2023.08.25
都営5300形の活躍を振り返る。

都営5300形 5326編成
2018.12.21/京成臼井〜京成佐倉
都営5300形の営業運転終了から早くも半年が経過した。2月23日に最終運行を終えた5320編成はその後もしばらく馬込車両検修場にて留置され、私たちにその姿を見せ続けてくれていたが、6月上旬から中旬にかけて搬出を実施。5300形は完全に過去の車両となった。
本稿ではそんな5300形の長年の功績を讃えて同車が走り回った日々を簡単に振り返ってみたいと思うが、四直各線で見せた八面六臂的な活躍を「種別」を軸にして見てみよう。
普通
列車の走り方として最も基本となる各駅停車。誰が最初に言ったか知らないが、日本ではこれを普通と称していることが多い。四直各線でも各駅停車は普通という名称で設定され、5300形の普通列車も日常であった。
しかし、普通といえども普通じゃないのがここ四直である。優等列車での直通運転が基本となっていた京成本線と京急線では、都営車の羽田空港始発京急蒲田行や逗子・葉山始発金沢文庫行など離れ小島的な列車が存在しているのは面白いところ。過去には宗吾車両基地からの出庫列車として普通東成田行なんてのもあった。

都営5300形 5323編成
2013.8.5/六 浦
急行
急行は5000形の時代から直通運転における基本種別のひとつだったため、5300形も急行として走る機会は多かった。時には直通運転の枠を超え、京成上野発着や神奈川新町~新逗子(現・逗子・葉山)の列車にも使用されたこともあった。
ただし、急行は時代とともに減少。2010年5月ダイヤ改正でのエアポート急行新設で京急線内から急行が消滅すると、次いで同年7月改正で京成線からも消滅。さらに、2022年11月ダイヤ改正で北総線内での設定がなくなったため、現在は都営浅草線の南行で品川からエアポート急行となる列車のみが急行として走る。

都営5300形 5327編成
2015.8.19/東松戸
エアポート急行
2010年5月ダイヤ改正で登場したエアポート急行。1999年7月ダイヤ改正で消滅した横浜方面の急行の事実上の復活である。合わせて、品川方面の急行もエアポート急行を名乗ることになったため、5300形も新たにエアポート急行として走るようになった。ただし、この年は京成線で7月にもダイヤ改正があった関係で、7月になるまでエアポート急行表示が準備されず、しばらく急行表示のまま走った。

都営5300形 5323編成
2020.10.20/金沢八景
快速
2002年10月ダイヤ改正で登場した快速は、事実上それまでの京成本線・都営浅草線直通急行を格上げしたものだったため、快速は5300形の新たな日常になった。

都営5300形 5307編成
2003.3.19/実籾〜八千代台
(飛)快速
(飛)快速は都営浅草線内でエアポート快特となる上り快速が名乗っていた種別で、快速とともに5300形も日常的に入っていた。2010年7月ダイヤ改正以降、(飛)快速は早朝の1本のみとなったが、平日は都営車、土休日は京成車の担当だったため、2013年10月ダイヤ修正で種別が消滅するまではむしろ5300形の(飛)快速の方が見られる機会が多かった。

都営5300形 5302編成
2012.9.21/四ツ木
(つづく)
スポンサーリンク
- 東京都交通局
- タグはありません
関連記事
都営5300形 四直各線を走り回った日々 その2
都営5300形の活躍を振り返る。その2。都営5300形の2月23日の営業運転終了から早くも半年。本稿では、そんな5300形の長年の功績を讃えて同車が走り回った日々を簡単に振り返ってみたい。第2回...
都営5300形 営業運転終了
さようなら、都営5300形。都営5300形で最後の1編成となっていた5320編成。そんな5320編成は2月23日の07T運行以降運用に入っておらず、その動向に注目が集まっていたところだが、この...
最近、都営車がやたらと京成本線を走っている件
都営車の京成本線乗入れ、増えすぎィ!最近、京成本線で都営車をやたらと見かけるようになったと感じることはないだろうか。そうだとしたら、あなたのその感覚は正しい。なぜならば、現行となる2022年2月...
都営5300形 孤軍奮闘する5320編成
孤軍奮闘する5320編成。東京都交通局では、2017年度より浅草線の第三世代となる新型車両5500形を導入、5300形の置き換えを実施したところである。5500形は2021年9月にも全27編成の...
都営浅草線 5500形導入と5300形の置き換え状況
増える5500形、減る5300形。東京都交通局では2017年度より浅草線に5500形を導入している。東京都交通局では2017年度より浅草線に5500形を導入している。5500形は2018年6月の...
最新記事
2025.04.26
京成電鉄バスグループ バス事業の大再編を実施
表現するならば、「激震」。4月1日、京成グループでは傘下のバス事業会社の再編を実施した。京成電鉄の完全子会社となる京成電鉄バスホールディングスを持株会社として新たに設立。その上でグループ15社...
- 京成バス
- タグはありません
2025.04.20
北総9800形 臨時特急「ほくそう春まつり号」運転(2025年)
今年も春がやってきた4月20日、臨時特急「ほくそう春まつり号」が運転された。同日に北総鉄道がイオンモール千葉ニュータウン提携駐車場で開催するイベント「ほくそう春まつり」に合わせて運転される恒例の...
2025.04.15
京成グループ 車両の動き(2024年度)
京成グループにおける2024年度の車両の動きをまとめてみよう。2024年度の車両の動きの目玉は、やはり3100形以来6年ぶりの新型車両となる3200形が登場したことであろう。今年度は日本車両製の...
- 京成
- タグはありません
2025.04.10
京成電鉄 松戸線が開業
Hello! Matsudo Line 4月1日、京成電鉄は新京成電鉄の吸収合併を実施した。これに伴い、新京成線は同日より京成松戸線として運行を開始。1947年12月に新津田沼〜薬園台で産声を...
2025.04.06
京成3000形 「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマーク(2025年)
今年も桜に染まるまち、佐倉。京成電鉄では、3月中旬より3000形において「桜に染まるまち、佐倉」ヘッドマークの掲出を行った。同社と佐倉市が毎年この時期に実施している観光キャンペーン「桜に染まる...
スポンサーリンク