23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り

記事上部注釈
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2023年GWに実施したドイツ、スイス旅行(少しだけオーストリアも入りましたが)。どのように計画して、どのように実施したのか。そして、気づいたことや反省点をまとめます。また、個人で海外旅行をするうえで大切なこともまとめています。

写真1. ゴールデンパスラインから眺めるレマン湖は絶景!

このページの概要(目次、タップできます)
  1. 23年GWドイツ・スイス旅行の旅行記から学べること
  2. 23年GWドイツ・スイス旅行の旅程と記事一覧
    1. 0日目~1日目:日本出国~ドイツ(クヴェードリンブルク)
    2. 2日目:クヴェードリンブルク付近の観光とマクデブルクへの移動
    3. 3日目:マクデブルク観光(一部は4日目)
    4. 4日目:マクデブルクからベルリンへの移動とポツダム散策
    5. 5日目:ベルリン滞在と夜行列車
    6. 6日目:チューリッヒ滞在
    7. 7日目:チューリッヒ起点の日帰り3か国旅行
    8. 8日目:ゴールデンパスを活用したチューリッヒからモントルーへの移動
    9. 9日目:レマン湖畔の堪能(モントルー近郊とジュネーブ街歩き)
    10. 10日目~11日目:日本への帰国
    11. 各記事をイメージできる写真
  3. 23年GWドイツ・スイス旅行の旅程立案
    1. 予算の制約
    2. 時間の制約
    3. 荷物の工夫
  4. 23年ドイツ・スイス旅行を振り返って
    1. 費用面の振り返り
    2. 時間面の振り返り:主に旅のマトリックス図の評価
    3. 4年ぶりに欧州の鉄道に触れてみて
  5. 23年GWドイツ・スイス旅行の反省を踏まえて
    1. 航空機で現地入りしてすぐの長距離鉄道移動を避ける
    2. 旅のマトリックス図を洗練させる
    3. 宿泊施設にランドリー付を選ぶ
  6. 23年GWドイツ・スイス旅行のまとめにかえて

23年GWドイツ・スイス旅行の旅行記から学べること

本記事から学べることは以下の通りです。

  • 航空券の節約を念頭に考え、次に現地の交通費を考慮すると良い
  • 時間捻出のために「旅のマトリックス図」を描き、別の場所で同種の観光名所に行くことを避けるのも手である
  • 航空機は遅れる(今回は25~50分)なので、航空機を降りての長時間移動を避けるほうが良い

詳細は以下で記します。

23年GWドイツ・スイス旅行の旅程と記事一覧

写真2. 閘門(こうもん)を通る遊覧船(マクデブルクで堪能)

全体像の把握のために、最初に記事一覧を示します。最初の4泊はドイツ、最後の4泊はスイスで宿泊、欧州で9泊しました。4+4=9は成立しませんが、種を明かすと、間の1泊は夜行列車を選択したためです。

0日目~1日目:日本出国~ドイツ(クヴェードリンブルク)

この日は日本を深夜に出発し(そのため出発を0日目にカウント)、現地で列車を乗り継いでクヴェードリンブルクに向かいました。経路を図1~図2に示します。

図1. 日本からフランクフルトへの経路(googleマップより引用)

図2. フランクフルトからクヴェードリンブルクへの経路(googleマップより引用)

この日は(若干早く退勤したとはいえ)ハードワーク後の旅行でした。また、航空機が遅れた影響で事前に予約した座席指定券もパーになり、長距離列車を立って移動しました。フラフラになりながらホテルに着いた1日でした(後から振り返ると、会う人への話のタネになって良かったのですが)。

2日目:クヴェードリンブルク付近の観光とマクデブルクへの移動

この日は当初の予定にはなかったクヴェードリンブルク観光に充てました(当初はドイツ北西部に滞在する予定でした※)。クヴェードリンブルクとマクデブルクの位置関係を図3に示します。

※当初の予定のためにフランクフルトとケルンの列車での移動方法という記事を書いたのでした。

図3. クヴェードリンブルクからマクデブルクへの経路(googleマップより引用)

前日の疲れもあり、この日はゆっくり過ごすことにしました。ただし、マクデブルクで翌日ののりばの下見し、より疲れたのですが…。

クヴェードリンブルクは典型的な田舎町という印象を抱き、田舎の良さを見直したのです。

3日目:マクデブルク観光(一部は4日目)

前半のクライマックスのマクデブルク水路橋制覇です。このために1日確保し、空き時間にマクデブルクの街歩きの予定でした。

この日もゆっくり過ごす1日としました。デモ活動があり、夕方には緊張感が走りましたが、実害はほぼありませんでした。

4日目:マクデブルクからベルリンへの移動とポツダム散策

マクデブルクからポツダムを経由し、ベルリンまで移動しました。経路を図4と図5に示します。

図4. マクデブルクからポツダムへの経路(googleマップより引用)

図5. ポツダムからベルリンへの経路(googleマップより引用)

この日はマクデブルクからベルリンへの移動です。ポツダムについて専門的な鉄道旅行の書籍には以下のように記されていました。

ドイツの首都の郊外にすぎないと考えるかもしれません。しかしそれは、ホーエンツォレルン家の本拠地であり、帝国の権力の中心地であったポツダムの歴史的重要性と、東ドイツ最大の州であるブランデンブルク州の首都としての今日の都市の地位を誤解することです。ポツダムは絶対に「必見」です。

Europe by Rail(p130より引用、翻訳)

確かにポツダムは必見でした。あくまでも途中経路として寄りましたが、もう少し時間を割いても良かったように感じました。

5日目:ベルリン滞在と夜行列車

写真3. このような街歩きも楽しく感じる(ベルリンの街歩き)

この日は日中はベルリンの街歩き、夜は夜行列車への乗車です。なお、ベルリン フリードリヒ駅に立ち寄ったのは4日目の夜ですが、ここでは5日目にカウントしました。

図6. ベルリンからチューリッヒへの移動経路(googleマップより引用、正確な経路は異なるかもしれません)

3回目のベルリン、ということで有名観光地をスタンプラリーのように回るのではなく、思いのままに散策することに重点を置きました。なお、前回(2018年)に訪問し、書いた以下の記事も手直ししました。

スタンプラリーのように観光地をめぐるよりも、こちらのほうが性に合っていると思いました。

6日目:チューリッヒ滞在

この日はチューリッヒに滞在しました。夜行列車による疲れがあり、2時間程度昼寝をしてしまいました。

チューリッヒはスイス最大都市ですが、中心部はこじんまりとしており、のんびり過ごせました。また、ケーブルカーが都市交通として親しまれているのも興味深かったです。

7日目:チューリッヒ起点の日帰り3か国旅行

写真4. この旅行で唯一訪問したオーストリア(ブレゲンツ)

この日はチューリッヒを拠点としながらも、3か国めぐる小旅行に繰り出しました。経路を図7~図9に示します。

図7. チューリッヒからフリードリヒスハーフェンへの経路(googleマップより引用)

図8. フリードリヒスハーフェンからブレゲンツへの経路(googleマップより引用)

図9. ブレゲンツからチューリッヒまでの経路(googleマップより引用)

この日は、ドイツ南部の保養地リンダウとオーストリア西部の都市ブレゲンツを訪問することを大きな目的としました。また、船を国境を超えることも1つの目的です。こうすることで、経路の重なりを最小限にすることができました。

リンダウはリゾート地、ブレゲンツは都市、と両者の違いを見ることができました。そして、スイス、ドイツ、オーストリアとめぐることで各国の違いも何となく感じました。

8日目:ゴールデンパスを活用したチューリッヒからモントルーへの移動

写真5. 前面展望は最高!(ゴールデンパスパノラミックより撮影)

この日はゴールデンパスを活用し、チューリッヒからモントルーに移動しました。最速を目指すのであれば、ローザンヌで乗りかえるほうが良いのですが、ここはあえて風景を重視しました。経路を図10~図12に示します。この日はシヨン城にも行く予定でしたが、レ・プレイアードに置き換えました。

図10. チューリッヒかトゥーンへの経路(実際はベルンを通らない経路で移動しました)(googleマップより引用)

図11. トゥーンからツヴァイジンメンへの経路(googleマップより引用)

図12. ツヴァイジンメンからモントルーへの経路(googleマップより引用)

ゴールデンパスの沿線風景は美しく、人気が出るのもわかります。一方、レ・プレイヤードはそこまで人気の山ではありませんが、レマン湖地区を楽しむという意味では良い場所だと思いました。チューリッヒより南国感があり、保養地として人気が出るのも納得できました。

9日目:レマン湖畔の堪能(モントルー近郊とジュネーブ街歩き)

この日はレマン湖近くのモントルーとジュネーブを満喫しました。モントルーとジュネーブは2時間もあれば移動できるので、そこまで気が重い移動ではありません。経路を図13に示します。

図13. モントルーからジュネーブへの経路(googleマップより引用)

シヨン城は見ごたえある城でした。また、ジュネーブはレマン湖沿いの保養地というよりも国際都市という感じがあり、モントルーとは異なる表情を見せていました。モントルーに着いたときから感じていましたが、スイスというよりもフランスという感じがあり、(同じスイスなので国境を超えていませんが)別の国にやってきた感じがありました。

10日目~11日目:日本への帰国

午前中はジュネーブの街歩き、午後は日本への帰路をとりました。

図14. ジュネーブから羽田への経路(googleマップより引用)

経由便は疲れますね…。羽田での入国もスムーズで家にちゃんと帰れたのが何よりです。

各記事をイメージできる写真

各記事をイメージできる写真を掲載しました。写真をクリックすると当該の記事が別ウィンドウで開きます。

23年GWドイツ・スイス旅行の旅程立案

写真6. スーパーマーケットを上手に活用するのもポイント

2019年にパリから帰って以来、国内に閉じこもる毎日が続きました。これは特定の疫病に対して大げさに入国制限した政府の方針に大きく起因しますが、これは多くの価値観があることでしょう。ともかく、2022年10月からこの制限が大幅に緩和され、事実上の国外旅行自由化がなされました。

とはいえ、4年ぶりの海外です。4年ぶりに大きく変わっているかもしれません。そのため、手慣れた国を中心に回る「リハビリテーション」を軸に考えることにしました。そして、手慣れたドイツ、前回惹かれたスイスを中心に回ることにしました。そして、個人的に気に入っているオーストリアも含めたいと考えました。

これらの軸を中心に見据え、一般的な2つの制約である予算と時間の制約をどのように考えたかを記します。また、意外と忘れがちな荷物についてもまとめました。

予算の制約

旅行に行くにあたり、予算は大きな制約です。節約術の1つに効果の大きなものから取り組む、とあります。現地での水を高級店から薬局に切り替えたところで(それもできたら良いが)、大した金額にはなりません。

欧州旅行における費用を算出すると、多くの人が欧州への往復の航空券の高さに驚くでしょう。そして、ロシア上空を経由できないことによる燃料代の高騰もそれに拍車をかけています。そこで、経由便も候補に含めることにしました。経由便を選ぶことは、時間を引き換えに金銭を節約する手段です。直行便との比較で片道4時間程度は許容範囲内としました。

これで片道5~10万円は節約できたと思います。

また、現地での鉄道移動は行程の自由度を考慮し、鉄道パスとしました。ドイツやスイスでは、鉄道パスさえあれば立ってでも移動できます(夜行列車は別)。では、どのようなパスが良いのか、区間乗車券が良いのかを考えました。

細かな計算過程は省略しますが、以下の順番で計算しました。ここでは簡単のために日本円に換算せずに現地通貨で計算するのがポイントです。そして、計画段階ではスイスフランとユーロはほぼ同じ価値でしたから、1スイスフランも1ユーロで計算しました。

  1. 時刻表などで想定した行程を作る(詳細までは書かなくてOK、ExcelでいうA列)
  2. 1に対応する区間別乗車券の金額を記す(ExcelでいうB列)
  3. 鉄道パスの金額を書き込み、対応する区間別乗車券を置き換える(ExcelでいうC列)
  4. 各列の合計金額を算出し、最も安い組み合わせにする

やっていることはそう難しくありません。でも、そのような情報がなかったら?まとまった情報は意外となく、自分でまとめました(やはり頭がおかしい)

これらを考慮し(ナイトジェットもレイルパスのほうが安く済んだのは意外!)、基本的にレイルパス利用、ただし3日目はザクセンアンハルト州チケット、4日目はドイツ全土チケットを利用したのです。

今回の旅費においてこれら2項目だけで73.2%を占めているので、他は考えても考えなくとも良いでしょう。ただし、ホテルだけは早めに予約するほうが安く済みます。

また、このほかに航空券、鉄道チケットは公式サイトから直接手配ホテルはgoogleマップから安い代理店を選んで確保、といった中間マージンを削減することによる小銭程度のコストダウンを実施しました。

また、マイル会員に登録し、マイルを貯めることにしました。ただし、これは将来的に「マイルで航空券を買おう」という気持ちではなく、(条件に合致したら儲けものですが)1マイル=1円で使える割引券という認識です。マイルが達していなくとも、国際線や国内線を購入する際に若干安くなるのですから。逆に、マイルのために高い航空会社を選択するのは本末転倒です。

時間の制約

旅行において時間の制約も大きいです。限られた時間で多くの場所に行くと、1つの場所に時間を取れません。逆に、1つの場所に時間を取ると、他の場所を犠牲にします。では、両立するにはどうしたら良いのでしょうか。

そこで重要な考えかたが旅のマトリックス図という新しい概念です。

コアとなる考えは以下の一文です。

周遊旅行の全体最適をねらい、目的地ごとにめぐる観光施設の種類を分散させる

旅のマトリックス図の提案(周遊旅行とゆとりの両立)

それを今回の旅程に落とし込んだのが以下のものです(表1)。

表1. 旅のマトリックス図

このような考えがあり、マクデブルクやジュネーブでは教会を省略しました。また、(ポツダムで宮殿に行ったので)ベルリンでは王宮や宮殿を省略しました。最初から都市と種類の組み合わせを決めていたのではなく、ある場所では行けなかった観光施設を別の都市でリカバリー(マクデブルクで教会に行けなかったのでベルリンでリカバリー)しました。

観光施設の種類を考える、これは自分との向き合いです。2019年のパリ旅行での苦い経験が生きています。パリでは2つの美術館、1つの宮殿などの観光名所めぐりに時間をかけ、心から楽しめませんでした。個人的には観光名所に行くよりも街歩きのほうが楽しく感じ、街歩きに重点を置きました。したがって、美術館は全面的にカットしました。教会や宮殿は「せっかく行ったんだから1か所くらい見ようよ!」という程度の気持ちです。

このように時間を産み出すことで、先に述べた「経由便にすることによる片道4時間」の時間的ロスを相殺できました。

また、直前になって1泊目をノルトラインヴェストファーレン州(ケルンやデュッセルドルフ)からクヴェードリンブルクに変更しました。これは、マクデブルクに近い場所を集中的に回って移動時間を減らす策でもあります。

荷物の工夫

今回、金銭的制約や時間的制約を少しでも小さくするために荷物を小さくしました。具体的には、航空機の機内に持ち込み、手荷物預かりをなくしました。これで、ロストバゲージの心配から解放され、荷物を回収するまでの待ち時間をなくせました。

手荷物を少なくするための具体的方策は以下の通りです。

  • 洋服類は捨てたいものを選択し(見すぼらしくなることで盗難のリスクも減る)、旅行の後半に捨てる
  • ガイドブックは地球の歩き方2冊とし、オーストリアのブレゲンツはコピーしたものをはさんだ(1冊ぶんの節約)
  • 旅程は紙に印刷(Wordで作成)し、そこに乗る列車やホテルを書きだす

こうすることで、荷物を少なくしました。洋服を捨てたことによる空間に職場へのみやげを入れました。旅程に2泊する日を2回入れることで、洗濯物を干す日を設定しました。

荷物が少なくなったのは良いのですが、洗濯に2時間×2回=計4時間かかるようになってしまいました。夜の休む時間を使うので丸々時間の無駄にはならないのですが、時間の節約には難しいかもしれません。ランドリーがないと手洗いになってしまうのです。

23年ドイツ・スイス旅行を振り返って

旅行してどうだったのか振り返りましょう。

費用面の振り返り

私が旅行に使った費用を集計します(表2)。この費用は以下の点にご注意ください。

  • この旅行に持っていたもの(ガイドブック、変圧器など)は含まれない
  • 0日目に羽田空港の建物に入った瞬間から、11日目に羽田空港の建物を出た瞬間までの計上であり、自宅と羽田空港の行き来は含まれない
  • 再両替の手数料を含んでいない(次回用に日本円に両替していない)が、クレジットカードの両替手数料を含む

表2. 旅行に使った費用の集計

項目 費用 [円] 割合 [%] 累計 [%]
航空機 350,443 59.5 59.5
現地移動 80,728 13.7 73.2
ホテル 71,819 12.2 85.4
食事 50,406 8.6 93.9
観光 17,433 3.0 96.9
物品 8,238 1.4 98.3
食料 7,374 1.3 99.5
都市税 2,717 0.5 100.0
合計 589,156 100.0 100.0

図1. 支出の割合(円グラフ)

総額59万円です。これだけ見せられても高いのか安いのかがわかりません。そこで、旅行会社の周遊プランを見てみます。

私が立案したプランに合致するものはありません(夜行列車に乗るなどは無謀でしょう)が、目安として提示しました。一部の食事が抜けているのでそのまま比較できませんが、旅行会社のプランのほうが2日少ないのに多少高いことに気づかされます。旅行会社のプランに比べてやや割安なことがわかります。もちろん旅行会社の費用には現地で調達する水などは含まれていません。それを加えると旅行会社のプランとの差は広がります。

個別で節約するべき箇所があるのでしょうが、総じてコストパフォーマンスが良好な旅行を実現できたことがわかります。

旅の後半はスーパーマーケットを積極的に活用しました。これも食費を抑えるのに貢献できました。

主要な部分について簡単に考察します。

航空券(350,443円)
原油価格値上げ、ロシア上空通過不可というハンディキャップがあり、需要が急激に回復しているなかでの35万円でした。往路が15.8万円、復路が19.1万円と差が生じました。往路はトルコ乗り継ぎ、復路は欧州から日本までの直行でした。復路もトルコ上空を飛行することには変わりません。日本到着時刻にこだわった結果ですが、復路のやりようもあったかもしれません。そうすれば、もう2~3万円の節約となりました。
現地移動(80,728円)
この項目はフランクフルト空港から出発後、ジュネーブ空港に到着するまでの交通費をこの項目に算入しました。機動性を重視し、(変更が不可能な)個別乗車券ではなく鉄道パスを利用しました。このなかには鉄道パス約5万円、ナイトジェット1.6万円が含まれています。ナイトジェットは宿泊費節約という意味で重視しました。チューリッヒで2時間昼寝をしたのでこのメリットは若干減ってしまいましたが、時間の節約にも貢献しました。チューリッヒやモントルーで宿泊者用の交通チケットをもらい忘れたことや、ICEの座席指定が無駄になったことによる損金が4100円程度あります。本来なら削るべき金額ですが、現地移動が10日ぶんあったことを考慮すると、おおむね問題ない金額でしょう。
ホテル(71,819円)
比較的早めに確保したこともあり、かなり安く済みました。この点については全く問題ありません。あえていえば、周辺の治安も考慮するべき場面があったことです。
食事(50,406円)
この金額は羽田空港に入ってから、羽田空港を出るまでのカウントです(0日目の夕食含む)。ただし、機内食はこの金額に含んでいません。食料(スーパー等で買ってホテルで食べる)も含め、5.8万円でした。現地滞在1日当たり5800円です。比較的リーズナブルだったと思います。欧州の料理は量が多いことがあり、あまり注文しませんでした。これが功を奏した結果です。
観光(17,433円)
かなり安く済みました。教会、美術館などの有料の施設にあまり入らなかった点が大きいと思います。逆にここでもう少しお金をかけても問題ないかもしれません。
物品(8,238円)
海外用のWi-Fiもここに含んでいます。Wi-Fiはあると便利でしたが、実は不要ともいえました。私は携帯電話はahamoを契約しており、15日までなら海外で通常通り使えます(手続きや追加料金は不要)。これを見越してahamoに変えたのですが、これが功を奏した結果です。また、ホテルなどでWi-Fiも使えました。ただし、バックアップ用の回線としてWi-Fiを契約するのはこの程度の金額なら許容範囲と思います。また、土産をスーパーで買うという奥義を発動した結果、土産にかかる費用も軽減できました。
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食料(7,374円)
食事(外食)と食料(テイクアウト)を区別し、テイクアウト形式のぶんの金額です。食事全般で5.8万円程度であり、10日ぶんとしてはだいぶ節約できた格好です。ただし、旅程の前半ではスーパーマーケットをあまり活用せず、やや割高だった面は否定できません。物価高のスイスでこの点に気づき、スーパーマーケットを多用したのは費用軽減に貢献できたと思います。食事を含め、及第点以上と自己評価しています。

また、今回はタッチ決済が可能でVISAブランドが使えるエポスカードが重宝しました。航空機以外はおおかたエポスカードで決済しました(航空機はViewカード)ので、ポイントがそれなりに溜まっているはずです。ポイント還元はそこまで大きくなくとも、現金よりリーズナブル(両替屋の手数料よりもクレジットカードでの手数料のほうが安い)で、0ではない還元があると思えば、それなりにメリットのある選択肢だったのでしょう。

海外旅行に使えるカード:エポスカードをご覧ください。

海外旅行で意外と重要なのは、クレジットカードです。欧州鉄道旅行(ヨーロッパ鉄道旅行)で私はエポスカード(EPOSカード)を選択しましたが、その使い勝手を実際に紹介します。

時間面の振り返り:主に旅のマトリックス図の評価

今回は時間に余裕を産み出すために観光名所の種類ごとに取捨選択するという、新しい考えを導入しました。個人的にはこれは大当たりでした(表3)。

(再掲)表3. 旅のマトリックス図

ただし、観光施設が偏った向きがあります。博物館はジュネーブのルソー関連のみ、美術館に至ってはゼロでした。

また、鉄道についても同様にマトリックス図の考えを何となく導入し、変化を持たせました(表4)。

表4. 各日付に乗った鉄道の種類

これにより、多くの種類の列車に乗ることができました。ただし、初日のICEは当初予定の列車(ICE798号、フランクフルト中央11:53→Hildesheim 14:37)に間に合わず(※)、別ルートのICEを選択しました。このICEが全席埋まっており、立ちを強いられました。これは心残りです。最初から食堂車で粘る作戦のほうが良かったかな。

※フランクフルト空港の手荷物受取所を通過したのが11:37(時刻通りであれば10:47見込み)、フランフルト空港駅からフランクフルト中央まで14分(15分間隔)の時点で絶望的と見ました。

個人的にミスした点は認められますが、おおむね満足度の高い旅行でした。

4年ぶりに欧州の鉄道に触れてみて

最初にひとこと。ドイツ鉄道の長距離列車のオペレーションの総崩れには落胆しました。

工事でフランクフルト-ベルリン(ブラウンシュバイク経由)の長距離列車が毎時1本(正確にはフランクフルト空港発着とフランクフルト中央発着がそれぞれ2時間間隔)から2時間に1本に半減するのは仕方ない(日本の感覚ではこれでも「仕方ない」にはならないが)として、フランクフルト-ベルリン(エアフルト経由)が増発なしというのは悪い意味で驚きました。それが空いているのならまだしも、席が埋まって立ちが出るくらい混んでいるのです。

ここまでの配慮を求めるのは酷かもしれません。しかし、ある程度の列車が突発的に運休しているのはあきれました(私は巻き込まれませんでしたが)。これにより混雑がひどくなっている可能性を指摘できます。欧州は環境負荷のこともあり、鉄道利用に追い風が吹いています。その追い風で普段自動車や航空機を使っている人が鉄道を使ってみて立たされたらどう感じるのでしょうか。

日本よりも労働者の権利を尊重する国であり、鉄道会社の職員も労働者である以上、日本のオペレーションを求めるのは酷でしょうが、遅れや運休を半減することを目標としてもらいたいです。

逆に、ドイツやスイスがうらやましいことは、田舎でも主要駅は毎時1本が確保されていることです。(特にドイツは)日本よりも地形がゆるく、保守にお金がかからない点を考慮しても、いち鉄道ファンとしてはうらやましく感じます。ドイツ・スイスともに地方分権という事情があるためか、鉄道網が発達しており、多くの場所から多くの場所に行くことができます。これもうらやましく感じました。

また、チケットレスのサービスも進んでおり、その点は欧州は先進国と感じたものです。

日本の鉄道の長所もあれば、外国の鉄道の長所もある、ある意味当たり前なことを改めて実感しました。

23年GWドイツ・スイス旅行の反省を踏まえて

写真7. 立ちが生じるICEの車内

23年GWドイツ・スイス旅行の反省点は主に以下の3つです。

  • 航空機で現地入りしてすぐの長距離の鉄道移動を避ける
  • 旅のマトリックス図を洗練させる
  • 宿泊先選びにはランドリー付を選ぶ

航空機で現地入りしてすぐの長距離鉄道移動を避ける

今回は、往路の航空機が50分遅れ復路の航空機が25分遅れました。そのため、接続時間を短く見積もると当初の予定が破たんします(今回は不幸中の幸いで鉄道パスを所持していたので、立ってでも別経路で向かうことができましたが)。2018年2019年と異なるのは経由便を利用し、昼ごろに着いたことです。早朝着であれば滑走路も混んでいないでしょう。昼だと滑走路も混んでいて遅れるのでしょう。

航空会社には定時運転確保を強くお願いしたいところですが、われわれ利用者としてもこのことを前提に予定を組んで自己防衛に努めるしかありません。

ベストは航空機で現地入りした日は長距離移動しないことです。空港から市内への移動(日本でいう羽田から東京駅への移動)であれば、予定が狂って困ることもありません。この日は東京から京都に移動しようとしたために困ったのです。近距離にとどめればダメージは大きくありません。

3時間も遅れることはないでしょうから、ベターシナリオは最初の都市で3時間滞在するプランを立てることです。遅れれば滞在時間を削れば良いですし、遅れなければその都市を楽しむことです。

旅のマトリックス図を洗練させる

今回は旅のマトリックス図という概念を導入し、(個人的には)自分に合致する概念でした。ただし、観光施設がある程度限定されたのは少し軽率だったように感じます。博物館、美術館、オペラ、オーケストラなど場面をもう少し拡大するほうが良かったかもしれません。

旅のマトリックス図にとらわれてそれを達成することばかりに執着しても本末転倒ですから、この点は中程度の意識で臨みたいと思います。

今回の旅程では、はからずも大都市(ベルリン)、中都市(マクデブルク、チューリッヒとジュネーブ)、リゾート地(モントルー)、素朴な田舎(クヴェードリンブルク)を宿泊地に選びました。同じ中都市でも旧共産圏(マクデブルク)、ドイツ語圏のスイス(チューリッヒ)、フランス語圏のスイス(ジュネーブ)と変化を持たせることができました。この点は旅程に変化を持たせるという意味で非常に有用でした。

宿泊施設にランドリー付を選ぶ

洗濯に時間をかけてしまっては、せっかく捻出した時間を浪費してしまいます。そのため、洗濯スケジュールも組み、そこに合致する場所の宿泊先をランドリー付きを選ぶなどの工夫が重要だと感じました。ただし、洗濯せずに困るのは下着類です。下着のような安いものは最悪外国でも入手できるので(今まで着ていたものを捨てる)、他に逃げ道があり、これは備考レベルです。

23年GWドイツ・スイス旅行のまとめにかえて

今回、足がけ11日に及ぶ旅行を実施しました。途中で細かな失敗や反省点こそありますが、非常に楽しい旅行でした。そして安全に日本にたどり着いた点も大きいです。おおむねベストプランを遂行できたと思います。

ただし、この旅行を楽しいと思ったのは、あくまでも私という人間の価値観に基づいたものです。他の人は異なる価値観をもち、各自で旅程のカスタマイズが必要でしょうし、そうなるのが自然です。

旅行は異なる土地の様子を知るほかに、旅行の楽しいと感じる場面を分析することによる自分との向き合いという側面があります。知らない土地という外と向き合うとともに自分と向き合うことになるのです。このことを改めて実感したのです。

前後を読みたい!

(←前)ジュネーブから東京(羽田)までの経由便(パリ経由)

23年GWドイツ・スイス旅行のまとめと振り返り:現在地

終わりです!次はありません!(次→)

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