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【工事本格化】相鉄本線鶴ヶ峰駅付近地下化工事 2023年8月下旬の状況

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神奈川県のターミナル駅である横浜を起点に、海老名、湘南台への2方向へ足を延ばす横浜のローカル私鉄「相鉄」こと「相模鉄道」

2019年11月30日よりJR線との直通運転でJR新宿駅への乗り入れを開始。(新横浜線羽沢横浜国大まで部分開業)
今年2023年3月18日には、東海道新幹線との接続点である新横浜駅まで乗り入れ、新横浜駅を介して、
東急電鉄とその先への地下鉄へ乗り入れを果たすなど、令和の時代に大きく変化した大注目の鉄道です。

直通運転の事業がひと段落した今、相鉄本線はさらに変化しようとしています。それは、鶴ヶ峰駅付近の地下化です。
今回は、2022年より事業が本格化した鶴ヶ峰駅付近の地下化工事の、2023年8月下旬現在の様子をお伝えします。

著者プロフィール
この記事書いた人

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業とは?

相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業とは、相模鉄道本線西谷~鶴ヶ峰~二俣川間の内、
事業区間が、旭区西川島町付近から旭区二俣川2丁目付近までの約2.8km、事業区間の内、約2.1kmを地下化し、踏切を除去する事業です。

この相鉄本線西谷~二俣川間は、11カ所の踏切が設けられています。
いずみ野線と新横浜線の電車も走るため、相鉄本線の中で最も運行本数が多い区間となっています。

鶴ヶ峰駅近くにある水道道と交差する、鶴ヶ峰2号踏切を中心に慢性的な渋滞が発生。
相鉄本線の中で最も運行本数が多い区間のため、渋滞に拍車をかけています。
付近には商店街がある事や、駅から鶴ヶ峰北口バスターミナルへ向かう道となっているため、歩行者にも危険が及ぶ可能性もあります。

同区間にある踏切は、ピーク時遮断時間が1時間の内40分以上が遮断される踏切が10カ所中9カ所で、周辺地域が分断される状況にもなっています。

今回の連続立体交差事業によって、二俣川駅付近にある鶴ヶ峰10号踏切道を除く、10カ所(西谷3号、鶴ヶ峰1号~9号)の踏切を排除。
慢性的な交通渋滞の解消や、災害時等における緊急活動の円滑化、分断されたまちの一体化を図るとともに、踏切事故の解消による運転保安度の向上を図ります。

この地下化事業は鶴ヶ峰駅付近を除き、現在線の直下に敷設。
鶴ヶ峰駅部分や、西谷駅と二俣川駅付近にある地上と地下を結ぶ線路付近を除き、大部分をシールド工法で掘削し、新横浜線のような複線シールドトンネルとなる予定です。

地下化後の鶴ヶ峰駅は、現在の鶴ヶ峰駅を安全に利用できるようにするため、工期の短縮を図るため、現在駅の北側にある横浜市の一体的な土地を活用します。
現在の鶴ヶ峰駅は、西谷方には制限60kmのS字カーブが、海老名方に大きなカーブが存在しますが、地下化によって駅が北側へ移設されると、駅両端にあるカーブも解消されることとなります。

今回の地下化事業を契機に、鶴ヶ峰駅北口周辺地区まちづくり構想が発表され、鶴ヶ峰駅周辺もより大きく変わる事となります。

出典:cdn.sotetsu.co.jp/media/2023/future/crossover/tsurugamine-crossover-document-2303.pdf
工区分け施工業者区間
1工区清水・五洋・鴻池・坪井・奈良建設JV西川島橋付近~鶴ヶ峰7号踏切道付近
2工区大林・鉄建・NB・馬淵・京成建設JV鶴ヶ峰駅構造部
3工区前田・西松・東洋・松尾建設JV鶴ヶ峰7号踏切道付近~鶴ヶ峰10号踏切道付近

2023年8月下旬現在の状況

2022年(令和4年)6月21日に神奈川県より都市計画事業として認可された「相模鉄道本線鶴ヶ峰駅付近連続立体交差事業」。
11月に着工式が行われ、我々一般の利用者にも見える範囲で、大きな変化が起きています。

撮影日は、一部写真を除いて2023年8月29日となります。

二俣川駅5番線(引上線)の使用停止

2023年3月18日のダイヤ改正を以て、二俣川駅5番線(下り線側引上線)が、掘削工事の準備のため使用停止されました。
今後、どのように使用停止となった5番線が活用されるのか注目です。

線路の様子を見ると、5番線とそこへ通じる線路がサビだらけとなっている事と、5番線入り口に車止め標識が設置。
比較しないと分かりませんが、ATS-P地上子、下り本線側にあった5番線の入換信号機が撤去されているのが確認できます。

新しい地下トンネルへは、本村地下道がある付近(写真では引上線の両渡り線が終わる付近)から、保土ヶ谷バイパスの直下まで(約210mの間)で降ります。

東急との直通開始前の試運転では、5番線も使用。東急車が同線に入線する貴重な機会となりました。

この引上線は、今後も運行に必要な設備のため、事業完了後も、現在と同じ地上の位置に2線とも残される予定です。

本村跨線人道橋廃止・撤去

保土ヶ谷バイパス近くにある本村跨線人道橋が、線路が地下へ潜る際に設置される擁壁工事を始めるため、封鎖されました。
画像のように、入り口付近にバリケードが設置されています。

反対側から見た本村跨線橋の入り口
跨線橋の南側は、既に階段から撤去工事が始まっている
跨線橋へ向かう道路には、迂回をお願いする看板が設置

保土ヶ谷バイパス直下の水道管移設

廃止される踏切の中で、最も西側にある鶴ヶ峰9号踏切道。
交通情報でよく耳にする国道16号線保土ヶ谷バイパスと、同バイパスの本村インターが目の前にあります。

相鉄本線は前述の通り、ちょうど保土ヶ谷バイパスの付近(鶴ヶ峰9号踏切道直前)にて、地下と地上が切り替わる予定です。

そのため、保土ヶ谷バイパス付近では、地下トンネル等構造物と既存の水道管が重なってしまうので、大規模な配水管(水道管)の移設工事が行われています。

この区間は、地下深くへ潜り始める途中の場所。
横浜方から見た場合、鶴ヶ峰7号踏切道と鶴ヶ峰8号踏切道の間にて、シールド工法と開削工法、第1工区と第3工区が切り替わります。

開削工法で掘削される区間では、工事桁を設置する準備が着々と進められていました。

鶴ヶ峰7号踏切道付近にあった畑には、第3工区JVの仮設の事務所が建設されています。

鶴ヶ峰駅北口 作業ヤード整備【駐輪場閉鎖及び移設・バスターミナル工事】

今回の地下化工事で最も大掛かりとなる鶴ヶ峰駅。駅北側が大きく変わっていました。

駅北側(横浜・直通線方面行きホーム)側には、第2工区となる、約230mにも渡る大規模な作業ヤードが建設されています。
この作業ヤードは、新しい鶴ヶ峰駅が設置される場所にもなります。

西谷・横浜方にある制限60kmのS字カーブ
二俣川・海老名・湘南台方にあるカーブ

駅ホームを、現在線より若干北側へ移設する事によって、両端にある大きなカーブを解消します。

工事の進捗に伴い、鶴ヶ峰駅上り線ホームの一部壁面も取り壊され、仮設の壁が設置されています。

作業ヤードが設置される前は、鶴ヶ峰駅第4駐輪場と、社会福祉法人「東京愛成会」が運営する保育園「あっぷるキッズつるがみね」が立地していました。

駐輪場は封鎖に合わせて、後に紹介するバスターミナル付近と、鶴ケ峰駅北口第三自転車駐車場に移転。
「あっぷるキッズつるがみね」は、同法人が運営する「あっぷる保育園鶴ヶ峰」に統合されました。

「あっぷる保育園鶴ヶ峰」は、駅直結のタワーマンション「クリオレジダンスタワー横濱鶴ヶ峰」に併設する商業施設「ココロット鶴ヶ峰」の3階に位置しています。

向かい側には、第2工区JV関係者が使用する、仮設の建物も建築されています。

鶴ヶ峰駅北口には、鶴ヶ峰駅バスターミナルがあり、中山や鶴間、若葉台団地などへ向かうバスが発着しています。
今後、鶴ヶ峰駅バスターミナルを、先ほどの作業ヤードへ向かう工事車両、資材運搬車両等がへ走る予定です。

この一般車が進入できない鶴ヶ峰駅バスターミナルを経由する事によって、国道16号から混雑の激しい水道道を通ることなくスムーズに作業ヤードへ向かうことが出来ます。
また、周辺道路は、道が比較的狭く商店街やバスターミナルへの歩行者も多数行き交います。
この鶴ヶ峰駅バスターミナルを経由する事によって、交通事故リスクの低減を図るものと思われます。

セブンイレブン鶴ヶ峰駅北店の後ろにある、バスターミナルへの通路。
現在、歩行者と自転車専用の通路となっていますが、今後はこの通路を工事車両が通る予定です。

そのため、歩行者専用通路が整備される予定です。

2023年8月現在、公衆トイレが設置されている場所は、工事車両の待機スペースになります。
この公衆トイレは、反対側にある相鉄バス鶴ヶ峰案内所付近に移転する予定です。

先ほど記述した駐輪場の一部は、バスターミナル内南側に移転されています。

バスターミナル通路から鶴ヶ峰駅北側作業ヤードを繋ぐ道では、スムーズに行き回出来るよう舗装工事が行われていました。
先ほどのバスターミナル通路の車道化は、9月29日までに完了する予定のようです。

西谷変電所付近シールドトンネル発進基地整備

続いて西谷~鶴ヶ峰間の様子です。
西谷変電所がある付近にて、大きな作業ヤードが建設されています。

こちらは、第1工区の作業ヤードで、こちらから直径11mのシールドマシンが掘削を開始する予定です。
掘削開始予定は、2026年度(令和8年度)となり、現在はマシン発進のための立坑が掘削されています。

写真に写した所と、反対側(上り線側)にも施工ヤードが作られる予定です。

線路と反対側に出るとこのような感じ。第1工区JVが使用する仮設の建物も見えます。

西谷方に下る道があるのでそこを行くと、搬入出口がありました。

西谷駅~鶴ヶ峰駅近辺は、高低差が非常に激しい丘陵地帯で、道も一車線分の無いくらい狭いものが多くなっています。

ですが、西谷変電所付近のマシン発進基地や、西谷方シールドトンネルアプローチ部の開削トンネル、擁壁建設のための作業ヤードへ向かう道は、
特段狭いことはなく、大きな改良することなく工事車両等が通行できます。

とはいえ、住宅地で通行量が多く、途中にはS字カーブで見通しの悪い区間もある事から、複数人の誘導員の配置の他、工事車両にはAI衝突予防装置が搭載されます。

西川島橋から望む相鉄本線海老名・湘南台方
相鉄本線は、ちょうど西川島橋付近で地下に潜り、約150m先で複線シールドトンネルに接続します。

第1工区の北側大規模作業ヤードへは、西川島橋を渡る直前の所から、作業構台が分岐。
北側作業ヤードへの工事車両の進入は、ここから行われることとなります。

西谷駅引上線終端部付近には、工事車両専用道路・待機場が建設され、この付近では、工事車両と一般車両が分けられて走行します。
作業ヤードができる以前は、駐車場等に活用されていました。

参考文献

踏切を減らす(連続立体交差事業) |未来への取り組み|相鉄グループ

相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)連続立体交差事業 – 横浜市

鶴ヶ峰駅付近の連続立体交差事業とは?現地の工事状況を詳細レポート【2023年6月】

おわりに

いよいよ大きな動きが起きましたね…
今後も、この鶴ヶ峰駅付近の地下化工事を注目し、どのように変化してくるのかを見守っていきたいと思います。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
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