NO.2902 8月に貨物列車運行終了、延岡駅・南延岡駅旭化成専用線、平成27年撮影記録(前編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 去る8月21日、長らく運行されてきておりました、宮崎県延岡市にあります日豊線南延岡駅に隣接しておりました旭化成専用線の運行が終了しました。

 

 旭化成専用線は、旭化成ケミカルズが輸送主体となっております専用線でありまして、南延岡駅最寄りにあります旭化成工場へこれまでも貨物列車が運行されてきておりました。

 

 この積載貨物には、12フィートのコンテナが積載されましたものの他、最も見られていた積載貨物には「黄タンコ」こと黄色のタンクコンテナが積載されたコンテナが輸送されておりまして、上の画像の姿が見られておりました。

 

 この「黄タンコ」は、令和2年5月までは福岡県大牟田市の大牟田駅最寄りの三井化学工場へ、北九州貨物ターミナル駅を経由しまして輸送が行われておりまして、旭化成工場で製造されました液体塩素を大牟田駅へ運んでおりまして、この区間では画像のように「銀タンコ」とともに連結された姿も見られておりました。

 

 (旧旭町駅・旧仮屋川操車場にて、平成25年撮影)

 

 しかし、「銀タンコ」を輸送しておりました三菱ケミカル黒崎事業所が濃硝酸の生産を終了した事に伴いまして、前身の三池鉄道以来長らく続いておりました三井化学専用線は廃止されておりまして、それとともに「黄タンコ」も途中区間でトラック輸送に変わりまして運行されておりました。

 

 また、「黄タンコ」の最寄り駅であります南延岡駅への貨物列車も、平成29年に臨時貨物列車化されておりまして、毎日定期的に運行する事がなくなっておりました。それでも、令和4年度までは週に数日は入る事がありまして、臨時とは言えども運行する姿は見られておりました。

 

 けれども、冒頭述べましたように旭化成側でも南延岡駅へ乗り入れます専用線での運行が終了される事になりまして、去る8月21日の運行を最後に運行終了へと至っております。それほど需要が減ってきていた事が伺えますが、それとともに「銀タンコ」に次いで「黄タンコ」さえも見られてしまう事は正直残念かと思います・・・。

 

 

 さて、今回と次回の2回にわたりましてご紹介しますのは、今から8年前の平成27年2月に撮影しておりました「南延岡貨物」の姿に関しましてご紹介しますが、今回は前編として延岡駅での模様を中心に皆様にご紹介してまいります。

 

 

 平成27年当時、延岡・南延岡駅へ運行されておりました定期貨物列車は各1往復でありまして、門司機関区のED76形電気機関車牽引で運行されておりました4071・4074各レが延岡駅発着で、そして同じく門司機関区のEF81形牽引で運行されておりました4075・4076各レが南延岡駅発着で運行されておりました(列車番号は当時のものです)

イメージ 1イメージ 2

 

 また、かつては南延岡駅への列車は専用貨物列車としても存在しておりまして、通称「南延岡専貨」と称されておりました、以下画像の4572・4573・4574各レも南延岡駅発着で運行されていた事がありましたが、残念ながら貨物量の減少によりまして4075・4076各レに統合されておりました。

 

 (4572レ、高架前の大分駅にて)
イメージ 3

 

 

 画像は、延岡の陸の玄関口でもありますJR延岡駅と構内であります。現在は駅舎は建て替わっておりますが、ホームに関しましては当時と変わらず、JR延岡駅の構内は旅客ホームが1~3番ホームでありますが、貨物用の側線が使用されていない側線を含めまして4~12番線まで存在しておりまして(貨物時刻表より、現在は10番線までです)、それほど広い事も伺う事ができておりました。尚、夜間~早朝にかけては側線も旅客車両の留置に使われる事もあります。

 

 (駅舎)~現在は新駅舎に建て替わっております
イメージ 4

 

 (旅客ホームより、貨物側構内)

 

 この貨物ホームは、画像のようにコンテナ専用のホームではありますが、この延岡駅からはオフレールステーションがあります宮崎市の佐土原駅までのトラック輸送も行われておりまして、現在も44便運行されております(貨物時刻表より)。それほどこの駅も宮崎県の貨物の中心駅であるとも言える所でもあります。

 

 

 さて、間もなく北九州貨物ターミナル駅からの4075レが入ってまいりますが、既に到着へ向けての準備が行われておりました。画像の入換動力車扱いでもありました、紫色のカラーでもありました、現在は廃車となっております門司機関区所属DE10 1558号機もこの時にはエンジンがかかっておりまして、この後入換として活躍する事になる事が伺えておりました。

 

 

 こうして、北九州貨物ターミナル駅からの4075レが延岡駅3番ホームに入ってまいりました。当初予想では側線ホームなのかな?と思いましたが、まさかの旅客ホーム入線には驚いたほどでした。

 

 この日の4075レの牽引機は、現在も門司機関区に在籍します、EF81 406号機でありまして、この日の編成は8両編成でありました。ちょうど以下画像では4071レとしてやってきまして、この後4074レで北九州貨物ターミナル駅へ戻る事になります、こちらも現在も門司機関区に在籍しますED76 1019号機との2ショットも収める事ができておりました。

 

 (停車直後)

 

 

 延岡駅に到着しますと、すぐに分割作業が始まります。この延岡駅止まりであります、機関車を除きますコンテナ車前6両と、この後南延岡駅へと向かいます「黄タンコ」後2両とで分割されます。係員の手で切り離しが済みますと、前6両は一旦本線の方へ出まして、この後側線へと入る事にもなります。

 

 後2両の「黄タンコ(UT13Cコンテナ&コキ200形貨車)」であります。今回の編成は、コンテナのタイプからもわかりますように、いずれも大牟田駅からの「黄タンコ」でありましたが、前日1152レとして北九州貨物ターミナル駅へ、そして今回の4075レで延岡駅までやってきていましたので、実質24時間かけてやってきている事も伺える所ではありました。それにしても、この当時でも1両の姿が主であっただけに、2両での姿が見られるのはラッキーではなかったでしょうか。

 

 

 一方、本線に引き上げました6両は、この後隣の側線へ移る事になります。その際は機関車が係員の誘導でバックするような形でゆっくりとした速度で推進運転を行いまして、側線へと入る事にもなります。

 

 (隣側線に入線)

 

 側線に入りますと、すぐに機関車と貨車は切り離されます。実は、北九州貨物ターミナル~西大分間は延岡駅までの編成の前に西大分駅までの編成が連結されていた事もありまして、この延岡駅までの編成と機関車とのつながりは西大分駅からではあった訳でしたが、それでも西大分~延岡間で約3時間ペアを組んでいた事にはなります。

 

 

 切り離しますと、EF81 406号機は再び本線へ引き上げまして、再び3番ホームへと戻る事になります。その下の画像では、両線におきまして牽引相手もいないコンテナ貨車8両の姿がわずかながら見られておりました。尚、側線の6両に関しましては、後述のようにこの後コンテナホームへと入る事になります4両と、「空コン」でありました後方2両とで分割作業がこの間に行われておりました。

 

 (EF81 406引き上げ)

 

 (両線のコンテナ貨車計8両)

 

 

 そして、延岡駅止まりの6両を移動させるために、側線から本線へ引き上げましたEF81 406号機は、再び3番ホームへ入ってまいりました。この後、南延岡駅へ向かいます「黄タンコ」に連結される事になります。

 

 (3番ホームへ入線)

 

 

 この後は、EF81 406号機は係員の誘導で「黄タンコ」に連結する事になります。この間には、画像からもわかりますように無線による誘導もありまして、てきぱきとした感も伺える姿も見られておりました。それにしても、やはり連結するシーンは分割シーンと違って、ちゃんと連結できるかなという思いもありまして、見ている側も緊張感さえも感じられる所でもありました・・・。

 

 (連結完了)

 

 

 連結が完了しますと、南延岡駅までの編成は3番ホームの前の方へと移動してまいりまして、移動が済みますとEF81形電気機関車に関しました入換は完了する事になります。移動が完了しました姿までの時点ではわずか9分、それほど係員のてきぱきとした姿が伺えるシーンではなかったかと思います。やはり、入換で本線に入る事もありますので、後続の旅客列車に影響が出てもいけませんので。

 

 

 この3番ホーム停車中に見られました、「黄タンコ」の標章です。所有自体はNRS(←日陸←日本陸運産業)でありますが、「旭化成ケミカルズ」からもわかりますように同社が借り受けを行っておりました。この標章からもそう言った事がわかるのではないかとも思います。

 

 

 さて、この停車中の間には、先述のように門司機関区所属の入換動力車扱いでもありますDE10 1558号機は4075レ入線の時点でエンジンがかけられておりましたが、EF81形電気機関車に関しました入換が済みますと以下画像のように同機を使った構内の入換が始まります。まずは一旦本線横にあります引き上げ線へと移動、そして転線の上、その下の画像にありますようにコンテナ貨車が留置しております側線へと入ってまいります。

 

 (引き上げ線へ移動)

 

 (コンテナ貨車が留置している側線へ移動)

 

 

 連結シーンは、この時隣に南延岡駅までの「黄タンコ」の編成がいましたのでシーンは見る事ができませんでしたが、以下画像のようにコンテナ貨車に連結しようとしている事だけはお分かりいただけるのではないかと思います。こうしてこの後連結が済む事にもなります。

 

 

 連結が済みますと、コンテナ貨車4両を連結しまして再び引き上げ線へと向かいます。今回のコンテナ貨車4両は、コキ104形貨車1両+コキ106形貨車3両が連結されておりまして、いずれもコキ100系列のコンテナ貨車による編成となっていたのが特徴でもありました。

 

 (引き上げ線へ)

 

 

 引き上げ線へ移動しましたコキ100系列4両は、DE10 1558号機牽引によりまして転線の上北側のコンテナホームへと移動します。その際は画像のように1558号機が押し出すような形で移動する事にもなりますが、係員の誘導によりましてこちらもてきぱきとした動きで順調に進んでいる事が伺えておりました。

 

 (押し出す形の1558号機)

 

 

 こうして、コキ100系列コンテナ車4両は以下画像奥にもありますように、北側のコンテナホームへと移動しました。この後コンテナの積み下ろしへと進む事になりましてすぐさまフォークリフトも動き始めておりました。それとともに、1558号機の入換に関しましたお仕事もここで一旦終了する事にもなりますので、エンジンもこの後切られておりました。また、手前側には今回の編成で空コンでありましたコキ104形貨車+コキ106形貨車2両の姿がありましたが、この貨車に関しましての入換はこの時は行う事はありませんでした。

 

 

 ホームから収めました、4071レで来ておりましたED76 1019号機です。現在も一線で活躍する同機ではありますが、このように延岡駅で休む姿が見られておりました。今回掲載の電気機関車は8年経過しました現在も健在な姿が見られておりますが、今後あとどのくらい活躍するかという域である事には間違いないでしょうか。

 

 

 今回は前編として、延岡駅での入換シーンをご紹介しましたが、現在でも貨物列車自体は運行されておりますので、そのような入換シーンの姿は見られているようではありまして、日によりましては新たな「銀釜」でありますEF510形電気機関車も入る事さえもあるなど新しい姿も見られているようであります。しかし、現在は南延岡駅へ行く列車がなくなりましたので、それに関しましては正直残念かなとも思ってならない所ではあります。次回後編では、以下画像にもありますように南延岡駅・旭化成専用線で収めておりました姿をご紹介してまいりますので、次回後編もご覧になっていただきたいと思います。

 

 (注)列車番号はあくまでも平成27年撮影当時のものです。