新見から芸備線に乗車し備後落合に到着したところからの続きとなります。

「備後落合」

広島県庄原市西城町八鳥に位置し、地名には落合と言う文字は出て来ませんが・・・木次線、新見からと広島からの芸備線の3方面からの路線が「落ち合う駅」として名付けられたそうです(ボランティアで説明されている方が仰っていて、「なるほど!」となりましたびっくり)。何だかこの駅名にセンスを感じ、格好良く思ってしまいましたよ気づき

かの鉄道作家、宮脇俊三さんはこの備後落合が一番好きな駅と仰っていたらしいです。

 

ちなみにウィキペディアによりますと・・・JR西日本の中国統括本部が発足する以前は、岡山支社・広島支社・米子支社の境界駅となっており、各支社管轄の列車がこの駅を境に折り返しているとかかんとか・・・ここでも落合に通ずることになるのですねアセアセ

ホーム間の移動は跨線橋ではなく、構内踏切・・・と言っても現在のホーム端にスロープで接続し、第1種踏切がついているようなものではなく、写真のようにホームの一部に切り欠きと階段があり、ホームを行き来するタイプ。
昔は見かけましたが、こんなところで出会えるとはおねがい渡り板は綺麗に舗装されていますが、昔は木造でもっと凸凹があったものがほとんどだった記憶が。
本当にこの駅には昭和の名残がたくさんあり、この駅だけで1時間以上は過ごせそうな感じであります。
上2枚の写真は友人が撮影。
失礼ながら山間部の小駅にも関わらず、立派な駅舎に3番線まである長いホーム。そして横に広がる広い構内、そして転車台跡まで。ここが、中国地方の山間部の交通の要衝として栄えていたことを表していることが伝わってきます。ちょっと前までは2・3番線ホームに名物の「おでんうどん」を食べさせてくれる売店もあったとか。ちなみにおでんうどんは駅から15分程度歩いたところの道路沿いにある“ドライブインおちあい”で期間限定で食べられるらしいです。

その備後落合駅自動運行システムが導入され、列車もワンマン運転となった現在、駅自体も無人化。本数も限られていることから、駅構内にあった

駅前にはコンビニなんてあるわけもなく、自動販売機もありませんでした。無人駅ではあるものの、ボランティアの方が備後落合駅のグッズを販売されていたり木次線ホームではボランティアの方が備後落合駅の歴史についてお話をされています。

備後落合からは、これまた備後落合発着が1日3本しかない木次線に乗り換えます。
木次線はトロッコ列車「奥出雲おろち号」が運転されたりしているものの、この冬には廃止が発表され、線区自体が廃線の噂も。沿線は雪深く、冬季降雪があれば除雪することもなく長期運休にもなったりするためなかなか乗車するのも厳しい路線でありますタラー
事前情報では芸備線同様、青春18きっぷシーズンはラッシュ時並みの混雑で車窓云々の状態ではないと耳にしていたため、新見からや広島方面からの乗客が木次線に集中すると予測、宍道までの覚悟を決めていましたが、どうやら乗客も3方面へ分散されたみたいでありまして、列車待ちの行列は出来ていますが、席取り合戦の殺伐とした様相ではない様子・・・と言いながらも、勝手ながら、私は写真撮影をしたいからとわがままを言いまして、友人に行列へ並ぶのをお願いした次第で、友人よごめんなさいお願い
そうこうしているうちに木次線宍道行の列車が到着。こちらは鋼製車体のキハ120形0番台。窓は開閉可能な2段式ユニット窓で、キハ20形などの国鉄時代を彷彿たらこ色。ちなみに席取り合戦はボックス席をゲット??と言うか、ボックスもロングも含め、サラッと埋まる程度で、これから先の車窓も楽しめそうでありますチョキ
先ほど1日3本と書きましたが、要注意なのが毎月第2木曜日。朝と昼の2列車が備後落合~出雲横田間で線路保守の関係で運休となるようで、平日に乗りに行くには確認が必要であります。

※バス代行輸送があるようなので、何とか移動が可能ではありますが、その昔、JR西日本がとった施策でローカル線の保守を日中に実施し代行輸送は行わないみたいなのもありましたが、もう何処もやっていないのでしょうかね・・・ガーン

ちなみに備後落合駅の14時台、芸備線三次方面から14:21着(折り返14:39発)、芸備線新見方面から14:28着(同14:36発)、木次線から14:33着(同14:43発)とわすか3分でありますが備後“落合”の名の通り、3方面からの列車がこの駅に集まります。
構図が悪くてすみません。時間があまりないものでホームを行ったり来たりするのが怖くて・・・写真で3列車が集まっているのがわかるでしょうか!?
束の間の落合でしたが、まず初めに芸備線新見方面行きが14:36に出発。
そして14:39に芸備線三次行きが出発。

最後、私たちの乗車する木次線宍道行が14:43に出発することとなります。

1日のうちのほんの少しの間だけ乗り換え客で賑わい、山間部のターミナル駅として栄えた日を取り戻すような時間・・・過去の備後落合駅はどんな位、賑わっていたのか知る由もありませんが、2列車が出発したあと静寂を取り戻した駅に感傷的になってしましました。

 

“ターミナルの遺構を残す秘境駅”

誰が言ったかわかりませんが、この雰囲気、今度はゆっくり味わいたいものであります。

 

ちょっと気になりまして、備後落合駅を発着する列車がどんなものかと・・・

1982年現在、木次線は8.5往復の列車が設定されており、広島方面と米子を結ぶ優等列車、急行ちどりの名前も。
同じく1982年芸備線。
新見方面は8往復、三次方面は9往復と木次線からの急行みよしを含めると11往復。
芸備線のみを走行する急行たいしゃくと言う列車も見えます。
そしてJR西日本の支社間と言った垣根もなかったため(岡山と広島の各鉄道管理局はあったでしょうが)、広島~新見の直通列車が多く設定されています。
こちらはその5年後、国鉄最後の月となる1987年3月の芸備線、本数は9往復と本数は少し減っていますが、急行の運行もあります。
同じく1987年3月の木次線。
こちらは変わらず8.5往復運転されており、急行も1往復残っています。
あと、沿線にある三井野原スキー場への臨時快速の存在。上りの快速「三井野原スキー6号」はなんと福山20:26発福塩線経由の夜行?列車びっくり正確には00:30着なので夜行ではないのですが・・・
色々と気になりすぎて、過去の時刻表まで引っ張り出して調べたら、より一層備後落合駅の歴史に興味を持ち、再訪したくなった次第であります。
 
備後落合から先、木次線につきましては続きます。