町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

廃車が進むかつての新快速用フラッグシップ車両、JR東海311系

2023年09月05日 | JR線

JR東海発足から2年余りが経過した198979日、夏のダイヤ改正と金山駅の開業で新快速・快速が増発されることを受け、当時中部地区近郊輸送用の一般型電車として増備されていた2115000番台をベースに311系が導入されました。本系列は快速運用主体になることから転換クロスシート仕様の車内とし、1989311日より設定された新快速運用に集中投入され名古屋都市圏輸送の改善に大きく貢献しました。1990年には最高運転速度を120キロ化し全列車を311系化、それまで運用されていた117系は快速・普通列車運用に回されるようになりました。9年後の1999年には313系が登場し、新快速からは一時期退くも2008315日から再び定期運用が復活し引き続き東海道本線名古屋地区の主力車両として運用が続いて来ましたが、2022315日より分割民営化初期の車両の置き換え用に315系が登場、同年518日には2編成8(G8G12編成)が定期運用を離脱し、翌日19日付けで初の廃車となりました。今後も315系増備に合わせて更なる廃車が進む見込みです。

211系の基本デザインを取り入れつつ曲面ガラスの採用で柔らかい正面スタイルとなった311系。現在は浜松〜米原間の普通列車と武豊線区間快速が中心ですが、平日朝には8両編成の普通列車の他、土日祝日は新快速・特別快速の運用も設定され、全盛期を偲ばせる姿を見ることが出来ますが、廃車が進行した現在は313系の代走も多くなりました。

写真は何れも最終増備車に当たるG14編成ですが、4両編成15本の総勢60両の割に形態差が多く、G15編成と写真のG14編成は車端部と中央ドア付近の窓が固定式とされています。また、G1G5編成にあった列車番号表示器がG6編成以降は省略、車外スピーカーを冷房キセ内に移設するなど外観上の変化がある他、車内の配色(後述)にも差異が見られます。

グレートーンで統一され2人掛け転換シートが並ぶ落ち着いた雰囲気の車内。登場から2007年までは一般型電車にしては珍しくカード式公衆電話も設置されていました。妻面貫通扉はダークグリーン系で天井の色調が周りの化粧板と揃えられていますが、G1G5編成の貫通扉はクリーム色で天井は中央部がダークグレーとされています。

基本的に進行方向を向いて座ることを想定し、車内案内表示器はドア上ではなく妻面部と先頭車の乗務員室仕切り上に設置されました。デジタル時計と一体化した今では珍しい設備ですが、中部地方では他事業者にもロングシート通勤車でありながら妻面(あるいは貫通扉上)に設置するケースが見受けられ、この辺は関東地方との考え方の違いを感じさせる部分です。

登場時は名古屋都市圏輸送のフラッグシップ的存在だった311系ですが、現在はすっかり廃車が進行し、前述したように元々少なかった運用が313系により代走されることも増加しています。今後は東海道本線向け315系の登場が予想され311系の活躍もそれまでかと思われますが、民営化初期の輸送改善に貢献した車両だけに、最後の活躍も抜かりなく記録したいですね。


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