NO.2908 開業日に撮影!日田彦山線「BRTひこぼしライン」(その2、彦山→大行司移動他編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 8月28日に開業しました、これまでのJR日田彦山線の添田~夜明間を「BRT(バス高速輸送システム)化しまして運行されております「BRTひこぼしライン」初日の模様の話題をご紹介しておりますが、前回NO.2907では彦山駅構内編をご紹介しておりました。

 

 この区間は、平成29年の「九州北部豪雨」で非常に大きな被害を受けた場所でありまして、利用者が非常に少ない区間でもありますので、このまま廃止か鉄道復旧か、そして「BRT」化かとも言われておりましたが、結局は日田彦山線としての鉄道復旧は断念、日田彦山線の名称は残ります「BRT」化へと進んでおりました。

 

 そんな日田彦山線「BRTひこぼしライン」でありますが、利用者が昼間を中心に立ち客も見られるなど快調な滑り出しとなっておりますが、そんなこの区間ではJR九州バスによりまして運行されておりまして(一部日田バス委託)、専用車が7台(中型いすゞエルガミオ3台(続行用含みます)・小型BYD製電気バス4台)でこの区間を運行しておりまして、上の画像の2色に加えまして、後述のように他に4色の中型・小型車両が運行されております。

 

 さて、彦山駅は旧駅舎は大きな駅舎となっておりましたが、以下画像のように英彦山神宮を模した形で駅舎が建設されておりまして、旧駅舎は姿を消しております。さらに、駅構内も2面3線ありました構内も「BRT」乗場として大きく変わっておりまして、バス専用道路の出入口の駅としての姿も見られております。

 

 (日田方)~中央にあるのは折り返しスペースです

 

 (旧1番ホームのホームも残ります)

 

 

 さて、今回その2では、以下画像にあります新たな電気バスに乗車しまして、大行司駅までの乗車の模様、そして新たに設けられました大行司駅のホームの部分までを皆様にご紹介してまいります。

 

 

 上の画像・後述のように、「ひこぼしライン」では複数のゲートが設けられておりますが、電気バスは彦山駅のバス専用道路入口にありますゲートを抜けまして、彦山駅の「BRT」ホームへと入ってまいります。ゲートを抜ける際には、運転席にありますリモコンで開けるようにもなりまして、それからゲートを抜けていくようになります。

 

 

 今回乗車しました電気バスは、彦山駅を発ちまして南下してまいります。この「BRTひこぼしライン」では、鉄道時代は一般道側に踏切が設けられておりましたが、こちらは逆に専用道路側にゲートが設けられている場所がありまして、その分確実に一旦停止が必要になります。やはり、そういった所も鉄道時代とは大きな違いでもありましょうか。

 

 (一般道路と交わる所にゲートがあります)

 

 

 それでも、この区間では一般道路を走りませんので、速度はそんなに出さないとは言いましてもスムーズな運行が見られております。ただ、幅もそんなに広くはない分、特に中型のいすゞエルガミオでは運転士の方のしっかりとしたハンドルが要求される事には間違いない所ではあります。

 

 (別位置)

 

 

 彦山駅を発ちまして約5分、深倉駅にやってきました。この「BRTひこぼしライン」では、これまでも述べておりますように本来ならば「バス停」と言う所も「駅」として扱われます。また、専用道路区間では停車が必要になっておりまして、この深倉駅も周囲に民家も少ない所はありますが、そういった所でも必ず停車するようになります。

 

 尚、一般道区間の「駅」については、これまで駅として存在していた所(歓遊舎ひこさん・豊前桝田・大鶴・今山・夜明・光岡各駅)では必ず停車するようになりますが、それ以外の新たに設けられた「駅」では乗降客がいらっしゃらない場合は通過するようになります。

 

 

 さて、深倉駅を発ちますと、次の駅は筑前岩屋駅となります。この区間には4380メートルもあります釈迦岳トンネルを控える所でもありますが、その前にわずか57メートルと短い深倉トンネルも通過するようになります。尚、日田彦山線のこの区間は元々3つ設けられるようになっていたそうでありまして、現在の深倉~彦山間にも二又トンネルと呼ばれるトンネルも工事しておりましたが、こちらは昭和20年の爆発事故でトンネル・山ごと吹き飛ばされまして大惨事を起こしていた所も存在しておりました。

 

 (深倉トンネル)

 

 そして、深倉トンネルを抜けますと、すぐに釈迦岳トンネルに入ります。この釈迦岳トンネルは全長4378メートルもあるトンネルでありますが、トンネルに入る際には、運転士の方より「これより全長約4380メートルもあります釈迦岳トンネルに入ります」と言う案内もなされておりました。

 

 トンネルに入りますと、延々と画像のような姿が見られておりますが、3000メートルも進んだ所ではもやがかかっている所も見られておりまして、そこを抜けますと後述のような姿も見られるようになります。しかも、まっすぐしておりますので、本当に長いなと言う事を実感しますが、かつては九州一の長さを誇るトンネルでもあったそうですので(在来線では現在は長崎線長崎トンネル(6173メートル)です)、そう言われてもおかしくない所でもありましょうか。

 

 

 さて、長いトンネルに入っている間に、今回乗車しておりました電気バスを紹介してまいります。今回乗車しましたBYD製の電気バス、乗車しましたしゃくなげカラーであります社番は130-22007との事でありました。他には(130-は省略)、水郷カラーが22006、ゆずカラー(画像2・最後の画像)が22008、棚田カラーが22005、そしていすゞエルガミオがあやめカラーが331-23610、やまなみカラー(画像1)が331-23609となっております。

 

 今回しゃくなげカラーと言う事もありまして、座席の色も赤地の色となっております。それにの姿も見られておりまして、まさに「ひこぼしライン」である事を伺わせております。

 

 さらに、USBポートも見られておりまして、携帯電話・スマートフォンの充電にもってこいの部分を見せております。日田~添田間通し利用となりますと、1時間30分~40分は乗車しないといけない場合もありますので、そういった時にはありがたい所もあるのではないでしょうか。

 

 こちらが運賃表であります。この運賃表も近年よく見られる液晶式のタイプとなっておりまして、大きな表示で後ろもわかりやすいのがいいのではないかと思います。尚、これまでもご紹介しておりますように「BRTひこぼしライン」は乗車券は「青春18きっぷ」などの企画乗車券以外では線内で完結する形となっておりまして、これまでできておりました「大回り乗車」での通過はできなくなっております

 

 そして、登録番号と所属支店表示でありますが、ここであれ?と思われた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、名札が見られなくなっております。最近バス・タクシー業界では法改正によりまして、乗務員の名札掲示が廃止される所が見られておりまして、JR九州バスでもそれにあやかっている事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 さて、長~い釈迦岳トンネルを抜けようとしております。先では明るい光が見られておりました。このトンネルに入っていた間は約6分、本当に長い事を実感する所でもあります。

 

 

 トンネルを抜けますと、車内は曇ります。先述のようにもやがかかっていた所もあったためではないかと思いますが、それだけトンネル内とトンネル外と温度が違う事が伺える所でもあります。

 

 

 トンネルを抜けた所には筑前岩屋駅がありますが、こちらは下車もしました次回ご紹介します。筑前岩屋駅を出ますと、画像のような姿が見られておりまして、田畑が広がっている事がお分かりいただけるのではないかと思います。私自身もこれまでもずっと前に見ていた光景でもあっただけに、こうした光景が見られる事を実感する姿でもあります。尚、この間にはコンクリート橋の3箇所(栗木野・宝珠山・第二大行司各橋梁)も通過するようになります。

 

 (別位置)

 

 この途中には、画像のような姿が見られておりますが、この付近が7月の大雨で路盤が崩れた所でもあります。そういう事で、開業も間に合うのか?と言う域もありましたが、何とかこうして開業に至る事ができまして良かったと思っております。それにしても、この区間もこれまでも大雨被害が多い所でもありますので、今後そうした事がない事をただただ願うばかりではあります。

 

 この車窓に大きな建物が見られますが、ここが「ほうしゅ楽舎」と呼ばれる宿泊施設があります。こちらも「九州北部豪雨」で被災していた施設でもありましたが、この9月に営業を再開しております。このように「九州北部豪雨」の被害があった所も再開へ至る事ができている事はうれしい所でもありましょうか。

 

 

 彦山駅を発ちまして20分少々、今回乗車しましたしゃくなげカラーの電気バスは大行司駅にやってまいります。降車の場合には路線バスのように降車ボタンを押すようにもなります。

 

 

 こうして、彦山駅を発ちまして22分、大行司駅へとやってまいりました。バス自体電気バスゆえ静かな音でもありましたし、車内でも静かでもありましたので、比較的乗り心地は良かったのではないでしょうか。しかも環境にも優しいでしょうからまさに「適」とも言えましょうか。

 

 

 さて、この大行司駅はかつての鉄道ホームから日田寄りの所にバス乗場が設けられております。その鉄道ホームも現在も残されておりまして、かつての名残を残しております。

 

 (かつてのホーム跡)

 

 「九州北部豪雨」1年後の平成30年訪問時撮影の大行司駅ホームであります。画像からもわかりますように、2面2線のホームでありましたが、上の画像の現在としますとかつての名残が残されているなと言う事をも実感できます。

 

 そして、こちらが平成30年撮影と、新たな乗場が設けられております現在の日田方であります。画像の比較からもわかりますように、ちょうどポイント手前の部分にホームを設けられておりまして、この姿からもここまで変化が見られている事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 大行司駅「BRT」ホームです。このベンチに使用されております木材は、令和3年に開催されました「東京オリンピック」で使用されておりました東峰村産の杉を再利用しておりまして、それを地元の学校の生徒さんによりまして製作したものを使用しております。実際に、その証としましてそう言った表示も刻印されておりまして、今後ずっと残る事にもなる分、記念に残る事にもなるようであります。

 

 (日田方面ホーム) 

 

 (添田方面ホーム)

 

 (オリンピックで使用していた事を表す刻印、その下の画像は学校で製作した事を表すものも見られます)

 

 この駅にも、運行状況の案内が日田方面で見られております。この運行状況はスマートフォンでも見られますが、それでもこのように駅で見られるのはよりわかりやすくていいでしょうか。

 

 

 今回は、日田彦山線「BRTひこぼしライン」に乗車しまして、釈迦岳トンネルを抜けまして大行司駅まで乗車しました模様をご紹介しましたが、4キロもの長い距離の釈迦岳トンネル、さらにコンクリート橋梁も専用道として活用されている事は再利用できている分いいのではないかと思います。しかも鉄道時代から引き続きまして、「駅」と名乗る所からもバスのようで鉄道のような印象が出ているのもよりそう思う所でもありましょうか。次回は、「BRT」ホームから長い階段を降りた所にあります大行司駅の駅舎など、そして特に被害を受けました筑前岩屋駅での模様をご紹介しますので、次回もご覧になっていただきたいと思います。