非貫通形先頭車のキハ85-0番台を動力車化して、京都丹後鉄道のKTR8500形に改造するにあたり、KATO製のキハ85系先頭車を動力車化されている前例をネット上で探してみました。

 

貫通形先頭車を多数連結した編成や、近年の南紀に見られた貫通形+非貫通形の先頭車2両編成を再現するために、貫通形先頭車キハ85-100/1100番台をキハ85系用動力ユニットで動力車化されている例が幾つかありました。

 

非貫通形先頭車キハ85-0番台の動力車化をした例は、キハ85-0番台の2両編成で、鉄コレ用動力ユニットを搭載、後部のみ駆動台車(鉄コレ動力台車を使用) にされて、京都丹後鉄道に譲渡回送中の姿を再現されたものが、YouTubeのショート動画(タイトル「キハ85 丹鉄へ」 #動力化)にありました。これらも参考にさせて頂き、加工作業に着手することにしました。

 

使用する動力ユニットは、フライホイール仕様のKATO製キハ80(品番6063)用で、キハ30用の動力台車を装着した手持ち品です。(→こちら

 

念のため、先ずは中間動力車のキハ84に問題なく装着できるかを確認しておきます。

スムーズに装着できました。

 

キハ84(T車:右側)と比べても車高に差がなく、この動力ユニットが問題なく使用できることが確認できました。

 

 

非貫通形先頭車キハ85-0番台に、上記の動力ユニットを装着するための準備作業から始めます。動力ユニットをボディに装着するには、側面窓ガラスに加工が必要です。

非貫通形先頭車キハ85-0番台の窓ガラスです。

 

中間動力車キハ84の窓ガラスで、同形式のT車にも同一品が使用されています。

 

手前が非貫通先頭車キハ85-0番台用、奥側が中間動力車キハ84用の窓ガラスです。下部に張り出した突起部分に設けられた穴(貫通しておらず、掘り込まれた溝)を比較すると、何れにもある横長の穴はT車床板の取付用です。更にキハ84用には、その内側上方に小さな横長穴があり、これが動力ユニットの取付用になっています。

 

当該箇所を拡大してみました。横長穴の右上にある小穴が動力ユニットの取付穴で、先頭車用の窓ガラスにもこの小穴を追加します。

 

表面を下側にした中間車の窓ガラスの上に、先頭車の窓ガラスを同様に重ねて、車内側に油性ペンで小穴の位置をマーキングしました。

 

4ヶ所にマーキングを済ませました。

 

マーキングした4箇所に動力ユニットの取付穴にする下穴を、表面側からそれぞれ3個ずつ開けました。ドリルの刃をφ0.5→φ0.8→φ1.0→φ1.2と順に交換しながら穴を拡大して、最後に先細の精密丸ヤスリで横長小穴に仕上げてあります。仕上がりの目標寸法は幅1.5mm×長4.0mmで、幅重視とし長さは多少短くても問題ありません。

 

小穴を開け終わった側面窓ガラスをボディに嵌めて、不要となる密連カプラーを外した状態の動力ユニットを仮装着してみましたが、ロック機能が働かず、ボディ側面も膨らみ気味で、これではまだ駄目です。

 

原因は、動力ユニットが装着されたキハ84用の窓ガラス(上側)には窓下部分に出っ張りがありませんが、キハ85用の窓ガラス(下側)には一部に出っ張りがあり、この部分が邪魔をして窓ガラスが浮き上がるため、動力ユニットがロックできないことが判明しました。

 

そこで該当する4ヶ所(赤色で示す)を切除することにします。4ヶ所を切断後にボディに嵌めて動力ユニットを装着したところ、ロックが掛るようになりましたが、まだ少し緩い感じがします。

 

連結面寄りのボディ下端が僅かに膨らみ気味です。動力ユニットの水色座席パーツの右端下部にあるボディマウントカプラーの装着部分で幅が広くなっており、窓ガラスのドア窓から右側下部(黒色の油性マーカーでマーキングした部分)が当たっていました。

 

窓ガラスで、当たる部分より少し大きめ(幅2mm×長9.5mm)に切り落としてから、指先を傷付けないように、尖った角部分にヤスリで丸みを付けて仕上げておきました。

 

座席パーツの最前部(左端)も幅が広くなっており、側面窓ガラスの下部が当たるのですが、窓ガラスのこの部分に前面ライトの遮光カバーを固定する突起が内側に設けてありますので温存し、この部分は座席パーツ側を加工することにします。側面窓ガラスの加工は以上で終了です。

 

側面窓ガラスを加工したことにより、動力ユニットがスムーズに装着・ロックできるようになりました。

 

ペアを組む予定(右側)の非貫通形キハ85-0番台と比べても、車高に差がなく上手くいきました。

 

動力ユニットが取り敢えず収まった非貫通形キハ85-0番台ですが、まだ何となく不自然に見えます。前面スカートが付いていないこと、台車と床下機器が異なっていること、窓配置と座席ピッチが一致していないこと、連結面側に床下機器とカプラーが付いていないこと等が原因です。

 

前面ライトの処置方法の検討も含め、動力ユニット周りの残作業がかなりあります。(続く)

 

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