2022年 春の南東北とりっぷ②水戸発福島行き!?特急宮城・福島花めぐり号乗車記 | 風かおる 鉄の路

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主に私が乗車した乗り物関連(鉄道中心)、その他気になったことを綴っていきます。稀にお絵かき。

いなほ色の水戸入線

おはようございます。

水戸で迎える朝です。

眼の前には常磐線の線路。

 

少し遠くにはEF81とDE10が止まっています。

これは工臨に備えた水戸常駐機。

北斗星用の流星マークが描かれた通称「星ガマ」、久しぶりに見かけました。

 

E531系がやってきました。

水戸駅の朝はすでに動き出しています。

 

特急ひたちのE657系もやってきました。

 

それではそろそろホテルを出発です。

 

駅に向かう前にペデストリアンデッキにやってきました。

 

ペデストリアンデッキにあったのが水戸黄門と助さん格さんの銅像。

水戸黄門の諸国漫遊は作り話だそうですが、同じ旅をするもの(?)同士なんだか親近感が湧きますね~

 

水戸黄門たちに見送られて今日の旅をスタートです!

 

水戸駅の改札内へ。

 

今回使うのはこちらのきっぷ。

JR東日本の週末パスです。

 

フリーエリア内のJR東日本線と14の鉄道会社の普通・快速列車が利用でき、特急券を購入すれば新幹線等も利用できます。

利用期間は主に週末の2日間。今回の旅にぴったりです。

 

まずはNewDaysで今日の朝食を調達。

駅弁があったので選んでみました。

 

すでに今から乗る列車の表示が出ていました。

特急宮城・福島花めぐり号 福島行き。

今回の旅のメイン列車に今から乗車します。

 

この列車は東北本線の船岡~大河原間の「一目千本桜」を見るための列車で、ここ水戸を起点とし、常磐線を北上、東北本線との合流点・岩沼まで来るとスイッチバックして東北本線を南下、一目千本桜を経由して福島へ向かうというルートをとります。

常磐線から来た列車が仙台を目前にしながらも急にそっぽを向いたようにスイッチバックして福島方面へ向かう…

今までの常識では考えられないルートを通る面白い列車です。

 

私がよくこのブログで紹介している鉄道×百合4コマ漫画「初恋*れ~るとりっぷ」では車両こそ違うものの列車内から一目千本桜を見るという回があり、その聖地巡礼も狙います。

↑その該当回はこちらから

 

今回使う特急券。

乗車2日前に購入しましたが、まだ空きはかなりありました。

 

 

ホームに向かうとそこにいたのはE501系。

常磐線415系置き換えのために製造された車両ですが、現在は土浦以北でのみ運用されています。

以前京浜東北線を走っていた209系を思わせる見た目ですね。

 

 

E501系はいわきへと発車していきました。

宮城・福島花めぐり号はお隣ののりばから発車するようです。

 

ホームの足元には特製の乗車位置案内が貼ってありました。

そのデザインはE653系いなほ色。

国鉄色→いなほ色へと変更が発表されてから作ったのでしょうか、対応が早い…

 

ホームには鉄道ファンが集まってきました。いよいよ入線です!

 

勝田方より軽く警笛を鳴らしながらE653系いなほ色U103編成が入ってきました!

勝田所属の国鉄色K70編成はよくやってくるようですが、新潟所属のいなほ色がやってくるのは初めて!

とても珍しい光景です。

 

このU103編成は元々K303編成(イエロージョンキル色)として常磐線フレッシュひたちとして活躍していました。

数年ぶりの里帰りといったところでしょうね。

 

 

先頭には記念撮影用のボードが掲げられています。

こちらのイラストもいなほ色。

 

水戸駅の駅名標と一緒に。

まさかいなほ色となってから古巣に里帰りとは誰も想像しなかったのでは…

 

車内へ。

新潟で乗ったときと同じ青色のシートに黄色のヘッドカバーが装着されています。

 

各座席にはそれぞれ紙が置かれています。

 

手にとって見るとそれは4日前に発表されたばかりの時刻変更のプレスリリース

きっぷには時刻変更は反映されないためこうしてお知らせしているのですね~

 

発車前に記念乗車証?が配られました。

専用の台紙に水戸駅のスタンプが押されています。

こちらもいなほ色がデザイン。

水戸支社の素早い対応に驚きました。

 

 

常磐線を北へ

東京方面からの列車接続を待ったため9分遅れで水戸を発車。

一目千本桜に会いに行く列車の旅、スタートです!

 

列車はすぐにお隣の勝田に停車。

 

勝田を出ると左側にはこのU103の古巣、勝田車両センターが見えました。

今は後継のE657系のねぐらとなっているその場所を見ながら列車は北上していきます。

 

勝田を出たところで、先ほど水戸駅のNewDaysで買った駅弁を食べることに。

「常磐街道味めぐり」。

 

その名の通り、常磐線沿線の美味しいものがぎゅっと詰まったお弁当です。

常磐線が全線復旧したのを記念して発売されたお弁当。

沿線の味に舌鼓を打ちながら花めぐり号の旅を楽しみます!

 

久慈川を渡ります。

 

しばらくするとコンテナが並ぶ大きな駅に到着。

 

日立です。

以前は日立製作所を含む各所へ専用線が伸びていたそうですが、現在はどれも廃止されています。

 

日立の次は高萩に停車。

普通列車や特急「ときわ」が折り返す拠点駅です。

 

列車は見頃を迎えた桜を見ながらさらに北上していきます。

 

やがて、大津港という駅を過ぎた頃…

車窓右手に太平洋の大海原が広がりました。

ここ大津港~勿来間は常磐線の中でも屈指の絶景ポイント。

以前はこの区間で初日の出を見る「常磐初日の出号」が運行されていたこともあります。

また、この区間は茨城-福島の県境となっており、ここから先、列車は福島県を走行していきます。

 

 

福島県最初の停車駅、泉に停車。

小名浜へ向かう福島臨海鉄道線がこの駅から伸びています。

 

特急「ひたち」では泉の次は湯本ですが、この列車はなぜか通過。

いわき湯本温泉、スパリゾートハワイアンズの最寄り駅で、駅通過の直後、車窓からは旅館が立ち並んでいるのが見えました。

 

次はいわきに停車します。

 

原発事故から復旧した区間へ

9:09、列車はいわきに到着。

2分停車ですが、見たいものがあったので少しだけ車外に出てみました。

水戸支社のゆるキャラ、ムコナくんが出迎えてくれました。

 

見たいものがこちら!

電光掲示板です。

ここいわき駅にはいわゆる「LED職人」がいて、電光掲示板のドットでこのようにE653系を再現しているのです!

よく見るとここもいなほ色。使用車両変更にちゃんと対応している…

 

いわきは1994年までは「平」と呼ばれていた駅。

常磐線・磐越東線が乗り入れる駅で、普通列車と特急「ひたち」のほとんどがここで折り返します。

 

これより先は2020年3月改正から特急が運行再開となった区間。

列車は東日本大震災と福島第一原発事故で大きな被害を被った区間を走行していくことになります。

 

9:11、列車はいわきを発車。

駅を出るとすぐ左手にE657系が休んでいるのが見えました。

 

いわきを出てしばらくすると。再び太平洋を眺められる区間を通過。

とはいえ海を眺められたのはほんの少し。

短いトンネルをいくつもくぐりながら走っていきます。

 

列車は真新しいホームを持つ駅を通過。

Jヴィレッジです。

2019年に開業した駅で、サッカー等のトレーニング施設「Jヴィレッジ」の最寄り駅です。

原発事故のときは対応拠点として使われていたJヴィレッジも現在は元の役割に戻っているのだとか。

 

 

Jヴィレッジから3駅、列車は富岡を通過。

ここ富岡から浪江までの20.8kmが2020年3月14日、常磐線としては最後に復旧した区間です。

 

この区間は福島第一原発事故による帰宅困難区域とされたエリアを通っており、復旧には困難を極めましたが、JR東日本による除染作業が行われた結果、空間放射線量が低下。無事に復旧を迎えることができました。

 

列車は夜ノ森へ。

 

夜ノ森は桜とツツジで有名な駅。

除染作業のためツツジは伐採されましたが再生してきているそう。

 

また、桜は健在で毎年春にはきれいな姿を見せてくれるのだとか。

列車からは駅周辺の桜がほころび始めている姿を見ることができました。

 

夜ノ森のお隣、大野を通過。

 

ここ大野と双葉の間は震災前は複線化されていましたが、復旧に当たっては上り線を撤去。

 

上り線があった場所には側道を設けて緊急時の避難に役立てるそうです。

 

列車の上を高圧送電線が横切っていました。

福島第一原子力発電所へとつながる送電線です。

ここから原発まではほど近く。

穏やかな風景に見えますが、駅周辺以外はまだまだ除染が必要な箇所が多いのが現状だそうです。

 

双葉を通過。

上り線が撤去され使用停止となったホームが痛々しいですね…

 

 

駅周辺には建物がまばらに建っていますが、まだまだ帰宅困難区域に指定されているところが多く、時が止まったままの場所も多いようです。

 

その時が再び動き出すときがいつになるのか、そして暮らせるようになったとしても果たして住民は戻ってきてくれるのか…

原発事故がもたらした「時の断絶」は深い影を落としています。

 

 

列車は浪江を通過。

ここ浪江は東京近郊区間の末端。

ここから東京駅までは274.4km。なお仙台までは92.7kmであり、仙台のほうが圧倒的に近いにも関わらず東京近郊区間に入っているのはなかなかに違和感を感じます。

 

浪江から4駅、列車は原ノ町に停車。

いわき以来久しぶりにドアが開きます。

 

ここ原ノ町には鉄道にまつわる悲しい逸話があります。

それは2011年3月11日のこと。

上野からスーパーひたち15号として原ノ町にやってきた651系K202編成は折返し15:09発スーパーひたち50号上野行きとなるべく準備をしていました。

しかしながら発車直前の14:46、東日本大震災が発生。

仙台方、上野方のどちらとも線路が津波と原発事故によって被災し、K202編成は身動きが取れない状況となってしまいました。

それからというものK202編成は上の写真に見える留置線で上野へ帰れる日をずっと待ち続けていました。

白いタキシードボディと呼ばれた車体がだんだん雨で汚れていきつつも「スーパーひたち 上野」幕を表示し続けたまま待つこと5年。

K202編成は陸送で郡山車両センターに運ばれ、そのまま解体されてしまいました。

動けないうちに常磐線の「スーパーひたち」運用はすべてE657系に置き換えられており、もはや651系の戻る場所はなくなっていたのです。

上野幕を掲出しながらもついに戻ることができなかったK202編成。その存在は今でも鉄道ファンの間で語り継がれています。

 

↑当時の様子はこちら

 

そんな原ノ町を列車は発車。

なお、これより先は3月16日の福島県沖地震により速度を落として運行が行われます。

 

 

地震で徐行

列車はゆっくりと進み、鹿島駅の手前の真野川橋梁を通過。

ここは福島県沖地震で橋桁にズレが生じており、応急処置が施され運転再開した後もこうして徐行が続けられています。

川の中では復旧作業が懸命に行われていました。

 

橋梁を過ぎ、鹿島を通過。

 

 

お隣、日立木で運転停車です。

 

反対側の線路にE657系がやってきました。

常磐線が減速運転を行っている関係で特急「ひたち」は原ノ町~仙台間で特急としての運転を取りやめ、全列車「臨時快速」として運行されています。

お隣にやってきたのもその臨時快速。

本日原ノ町以北で特急として運行するのはこの宮城・福島花めぐり号ただ1往復だけ。

そう考えるとなんとも言えない優越感?

 

日立木のお隣相馬を通過。

 

相馬から先も津波被害があった区間。

 

そのうち駒ヶ嶺~浜吉田間は被害が甚大であったことから内陸に線路を移設して復旧しています。

間にあった新地・坂元・山下の3駅は移転。坂元・山下に関しては高架化されています。

 

福島行きの宮城・福島花めぐり号はこの区間の新地~坂元間で一旦宮城県に入りました。

 

浜吉田を通過。

この駅は元の位置で復旧されています。

 

列車は大きな川を通過。

阿武隈川です。

遠くに見える山々は蔵王連峰の山並み。

まだ白い雪化粧が施されています。

 

阿武隈川を渡ってすぐ、左手から複線の線路が近づいてきました。

東北本線です。

 

12:16、列車は東北本線と常磐線との合流点、岩沼に到着しました。

 

いよいよ一目千本桜!

ここから仙台まではあと17.6km。仙台を目前にしたこの列車はなんと逃げるかのように進行方向を変え、福島方面に向かいます。

 

ここでスイッチバックとなるため椅子を回転させます。

 

特急ソニックでは当たり前の光景ですが、岩沼駅でこれをやった列車は果たして今までにどれくらいあるのでしょうか…?

 

列車はここ岩沼で43分間停車します。

元々の計画では21分停車でしたが、地震の影響で停車時間が大幅に伸びています。

 

ということでこの時間を利用して撮影タイム!

 

岩沼にいなほ色E653系。

未だかつて見られなかった光景が広がっています。

 

せっかくなので駅舎の外にも出てみました。

2つの路線が分岐する拠点駅ですが、駅舎は小さめ。

 

駅前には松尾芭蕉の銅像が立っていました。

 

マスクしてますね(笑)

 

ホームに戻ると、ちょうど仙台発福島行きの新幹線代替臨時快速が通過するようなのでその様子を見てみることに。

花めぐり号の横を同じE653系いなほ色の臨時快速が速度を上げて通り過ぎていきました。

普段は羽越本線を走っているE653系が遠く離れた宮城で並ぶ姿を見れるとは…!

 

今だけの光景を味わいました。

 

12:16、列車は岩沼を発車。

進行方向を変え、今度は東北本線へと足を進めます。

 

いよいよこの列車のハイライト、一目千本桜です!

 

阿武隈川を渡った列車は、

 

東北本線内最初の停車駅、船岡に到着。

ここから大河原までの間が一目千本桜です。

いよいよ(列車は違いますが)初恋*れ~るとりっぷでそらちゃんたちが見た光景が眼の前に…

 

列車はゆっくりと進んでいきます。

 

やがて…

 

……

 

 

………

あれ…?

桜の木はあれども、まだあまり咲いておらず…

絶景には程遠い光景です。

平年なら見頃を迎えているはずですが、今年は開花が遅れているようで残念…

 

れ~るとりっぷの聖地巡りとしては要再履修、かな?

 

 

列車はお隣の大河原に到着。

 

雪山を見ながら東北本線を南下していきます。

 

最後の停車駅、白石に止まり、列車は終点の福島へと向かいます。

 

だんだん東北新幹線の線路が近づいてきました。

 

 

よく見ると橋脚に足場が掛けられ、復旧工事の真っ最中でした。 

東北新幹線は3月16日に発生した福島県沖地震により、ちょうどこのあたりでやまびこ223号(E6系Z9編成+H5系H2編成)が脱線しました。

また、高架橋や架線柱にも被害が発生しているため、旅行時点でも仙台~福島間で運休が続いています。

 

さらに進むと保線用車両が高架上に止まっているのが見えました。

 

 

日中に保線車両が高架橋にいるという普段はありえない光景。

4月14日の復旧に向けて懸命に復旧工事を行っているようです。

 

 

東北新幹線と寄り添いながら福島へと向かいます。 

 

13:10、列車は終点の福島に到着しました。

水戸から約5時間。長い旅の終わりです。

 

ちょうど臨時快速に使われているいなほ色と並びました。

 

ということで宮城・福島花めぐり号の乗車記でした。

岩沼でスイッチバックする面白いルートを堪能することができました。

一目千本桜が咲いてないのは残念でしたが、それはまた別の機会にということで…

 

続きます。

 

 

★乗車データ

9091M(岩沼より9022M) 特急宮城・福島花めぐり号 福島行き 水戸(7:54 8:03)→福島(13:10)

E653系U103編成(いなほ色)

本来は水戸(7:54)→福島(12:30)の予定、福島県沖地震のため時変

※2022年4月9日乗車

 

 

次回

 

前回

 

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