みなさんこんにちは。前回からの続きです。

今年6月に限定で発売された「近鉄全線2日間フリーきっぷ」で巡った、近鉄沿線乗り鉄道中記をお送りしています。




「ナローゲージ」という、いまや国内に3社・4路線しか存在しない貴重な、軌道幅が762mmの車両も小規模な規格の鉄道。


そのうちの2路線「内部線」「八王子線」を有する「四日市あすなろう鉄道」を乗り鉄しています。近鉄ホームページ、グーグル地図より。




四日市から「八王子線」を往復した後に、下車したのは「日永駅(ひながえき)」でした。
ここでもやはり?市のキャラクター「こにゅうどうくん」が居るのに和むのですが、副駅名には「あすなろう中央緑地駅」とあります。

気になるところですが、この日永には後ほど帰路にゆっくり途中下車してみようと思います。


ここは「あすなろう鉄道」の拠点駅となっているのですが、支線の「八王子線」と本線筋に当たる「内部線(うつべせん)」が分岐する駅。

今度は、その「内部線」の終点「内部駅」に向かうことにします。グーグル地図より。


西日野からの列車を降り、渡るのは構内踏切。いや、この設えのものは懐かしい雰囲気。

最近では、あまり見かけなくなったものです。



それを渡った1番線が、内部方面のホーム。
3本並ぶ線路のうちいちばん奥は、先ほど乗って来た、八王子線の西日野へ向かうもの。

見たところ、駅のまわりはやはり住宅街なのですが閑静な佇まい。ひと昔前の設えの駅構内がなおのこと、引き立つかのように思えます。


待つことしばし。内部ゆきがやって来ました。

四日市からの列車ですが、列車の接続はうまく考えられています。両線ともに、日中は30分おきの運転です。


先ほど降りた、西日野発の四日市ゆきも同時に発車。なかなか楽しめる光景です。


時間は、朝の10時を回った頃。
平日でしたので、地元の方々が多いようです。一駅ごとにみなさん降りて行くのですが、代わりにぱらぱらと乗車もあるのが印象的でした。

決してターミナルの四日市へ向かうのみの需要ではない、地域の大切な足なのでしょうね。そのような風景を見ると、ほっとします。


住宅街の中を縫うように走り、10分ほどで「内部駅」に到着。小さな車両基地が併設されている「内部線」の終着駅です。


さて、20数年振りの再訪になった今回の旅。
「あすなろう鉄道」になる前、近鉄時代のことでしたが、この駅のホームに建つ木製の支柱。

ホームの目立つところに堂々と?そびえていたものはそのまま。それを、はっと思い出しました。忘れていた遥か昔のことですが、こんなこともあるのですね。


最初に乗り鉄した時、中間車両にはまだ昭和20年代の古い車両がばりばり現役だったのが印象に残っています。以下、内部にて。2000(平成12)年7月、ブログ主撮影。

窓の上下に細長く張り巡らされた、車体強度を保つための補強材(ウインドウシル)などに、時代を感じます。まだ鉄道車両の製造技術が今日ほど進んでいない時代の、大きな特徴と言えましょうか。


車内は、小ぎれいな印象がありました。
ただ走り出すと、縦揺れ横揺れが結構あったなとも思い出します。


その年代物の中間車両をはさんでいたのが、運転台つきの「260系」という車両。

戦前生まれの車両も居た、古色蒼然とした顔ぶれを置き換えるために1982(昭和57)年に登場した「内部・八王子線」のスター車両でした。


後にその古い中間車両を新造して差し替え、運転台つき車両にも、大規模なリニューアルを施工。現在では、近代的な「あすなろう鉄道」の主役として活躍しています。日永にて。


塗装が変わっただけでもインパクトがあるのに路盤も改良されたためか大変乗り心地は良く、なおかつ冷房つきに。一時は、存廃の危機に晒されたという路線ですが、ここまでのサービス向上を図るとは、です。

これからも路線を残したいという強い意志とともに、地元の方々にとって「あすなろう鉄道」は大切な存在なのだろうと感じます。


ところでこの「内部駅」でも、線路の終端部を眺めてみます。


引き込み線からのポイントが集約されたところに車止めがあるのですが、その先少しばかり線路は続いています。これは気になります。奥の高架線は「国道1号」。


四日市から「内部線」は、かつて繁栄していた旧東海道に沿うように走っていたのでした。出典①。

次回に続きます。
今日はこんなところです。

(出典①「四日市あすなろう鉄道 乗って歩いて再発見マップ」特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会企画・編集 四日市市発行 2023年3月)