いよいよ南武線の浜川崎支線に新型電車E127系が走ることになります。

多少の小改造は施してあるものの、新たな番号で区分けはされず、2両編成2本が鎌倉車両センター中原支所に配備されました。

具体的な営業運転開始日が何時かというのは決まっていない・・・いや、9月13日辺りから運用に入るというのがJR東日本のプレスリリースでも発表されているようです。

 

ホームの有効長の関係からでしょうか、浜川崎支線の旅客列車は常に2両編成であることが条件とされてきました。現在の主力車両である205系は中間車を先頭車に改造して2両運転に対応させましたが、国鉄時代に2両運転が出来る車両は限られていました。その代表格が旧型国電で、ご多分に漏れず浜川崎支線でも17m級のクモハ11-クハ16がピストン輸送をしていました(弊愚ブログのNo.1062で紹介済み)。

そんな旧型国電も老朽化は如何ともし難い状況になり、昭和55年に置き換えを実施することになりますが、前述のように国鉄の新性能電車で改造無しで2両固定が出来るのは数えるくらいしかなく、車両の運用担当者と需給関係者は頭を抱えていました。

国鉄末期の魔改造で新性能電車でも2両運転が出来るような車両が増えましたし、世が世であれば105系を投入するという選択肢もあったかもしれませんが、まだ105系は世に出ていません。因みに103系にはクモハ103とクモハ102がありますが、昭和国鉄の頃の103系はクモハ103は地上用車両で、クモハ102は地下鉄乗り入れ用の車両。地上用の車両と地下鉄乗り入れ用車両とでは、特に電動車ユニットは互換性が無いので、ユニットを組んで走らせることは不可能だそうです。そこで「こいつも老朽化に足を突っ込んでいるけど、背に腹はかえられない」と白羽の矢を立てたのが101系でした。

 

 

そう、101系は105系が登場するまで新性能電車で唯一の2両固定が組める車両でした。

他にも北海道用の711系も2両固定がありましたが、あれはあくまでも試作車両。だから除外します。

クモハ100とクモハ101のユニットで昭和55年11月17日から営業運転を開始しました。

 

当初、浜川崎支線の101系は短命とされていました。

前述のように老朽化に片足を突っ込んでいる車両ですし、その翌年に105系が登場した時、「遅かれ早かれ105系に置き換わるのでは?」と予測する者もいました。実際、期待した人もいたのでは?

まぁ、オリジナルの105系は3扉というのがネックになったのかもしれませんが、浜川崎支線は山手線や京浜東北線ではないので、朝夕を我慢すれば、3扉でも十二分に本領を発揮したかもしれませんね。今回のE127系も3扉ですし。

おそらく(105系投入に関しては)計画の俎上には乗ったと思いますが、やはり財政難というのが一番大きいのだと思います。

 

ところが、いざ蓋を開けてみれば、浜川崎支線には予備を含めて3本の101系が配備されましたが、「短命」という予想を裏切って民営化後も生き残り、気がついたらJR線上に残った最後の101系となりました。

投入当初は画像のように南武線の本線と同じ、カナリアイエロー1色塗りでしたが、民営化後はクリームをベースに、緑系の腹巻きを巻く浜川崎支線独自のカラーに塗られて21世紀まで活躍。平成15年12月に改造205系に置き換わる形で最後の1本が運用を外れ、国鉄/JRにおける101系の歴史は終わりを告げました。モハ90系として登場した昭和32年から実に46年、国鉄新性能電車のパイオニアは伝説になりました。もっとも、その頃はまだ秩父鉄道に身売りした車両が活躍を続けていたので、完全な伝説にはなっていませんでしたが、私も101系末期の頃に乗りに行った記憶があります。

 

JR東日本は老朽化した205系の後継車両という位置付けで鶴見線にオールニューの新型車両、E131系を導入すると発表しましたが、既に房総地区や日光線、相模線での活躍が注目されている期待の新型車両、投入線区に合わせた編成を組めるのが特徴なんですけど、多分、鶴見線向けの車両は3両固定になると思われます。であれば、E127系を導入する前に浜川崎支線にも2両固定のE131系を導入して、鶴見線と一緒に置き換えるという選択肢は無かったのでしょうか・・?

 

 

【画像提供】

ま様

【参考文献・引用】

東日本旅客鉄道株式会社公式ホームページ

鉄道ピクトリアルNo.724、874(いずれも電気車研究会社 刊)

ウィキペディア(JR東日本E131系電車)