から隣の区界(くざかい)駅までは25.7km離れており、
JR東日本の在来線の駅間距離として最長となっています。
2016年までは間に大志田・浅岸の駅がありましたが廃止となっています。
人のほぼ住んでいない山林の中を列車は時速50km/hほどで進んでいきます。
どこまで行っても山の中。
紅葉だけは綺麗ですが、この落葉が列車遅延の原因となっています。
現に時折、上り勾配で列車は止まりそうな速度までになります。
川内駅を通過。宮古方に折り返し列車が1.5往復設定されています。
快速リアスは区界・松草・平津戸・川内・箱石と駅を通過していきます。
うち平津戸駅についても利用者僅少のため今年3月に廃駅となりました。
上米内から1時間20分以上ノンストップで走り続けて陸中川井駅に到着。
このあたりからようやく駅周辺にだけ集落が現れるようになります。
やはり列車が10分程度遅れていることに気付きます。
区界で峠を越えて以降、列車はずっと、蛇行する閉伊川に沿って走ります。
山田線に平行して国道106号線が通り、『106急行』という都市間バスが走ります。
そちらには経費が投入されてトンネルやバイパス等新道の建設が進む中、
山田線は旧態依然であり、山田線がかわいそうに思えてきます。
2010年に起きた土砂崩れ現場での脱線事故以降運休となっていて、
そのまま廃止、バス代替となってしまった哀れな路線。
JR東日本の路線の中で輸送成績が最低の路線でした。
8分ほど遅れて列車は宮古駅に到着。
宮古駅。時計の針は13時45分を指しています。宮古周辺を観光する予定でした。
『ついてない』ポイント⑤。
列車の遅れにより路線バスを逃す。
景勝地、浄土ヶ浜へ行く13時40分発の路線バスに乗ることができませんでした。
困った。
1時間待つのもアレなので、道の駅へ向かうことにしました。
別の系統のバスで、できるだけ近いところまでバスに乗り、歩いて海辺の道の駅へ。
道の駅に着くまでには巨大な防潮扉が。
すぐ脇の建物に、震災の津波の高さが示してあります。
道の駅みやこ。愛称はシートピアなあど。
浜磯ラーメン。磯の香りたっぷり。わずかにカニが入ってるのがうれしい。
この道の駅にも浄土ヶ浜行きのバスが乗り入れるため時刻表を見ると…。
14時48分発。あるにはあるんですが、、、
『ついてない』ポイント⑥。
14時台のバスだけ奥浄土ヶ浜に寄らない。
これ以外の便は海岸まで行ってくれるんですが、
14時台の便は山の上の道路を通って宮古病院へ。
地域住民の足なので仕方ないんですが。
いちばん近いバス停から山道を10分ほど下って浄土ヶ浜へ。
これが浄土ヶ浜。天気もどんより。
静かな浜でした。
歩けばいろいろあったみたいですが、下手に動いてまたバスに乗り遅れたりしては
いけないのでここに留まりました。
こんな静かな浜でも津波の被害があったようで、
その様子の写真を見たときには息をのみました。
ここも丸々二階まで波に呑まれたそうです。
写真のバスは浄土ヶ浜エリアを巡回するバス。
一般路線バスと同型です。
1時間ほど滞在して、宮古駅までバスで戻ります。
宮古駅に戻ってきたのは16時40分。
すでに予定していた釜石方面の列車は行ってしまっています。
『さんてつや』でお土産・グッズを買って時間をつぶします。
宮古 17時51分 → 釜石 19時14分 三陸鉄道線 普通 釜石行き
震災からの復旧に際して2019年にJRから三陸鉄道に経営移管された区間。
久慈~宮古の北リアス線、釜石~盛の南リアス線、宮古~釜石の旧山田線区間が
統合して全長163kmの『三陸鉄道リアス線』となりました。
山田線の由来となる陸中山田駅はこの路線にあります。
今回使用している切符は三陸鉄道線で使えないため、通常の切符を購入です。
『ついてない』ポイント⑦
予定から遅れたので真っ暗。 しゃーない。
この区間の景色はまた次来たときに持ち越しです。
『ついてない』ポイント⑧
たたみかけます。
釜石駅に到着する直前。
列車が衝撃とともに急ブレーキをかけて停止します。
列車が鹿と衝突。
運転士さんが手慣れた様子で降りていき、その場で安全確認。
約10分ほどで運転を再開しました。
遅れて釜石駅に到着。
両石駅方面は三陸鉄道の路線となりましたが、JR線の色のまま描かれていますね。
夜間滞泊をしている釜石線の観光列車『SL銀河』号の客車。
夜に見ると青が際立ちます。
これについて詳しくは次回。
釜石駅舎には銀河鉄道イメージのイルミネーションが施されています。
今夜は釜石で一泊。
さあ、事前に調べていたお店で食事、と思っていたのですが…
『ついてない』ポイント⑨
訪問予定のお店が予約のみ営業
団体予約が入っていたらしく、門前払い。困った。
他のお店は時間的に閉店しているか入りづらい居酒屋ばかり。
結局は↓↓↓
安心安定のイオンでおかずを買いあさって、ホテルで晩酌としたのでした。
めでたしめでたし。
さて、次の日は釜石線の旅。
民話の里、遠野へ向かいます。
次回もお楽しみに。