番外 西鉄バス「福北ライン」で最後まで活躍した、西工S型架装三菱エアロバス1台の「孤軍奮闘」な姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)


 
 西鉄バスの福岡~北九州(小倉)線「福北ライン」と言いますと、現在は上の画像の三菱エアロエース(画像1・3437、画像2・3333、いずれも2TG-MS06GP)や、通称「セレガーラ」とも言います日野セレガ・いすゞガーラと言ったハイデッカー車が再び導入されておりまして、多くの方々が利用されております。
 
 元々「福北ライン」では、後述のように西日本車体(西工)架装のハイデッカー車両(S型)が主に見られておりましたが、2000年代よりスタンダードデッカーのB型高速車(B高車)に改められておりました。しかし、西工解散後平成20年代中盤より再びハイデッカー車が導入されておりまして、現在は「福北ライン」では全車ハイデッカーによる運行となっております(これらには西鉄バス北九州運行福岡~行橋線やペイペイドーム・マリンメッセなどの臨時バスは含んでおりません)
 
 これら車も、上の画像の三菱エアロバスのように塗装は「ハーモニー塗装」の場合あれば、以下画像の日野セレガ(8218・2TG-RU1ASDA)のように「新高速色」となっている車もありまして、新車導入によりましてそれぞれの車が「福北ライン」でも見られております。
 
 また、各座席には携帯電話・スマートフォン充電用のコンセントもしくはUSBポートも装備されておりまして、平成28年導入車までは後付け式となっておりましたが、平成29年導入車以降は導入当初からの装備となっておりますので、そういった細かな違いも見せております。
 
 
 そんな「福北ライン」の専用車は、先述のように現在の前の世代が西工B型高速車(B高車)、そしてその前の世代が西工S型架装車となっておりまして、S型架装車には画像のように「福北塗装」の車も存在しておりました(3156・三菱KC-MS829P~その後西鉄バス筑豊に移籍後廃車)。
 
 
 さて、そんなS型架装車は既に「福北ライン」では運行されておりませんが、最後の車は平成26年まで運行されておりました。今回は、最後の「福北ライン」の専用車でありました三菱エアロバスシャーシの3338(KC-MS829P)を中心に皆様にご紹介してまいります。
 
 
 平成26年早々時の「福北ライン」に使用されておりました西工S型架装車は以下の4台となっておりまして、全車三菱エアロバスシャーシでありました。この時点でも、平成23年・24年といすゞエルガ・日野ブルーリボンIIと言った純正車も導入されておりましたし、平成24年には、14年ぶりのハイデッカー車となります日野セレガが「福北ライン」に導入されておりましたので、それら導入によりまして、運用離脱や転属と言った流れが見られておりました。

 3335 北九州22か30-88 平成10年式 
 3336 北九州22か30-89 平成10年式
 3337 北九州200か・・43 平成10年式
 3338 北九州200か・・39 平成10年式
 

 しかし、その後も転属が相次ぎまして、日野セレガ・三菱エアロエース新車の導入に伴いまして余剰となりました、3335~3337が西鉄バス北九州弥生が丘営業所に転属しました。これは、北九州空港~中津線「くろかんくんライナー」と呼ばれます大河ドラマ「軍師勘兵衛」のタイアップのために直行バスが運行される事に伴う転属でもありまして、このうちの3335・3336では専用ラッピングも施されておりました。
 
 (「くろかんくんライナー」、3336)~その後恒見営業所に転属
 
 尚、この「くろかんくんライナー」はこの年運行を終了、その後西鉄バス北九州各地の営業所に転属しまして、操配用や「北九州空港エアポートバス」に使用されておりましたが、残念ながら翌平成27年までに全廃となっております。
 
 
 これらの西鉄バス北九州移籍によりまして、「福北ライン」専用車として最後まで残りましたのが画像の3338のみでありまして、まさにタイトルでもありますように「孤軍奮闘」ぶりを見せておりました。やはり、三菱エアロエースや日野セレガとともにハイデッカーであったのが功を奏していたのではないかと思われますが、それでも車両自体は古かった事もありまして、これら純正車とは違っているのはないかと思う所でもありました。
 
 上の画像は、当時の天神バスセンター前で撮影しておりました3338でありましたが、この当時でも「福北ライン」と言えばB高車や、三菱エアロエースや日野セレガなどと言った純正車と言う印象が高かった訳でありましたが、そんな中でもこの車が見られていた事も伺えていた所でもありましたでしょうか。
 
 
 その後、この3338は西鉄バス久留米に移籍しまして、高校のスクールバスとして活躍しておりました。しかし、平成28年にこの車よりも車齢が古い貸切車にこの運用を譲りまして、残念ながら廃車となっております。
 
 
 今回は、最後まで残りました「福北ライン」向け西工S型架装車に関しましてご紹介しましたが、西鉄グループの西工S型架装車自体も、この頃でも相次ぐ純正車の導入によりまして姿を消しておりましたし、この車に関しましても最後まで「福北ライン」で見られていた車でもあっただけに、その後「福北ライン」を離れました後の末路は正直早かったようにも感じさせられます。現在は、既に全国的に見る事ができなくなりましたこのS型架装の高速車ではありますが、高速路線バス・特急バス・スクールバスなどとして運行していたこれら車の存在は本当に大きな存在ではあったのではないかと思ってなりません