続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

宮島フェリー普通連絡終了へ

 8月30日のJR西日本とJR西日本宮島フェリーと連名のプレスリリースで、JR西日本宮島フェリーで9月と10月からICOCAを利用した新サービスを始めることを発表しました。

【9月13日から実施】

  • 宮島口から宮島へ渡る際は乗船前に宮島口での改札に変更(現状は下船時に宮島で改札)
  • ICOCA対応の自動改札機を設置
  • JR宮島口駅でのICOCA定期券の発売(フェリー単独とJR連絡の両方)

【10月1日から実施】

  • ICOCA残額を利用してJR→宮島フェリー乗り継ぎ時にWESTERポイントを10ポイント還元
  • JRとの定期連絡の縮小と普通連絡の終了

宮島桟橋の券売機 2020/10/10

 宮島桟橋の券売機や有人窓口は残るかと思いますが、基本的には宮島口までの乗車(船)券や手回り券を発売するのみとなりそうです。

 今回の一連の措置は10月から宮島のある広島県廿日市市が宮島に来島する人から1人1回100円の「宮島訪問税」を徴収することに伴うものです。宮島は住民の数に対して来訪者の方が極端に多いため、増大する行政サービスの費用の一部を来訪者に負担してもらおうというのが宮島訪問税の主旨です。

 なお、以下の場合は課税対象外もしくは課税免除で宮島訪問税の支払いは不要となります。

課税対象外条件

  • 廿日市市宮島区域に在住・在勤・在学している者

免除条件

  • 未就学児
  • 高校までの学生・生徒や引率者が修学旅行等の学校行事で来島する場合
  • 療育手帳、精神障害者保健福祉手帳または身体障害者手帳を交付された者

 宮島訪問税は船舶事業者が運賃に上乗せして徴収することになっていて、課税対象者は宮島口から宮島に渡る際に運賃180円(小児90円)に宮島訪問税100円(小児同額)を加算した280円(小児190円)が必要になります。逆に宮島から宮島口に戻る場合は運賃だけで済むため往復で支払額が変わります。

 ちなみに「秋の乗り放題きっぷ」や「青春18きっぷ」等JR西日本宮島フェリーが利用できるフリーきっぷでも宮島訪問税だけは別途支払いが必要になります。

ななうら丸 2020/10/10

 鉄道連絡船としての宮島航路の歴史は1903(明治33)年に当時の山陽鉄道が航路の運航会社を買収したことに始まります。その後山陽鉄道が国有化され鉄道院→国鉄→JR西日本と運営母体が変遷しています。

 国鉄からJRへ継承された航路は1988(昭和63)年に青函航路が、1990(平成2)年に宇高航路が廃止され、宮島航路が唯一となっていました。宮島航路はその後2009(平成21)年にJR西日本から「JR西日本宮島フェリー」に分社化され現在に至っています。

大野浦駅運賃表と宮島部分を拡大したもの 2018/7/2

 広島地区の駅の運賃表には今も直営時代の名残で宮島フェリーが表記されています。10月以降はJR線との普通連絡がなくなるため、この部分は消されるか枠内の注記の内容が変わると思われます。

www.imadegawa075.net

 11年前の記事で宮島フェリーを取り上げて以来それっきりでした。普通連絡が終了してしまうのを機に宮島関連の手持ちのきっぷを漁ってみました。

JR→宮島航路

 古くはこのような鉄道と航路が一体となった硬券乗車券が発売されていました。こうして見ると鉄道の乗車券とまったく区別が付きません。JR西日本は平成5年1月末で硬券の使用を終了したと認識しているんですが、この券は平成5年10月なので宮島航路関連は例外的に使用していたのでしょうか???

宮島航路→JR

 こちらは宮島発の航路→鉄道連絡の乗車券です。これも鉄道の乗車券と区別が付きませんが、発売箇所表記が「宮島営業所」となっているのが特徴的です。

宮島航路マルス券

 分社化される前の直営時代のマルス券です。JR西日本管内はもとより全国の駅から宮島まで発売できました。経由の「宮島航路」という部分が非常にステキです。

分社化後の連絡券(再掲)

 分社化された後の平成24年に購入した宮島までの乗車券です。経由に接続駅の宮島口が印字されていて、社線連絡券のようになっています。

券売機の連絡券

 広島地区の近距離券売機で購入した宮島までの乗車券です。〇〇線と連絡会社線が印字される部分には「JR宮島フェリー」と、金額ではなく着駅の宮島が印字されています。

いずれも直営時代の宮島→宮島口の乗車券

 直営時代に宮島桟橋で発売していた宮島~宮島口の宮島航路完結のきっぷの一部です。券売機あり金額券あり硬券ありでバラエティーに富んでいます。POSでも発売していたようですがあいにく手持ちがありません。

分社化前に発売されていた常備券

 硬券がなくなって以降だと思いますが、宮島口と宮島では券売機の他にこのような常備券も発売していました。経由は自明なので棒線になっています。宮島口は駅ではなく桟橋で発売していたので「宮島口桟橋」という発売箇所表記になっています。逆に宮島は「宮島営業所」から「宮島駅」と鉄道駅のような表記になっています。

 首都圏在住なので宮島はそう頻繁に行けるところではないですし、課題は少しずつ解決していくスタンスなので、POS券や分社化後の常備券など宮島関連だけでも結構集め漏れはあります。そのへんが若干悔やまれるところですが、まぁしょうがないかなと思っています。

【補足:2023/9/25】

 JR西日本の平成5年10月の硬券ですが硬券の常用を終了した平成5年2月以降も大規模駅やPOS化されなかった小規模駅で残券を販売していたという情報をいただきました。