2017年の九州北部豪雨で被災し、添田(福岡県添田町)―夜明・日田(大分県日田市)間が不通となっていたJR日田彦山線。同区間はバス高速輸送システム(BRT)により復旧。「日田彦山線BRTひこぼしライン」として8月28日、新たに開業します。思い出となった鉄路を2010年夏の乗車写真で振り返ってみました。

 

 

小倉駅から約1時間10分、筑豊地方の拠点駅の一つ、田川後藤寺駅で発車を待つ日田駅行きのキハ40系(キハ147形)

 

 

日田行きのサボ。ローカル線にはアナログなアイテムがよく似合います

 

 

 

日田彦山線は日豊本線の城野駅(北九州市)と久大本線の夜明駅を結ぶ全長68.7㌔の路線。列車自体は日豊本線に乗り入れて小倉駅(同)を発着し、久大本線側も被災前は日田駅まで走っていました。

 

私が乗ったのは小倉駅を7時に出て夜明駅に9時14分に着く全線通し運転の列車で、キハ40系(キハ147形)の2両編成でした。筑豊地方の中心駅の田川伊田駅、田川後藤寺駅までは比較的乗客が多かった印象です。

 

 

 

日本三大修験山の一つ、英彦山最寄りの彦山駅。英彦山神宮を模した赤色の立派な駅舎が印象的でした

 

 

全長4㌔以上に及ぶ釈迦岳トンネルをくぐって着いた筑前岩屋駅。「平成の名水百選」に選ばれたトンネルからの湧水が有名です

 

 

「幸せの黄色いハンカチ」が飾られていた大行司駅。俳優の故・高倉健さんの父親が宝珠山村(現東峰村)の鉱山で働いていて、健さんも幼少期に同駅を利用していたそうです

 

 

 

筑豊の「白ダイヤ」石灰石を採掘するを香春岳、日本の近代土木遺産のコンクリートアーチ橋、栗木野橋梁(通称・めがね橋) など、日田彦山線の鉄道風景は見どころが多いのですが、このときは猛暑のため途中下車を断念しました。

 

それでも停車する各駅は懐かしいローカル線のたたずまいが残っていて、列車から眺めるだけでも楽しめました。

 

福岡県東峰村の筑前岩屋駅から宝珠山駅にかけての区間はめがね橋もあることから、いつか列車を降りて歩きたいと思っていました。

 

ただ、私の住む関門北九州エリアからは「割と近いのでいつでも行ける」「でも、いざとなると少し遠い」といった中途半端な感じで、日々多忙に過ごす中、訪れる機会を逃していました。

 

 

 

宝珠山駅。ホームに福岡・大分の県境(下写真)がある駅として有名です。北側の3分の2が福岡県

 

 

夜明駅で久大本線(左)に合流。この駅名は、何かを始めるときに訪れると縁起が良さそうです

 

 

 

新たに導入されるBRTでは、総延長約40㌔のうち、彦山ー宝珠山間の約14㌔が専用道を走ります。この区間にはめがね橋も含まれており、BRTらしい写真が撮れそうです。

 

6年ぶりの全線再開。鉄道による復旧はかないませんでしたが、「ひこぼしライン」はローカル線問題を考える上で一つのモデルケースになるでしょう。今後は観光需要の掘り起こしが課題となりそうです。

 

 

 

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