ブルートレインのけん引に活躍した元東京機関区所属のEF65 1000番台(PF形)。1116号機は1978(昭和53)年に新製配置された全21両のラストナンバー機として、また近年注目されている2101(元1101)号機とともに、JR東日本に所属したのちJR貨物に移籍したPF形として知られていました。

 

 

臨時の特急「踊り子」で活躍するEF65 1116。JR東日本在籍時は品川(旧東京機関区)に常駐し、「出雲」などのブルトレをけん引していました=東京駅、1987年

 

 

 

「東京機関区生え抜き機のラストナンバー」。私は1116号機をそんなところで注目していましたが、新製年月日を見ると、実質的には1103、1104号機の方が後だったようです。

 

九州ブルトレのけん引に約6年半、東奔西走の日々を送った同機ですが、85年に下関のEF66形に交代。山口県在住の鉄道ファンが見られる機会は激減しました。

 

多客時に運転された乗客と自動車を一緒に運ぶ「カートレイン九州」では元東京区のEF65PF形の面々が活躍していましたが、私個人の思い出で言えば1116号機は最も遭遇しない機関車で、写真撮影も失敗していました。

 

 

「カートレイン九州」を引くEF65 1116。行こうとしていたポイントに間に合わずに撮った一枚で、構図、光線状態ともに残念な写真になっています=富海ー防府、1990年

 

 

 

なんとか撮り直せないものかと考えていましたが、1116号機は2003年にJR貨物に譲渡され、高崎機関区の貨物列車けん引機に転身しました。こうなると首都圏にあまり遠征しない私には、ますます遠い存在になりました。

 

再会できたのは2008年。さいたま市の鉄道博物館を訪れた際、高崎線を走る貨物列車を窓から眺めていると、見覚えのあるEF65PF形だったので慌てて撮影すると、1116号機でした。

 

 

2008年に鉄道博物館から撮った1116号機。当時の同機は比較的原形を保っていたようですが、他に人気の機関車が多くいたため、PFファン以外からはそこまで注目されていなかったように思います

 

 

 

1116号機は2010年に廃車となったため、私にとってはこの時が最後となり、結局まともな写真は撮れずに終わりました。それでもご縁がなかった同機に最後に偶然出会えたことで、写真を残す以上に思い出に残る機関車となりました。

 

ちょうど45年前の8月30日に新製された1116号機。今回は個人的な話ばかりで恐縮ですが、ちょっと思い出を振り返ってみました。

 

 

 

 

※姉妹ブログ「歴鉄2番線」でも、元東京機関区のEF65PF形を振り返っています